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第二十二話 サバイバル その1

 悪魔がコンサル、という意味。。。



 ———そうしてとにかくおれたちは、わけのわからない口喧嘩をつづけながら一日目の夜を迎えたのだった。


 いろいろあった。あり過ぎた。

 なのに、まだ一日。


 ここで円盤か何かが降りてきて、すべては仮想現実でした〜とか宇宙人がやってくれたら解決するのに、その徴候もまったくない。


 代わりに、あのときの生存者というか、避難者が増えてくる。

 このままでは身動きが取れなくなる。


 アンジュは焦っていた。

 残留スタッフの間で死者たちの始末が問題になっているのだ。


 このまま時間が経っていくとやがて腐乱《ふらん》という自然現象に直面する。

 その前に、どうするかということだけ決めておきたいということだった。


 そして、眠り。

 眼を閉じるのが怖《こわ》い。

 眠りの中に何かがいるという館内放送のあの言葉がじわじわと侵食してくる。

 アンジュが焦っているということは、悪魔にもその原因がわからないということだろう。

 絶対悪の魔神とかいうアーリマンって、そんなにすごいわけ?


 眠ってはいけないというのはきつかった。

 寝不足と神経的な疲れから眼が充血していて苛立《いらだ》ち、半ば正気を失っている。

 

 ……自分もそうかも。

 アンジュはそう思いはじめていた。


 いつの間にか夜になっている。

 冬の夜は早い。


 あんなことをくぐり抜けてきて、おまけに完徹状態。

 死体の腐乱を少しでも遅らせようとして各病室の窓を開け放っているから、医局に籠もっていてもどこかから隙間風が入ってくる。

 おまけに眠ってはいけないというのだから、興奮剤と覚醒剤を合わせ飲みしたって、きつい。時間が過ぎていくのが超のろく感じられる。

 それでもまだ、あれから丸一日も経っていないのだ。

 百年くらい経過したみたいに色々なことがあったのに。


 冬の陽が落ち、

 暗くなって、

 どのくらい、

 ぼんやりしたまま時を過ごしただろう。


 ふと気づいて横を見ると、

 同じように医局端の椅子に腰を落としていた咲坂さんが、

 こっくりとうなだれたようになっていたのだった。


 ……みんなもう疲れている。

 全員そうだ。


 そうぼんやり思っているうちに、不意にアンジュは気づいた。


(静かだと思ったら!!)


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