第9話-2 神に対する啖呵
『や、待たせたかい?』
「うん、待ったよ」
『そこは「待ってないよ」っていうとこでしょ。まあいいや。で、どうする家畜。私とヤる? それでもいいよ?』
『......いいだろう。退いてやる』
邪神はハムスターの両腕を切り落とし、こういった
『退いてやる? 退かせていただきますでしょ?』
うわ、強い。今はどうあがこうと勝てないわ
『どう? 崇めてもいいよ』
「中指立てて崇めます」
『ふ~ん、まあいいや。面白いもの見せててくれてるし、これからも期待してるよん♪』
「......てかアレは何だったんですか?」
『恥かな......』
恥って……あれか? 地上の民に対して本気出すなんて恥ってことか?
『下級の民を甚振るとか恥じゃん』
「ふーん」
人間はよくやるけどな
『完成品と欠陥品とを同列に語らないでよ~』
「あいあい。で、聞きたいことですけどいいですか?」
『何? 告白? 愛玩動物を相手にする趣味はないなけど君なら......いいよ?』
「人間は神に勝てますか?」
変なことを言っていたが俺は気にも留めず聞いた。人間は神に勝てるか。正直あの実力差を見せられると勝てないと断言が出来る。けれど、どうせなら足掻いて見せたい。だからまずはこいつに聞く。相手を知らなきゃ対策も練れないし
『......君はさっきのを見て分からなかったの? そこまで愚かだった?』
「勝てないって断言できます。天地がひっくり返ることはあっても、人間が神には勝てない。ええ、そう思います。けれど、それをひっくり返す、分の悪い勝負にまで持ち込むのが人間の可能性です」
『クッ.......ハハハハ!』
凄い笑ってる。まあそうだわな。とんだ世迷言だ。必死に威嚇しているレッサーパンダを見てコイツ本当に威嚇してんのかよwっと俺たちが思うのと一緒だ。しかも俺たちはレッサーパンダなんかじゃなくて爪も角もない、脆い牙しか持ってないただの愛玩動物だ。そんなやつが勝てる土台に立ってやるよっていうならいっそ哀れで笑うだろう
『アーワラッタ。で、神に勝つ方法だっけ? 神になればいいよ』
「は?」
『あれ、君神話とか見ないタイプ? 男の子はそういうの大好きでしょ?』
「いや、見ますが.......大体そういうのって神の血が入ってますよね。少なくとも俺に神の血が入ってるのは思えないです」
『確かにそうだけど......神の子供っていうならそうでしょ?』
「は?」
『君は私が直々にここに連れてきた魂。その時にちょっと弄ったからね。実質神の子よ。今すぐ神にしてあげようか? 強くなるよ?』
「そうですねえ......拒否します」
『へえ......』
当たり前だ。そこは最後の一線だ。後仮に今神になったとしても下級も下級だ。なら鍛え上げて人間という弱い種族のまま怪物に対して大番狂わせを起こし続けてレベルを上げてからの方が断然いい。神になったら弱い者いじめになって絶対強くなれない。より強い神に対して戦うというのも手だが......そうなったらアイツらと離れ離れになる。半神ならまだしも神になってしまったら人間界に居られない。俺にはそれが耐えられない。友人たちに出会い、大好きな人と婚約して、学園でバカやって、もっといろんなことをしたい。もっとアイツらと遊びたいし、知らないことを知りたい。色んなところに行ってまだ見ぬ世界を、人を見たい。生憎俺は強欲なんだ。充実した人生を、ミリバーブという一人として生きたい。そしてその上で神を殺す。だから
「俺は神にならない。神殺しの武器だけくれ」
『……』
ポカーンとした間抜け顔だ。前回と違い俺じゃない人の姿だ。中々の美人。マリーにはおと......いや劣らないわ。絶世の美女だ。もし、この世界に世界三大美女というくくりを作るなら恐らく真っ先に挙がるんだろうなっていうほどの美女だ。俺にこの美しさを形容する言葉を持ち合わせていない
『……! やっぱり君は君なんだね。うん……そうだ。変わってない』 ボソッ
「神殺しの武器をくれよー、代金はお前の命で払うからさー」
『……生憎レベルが足りない。神殺しの武器はそれ相応の強さが必要なのさ。君はまだまだほど遠い』
「なら、そのレベルになってお前をぶっ殺すからな、覚悟しとけ」
『うん……君と戦えることを楽しみにしているよ!』
そう言い残しあの邪神は消えた。まるで何事もなかったかのように時は動き出した。そういえば、昔俺はあの邪神を前にすると平伏していた。なのに今は軽口を聞けるようになっている。これはなんだ? オーラみたいなものがなかった? いや、それは普通にあった。わからない......
Side ブラビリム
ああ、嬉しい。彼が私のために強くなる。私のための人生を歩む。それが堪らない位に嬉しい。彼の人生の中心は私なんだ。それが途轍もなく嬉しい。やっぱり彼は何度転生しても私のことが好きなんだ、私が一番なんだ
まあ勝手にちょっかいを掛けたあの家畜は殺したけど。私の彼に粉を掛けたんだ。仕方ない。恨むなら自分の愚かさを恨んでほしい。冥界の神には小言を言われたけどまあいいや。必要経費というものだ。アレのお陰で彼のフィルターも少しずつ剝がれてきている。最初にちょっと刺激を強くしすぎちゃったからね。畏まられるのは嫌だしね
ミリバーブ、私は君が強くなるために贄を与えるからね、与え続けるからね。もし、君が本当に諦めたら止めるけど
ミリバーブ......ちゃんとここに来てね?
こんにちは、月照です。誤字脱字、誤記等ある場合は報告してくださると幸いです
漸く創作意欲が復活してきた気がします。焦らずマイペースでやっていきますのでこれからも何卒宜しくお願い致します
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