第10話 特殊能力が使える武器ってワクワクするよね
校内大会は無事閉幕した。その時に初めて国王の姿を間近で見たが優しそうな気のいいおっちゃんっていうのが俺の感想だ。親戚の偶に会うおじさんみたいな。そして俺はヴォルクーネ杯用に先輩方やカグラたちとの特訓をしている。主に近接戦対策だ。正直今から近接戦を身に付けるのは厳しい。だから近接戦から中・遠距離の魔法戦に持ち込むための訓練をしている。どう相手を引きはがすか、接近してくる敵をどういなすかなどを重点的にしている。魔法戦という俺たちの土俵にどう相手を引きずりこむか、これが俺の課題だ。余程近接戦が出来ないというやつ以外は俺に対して近接戦で戦おうとするだろう。なんせ俺の魔法の威力は折り紙付き、更には先日の校内大会でそれが証明された。あの大会にはヴォルクーネ杯出場者も偵察に来ている、少なくとも前回の優勝者は来ていたとリシュリーノの報告に上がっていた
後は今年の出場者のデータ分析だ。これはハイデン先輩やリシュリーノたちにお世話になった。特にスヴォーフ。アイツは状況分析とか相手の癖とかがギフトのお陰でわかるらしい。戦略・戦術チートってすごいんだな。まあそれもリシュリーノたちの情報のお陰でもありお世話になってばかりだ。ここまでされたら優勝あるのみよ
「......やはり問題はこの少女ですね」
「うん、隙が見えない。何をどうして倒したのかがわからない」
「片や斬撃で、片や魔法で......多種多様な方法で相手を瞬殺しています」
「ギフト......性能もトップクラスなんだろうなあ......」
「スヴォーフ......わかる?」
「こればっかりは直で見てみないとだね。けど相手の証言から考えるとに時間停止系かな? 問題は......」
「時間停止はどのくらいか、対抗する術はあるか......だな」
「時間停止系のギフト対策は圧倒的な耐久力が必要だね。大抵は30秒未満且つ連発は出来ない。だからそれに耐えうる体力や防御力が必要。まあ......」
「即やられたら厳しいわな」
ギフトならまだマシだ。もし、この時間停止が魔法なら最悪だ。スタートの合図が聞こえた瞬間に発動するような術式を組んでいたら成す術がない。てか時間停止かどうかわからないが……。できれば早い段階で当たりたくない。俺も消耗するが相手も消耗しているはず。そっちの方が勝てる可能性は高い。相手の情報もあるしな。……まあそれは相手も同じことなんだが……
「けどさ」
「ん?」
「仮に時間停止系とすると......おかしくない?」
「どういうことだ?」
「いや、時間停止系と仮定すると謎が残るんだよ」
「......あ、なるほど」
「え、わかったの?」
「彼女は短剣......いやこの場合はナイフの方が正しいですね。しかしこの傷を見てください」
「これは......」
傷が深い。ナイフ程度で片腕を切断している。長さが合わない
「ええ、あの長さで腕を斬り落としています」
「となると、時間停止は魔法になるか?」
「魔法なら少なからず痕跡が残るし、仮に術式を省いても魔力の流れは詳しい人にはわかる。対戦相手に魔法士もいた。にも拘らず魔法を使われたという痕跡は見当たらなかったのが問題だね。魔法に関係するギフトかもしれないね」
情報がなあ……少ない。試合時間の平均が1分切ってるとかバグだろ。こいつも転生チートなんじゃねえか? それなら納得がいくわ。じゃあ話したらワンチャン俺の仲間になってくれるのでは? まあ転生人としても俺と同じ世界じゃない可能性もあるし……。てか同じ武器なんだな。見たことない形だけど……関係あるのか?
「そういえば、物がギフトとかないの?」
「「ないです(ないね)」」
2人の答えがハモる
「ないかー」
「ギフトは基本的にその人に宿るものです。物にギフトが宿ることは歴史上在りません」
「主はどうしてそういうこと聞いたの? 歴史勉強してないの?」
コイツナチュラルに煽ってくるやんけ
「お前おやつ抜きな」
「なんで!?」
「当然では?」
「......話し戻すけどさ。このナイフって見たことないんだよな、装飾がすごいのに」
「言われてみれば......このような装飾をする工房の情報を収集してみます」
1週間後
「ミリバーブ様、ナイフの件で......」
「どうだった?」
「恐らく祝福教で儀式用に使われるナイフで多く流通していないものの物自体はあります」
「じゃあ違うか......」
うーん、神があの少女に渡した武器だと思ったが……。だって普通のナイフがギフトの負荷に耐えられるか? じゃあもうわからん。対峙してから考えるしかねえや
「ありがと、じゃあ訓練行ってくるわ」
「お供します」
訓練はひどく順調。近接戦に持ち込まれたら俺の魔法の特性である爆発を使い離脱し、そこから徐々に距離を取る。恐らく下手な魔法の場合は強行突破されるが、それでも削れる。俺の目的は距離を取りながら相手を削り、接近してきたらより威力をあげてよりダメージを与える。一番の問題は爆発の間に何処まで距離を取れるかだ。そこで活躍するのが『呪』。『呪』からのコンボで距離は増える。完璧だ
「楽しみだな」
【そうだね、より強くなるために頑張ろうね】
【漸く出番だよー!】
「ヴォルクーネ杯......ご武運を祈っております」
「応、頑張るわ!」
ヴォルクーネ杯が始まる
こんにちは、月照です。ぼちぼち進めていきます。頑張ります
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