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4_8.

 領地での滞在の間、私は多くの時間を夫人とともに過ごした。

 夫人は自分に娘がいたらこういうことがしたかったのよ、と言って私と一緒に宝飾品を選んだり、お菓子を作りに厨房へ行ったり、お庭でお茶をしたり、街へ歩きに行ったりした。

 夫人は旦那様を産んだ時にそれ以上子供が産めない体になってしまったらしく、子供は旦那様ただ一人だ。

 だから娘というのは憧れそのものらしい。

 それから、私と旦那様の間に娘が生まれたらその子も連れてまた一緒にこうやって過ごしましょうとも言っていた。

 つい赤面してからかわれたのは旦那様には内緒だ。

 娘に限定したのは、もしも生まれたのが息子だときっと旦那様や前公爵と共に鍛錬を始めてしまうだろうからとのこと。

 それについては私も完全に同意する。


 夫人の子供はたった一人、つまり国一番の公爵家の後を継げる子供がたった一人しかいない。

 きっと夫人は心ないことをたくさん言われてきただろうし、嫌がらせだってされたかもしれない。

 実際、側室を、という話は何度も上がっていたそうだ。

 そういう話は前公爵が全て断っていたようだが。

 ラナちゃんには悪いけれどハルギアはまだまだあの人にはかなわないわ、と言って笑っていた夫人は幸せそうで、なんだか私まで嬉しくなってしまった。

 旦那様はとても素晴らしい人です、というのは主張しておいたけれど。


 数日間の滞在が終わって王都へ帰る日が来た。

 行きと違い帰りはのんびり馬車に乗って、だ。

 それにはしっかりとした理由がある。

 それについてはまた後で言及するが、とにかく行きのように馬に乗ってというわけには行かなくなってしまったのだ。

 この数日間はとても楽しくて前公爵夫妻と別れるのは非常に辛い。

 別れ際、夫人からはいつでもここへ来ていいからねという言葉をもらった。

 それに、ハルギアに不満があったらここへいらっしゃい私が守ってあげるから、とも。

 夫人の旦那様に対する信頼の低さには疑問が残るが、笑って小さく返事をした。

 旦那様はジト目で 私たちを見た後もしかして俺なんか悪いことをしたかと慌てていたが、別に何もしていないはずだ。

 そんなこんなで公爵領での楽しい滞在は終わった。

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