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2₋17.

 さらに詳しく調べてみたが、該当する植物が載っている本は先程見つけた1冊のみだった。

 それこそ瘴気の森の一部の場所でしか生育しないような珍しい種類だったらしい。

 植物に詳しい騎士が言っていた模様は、確かに似ていたが、実際には少し違っていたらしい。

 それに気付いたのも彼だったが。 


 これだけの図鑑があっても載っているものは一冊だけだ。

 この植物がきっかけになって、水害の原因がわかった。

 もともと、転移陣があった辺りは地盤が弱めだった。

 今まで崩れないように支えてくれていた植物の根が魔物に食われてなくなったせいで、さらに地盤が緩む。

 そのタイミングで大雨が降り、運悪く土砂崩れが起きてしまったのだろう。

 もともとここらへんは雨が多いから。


 おそらく植物が魔物によって食い荒らされていたのは侯爵が意図したことではなくただの偶然だったのだろう。

 主を送り込んだ理由が恨みなどの私情からなら、侯爵家にとってはなんとも都合の良い偶然だが。

 ただの魔物の厄介払いにしては手が込みすぎているし、やるにしてももっと他の領を選ぶだろう。


 植物の種類がわかって、その後王家に向かって手紙を出した。 

 正式な調査団の依頼書だ。

 関係者以外が勝手に開けようとしたら呪われるように魔法をかけてある。

 別に大したものではないが。

 せいぜい三日三晩五感がまともに機能しなくなるくらいだ。

 一定時間経てばいつも通りに戻るだけ優しいと言えるだろう。


 王の、アイツの仕事次第だが、数日程度でこっちへ着くだろう。

 侯爵にバレないように、という条件付きなのでなかなか大変だとは思うが、アイツには容赦しないでいいだろう。


 調査団が侯爵家との関わりを証明してくれれば王命で罰がくだされるだろう。

 そうすれば伯爵たちは安心して暮らせるはずだ。


 本当は今すぐにでも調査団に託してラナの元へ帰りたいのだが、ラナはより早い事態の解決を望むだろう。

 仕方がないから、完全に解決するまではこちらへ残ることにする。

 タウンハウスへの手紙にもその旨を書いた。

 

 しばらくして届いた手紙には丁寧に書いたと思われる文字で感謝の言葉が綴られていた。

 あと少し、あと少しだ。

 こちらへ来てからなんだかんだ二月と半分くらいがたってしまった。


 その時の俺はまだ不幸が重なるなんて、そんなこと少しも思っていなかった。

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