2₋18.
ようやく王家からの調査団が到着した。
誰が侯爵家と繋がっていてもおかしくないから、バレないように手続きするのにとても時間がかかったらしい。
アイツが大丈夫と判断したのならきっと大丈夫だからこちら側での身辺調査はやらなくていいだろう。
来てもらったところ早速で申し訳ないが、すぐに調査を開始して貰う。
基本的に移動は魔法を使って行っているから、調査団の人たちもそこまで疲労はしていないだろう。
無理を言って悪いとは思うが、たまにはわがままくらい言わせてほしい。
もとはといえば侯爵と王のせいなのだ。
調査団のメンバーは5人、それぞれ転移陣の解析や諜報など、それぞれ得意分野を持つプロフェッショナルだ。
初めて行く場所には転移魔法は使えないから、行きは俺の転移魔法で5人を連れて行った。
それと一緒に、10人ほどの騎士に自力で転移してもらう。
俺たちが守りを固めている中、調査を行ってもらっていた最中だ。
急に地面に転移陣が浮かんだ。
こちらへ来ようとしているものがいる…。
そちらへ向けて騎士たちが武器を構えた。
転移陣が消えると同時に、一人の男が姿を現した。
彼は私たちに驚いたようだ。
逃げようとして魔法での攻撃を繰り出していたが、ギリギリのところで捕まえることができた。
魔力で作られた縄で手足を縛って転がしておく。
こうしておけば魔法を使った攻撃はできなくなる。
おそらくこの男が転移陣を設置したのだろう。
犯人を見つけるのは簡単ではないと思っていたが、自分から来てくれたため、手間が省けた。
3刻ほど経った頃、調査は終了した。
結果の書かれた書類と捕まえた男は転移陣で王の執務室に送っておいた。
王の執務室には侯爵は入れない。
側近やメイドにも侯爵と直接つながりのある人はいないから、情報漏洩の心配はないだろう。
調査団のうちの1人、尋問を専門とするものも一緒に転移していったので、侯爵の罪もそろそろ暴かれているだろう。
早ければ明日の朝議で侯爵家の処分が発表される。
その結果を見たら王都へ戻るつもりだ。
最近仕事がはかどらなくて困るという手紙も届いていることだし、明日にでも出発できるよう準備をしよう。
とは言ってもしばらくの間は仕事をするつもりはないが。
翌朝、侯爵家の処分が発表された。
大量の人々を危険にさらしたこと、関係のない伯爵家へ主を送り、その上王家の騎士を自領に引き止めたこと。
それらが重く捉えられ、侯爵とその嫡男は死罪、家は取り潰しになり領地は王家の直轄地になった。
大量に出てきた余罪といい、酌量の余地はない。
ただし、その他の直接的な関わりがない人、無理やり加担させられた人は罪に問われていない。
溜め込んであった財は我が家や伯爵家、それから王家に分配された。
褒美として我が公爵家に領地の一部を与えるという話もあったが、これ以上仕事が増えてほしくないので全力で断り、代わりとして長期の休暇をもらった。




