2₋19.
侯爵家や伯爵家にまつわる問題があらかた解決した。
あとは侯爵とその嫡男の処刑が残るだけだ。
あいつ等は今、王城内にある貴族用の牢獄に入れられている。
温情とか、貴族の特権とかではない。
あいつ等を平民用の牢獄に入れたら処刑の日を待たずに死にそうだから、ただそれだけだ。
贅沢に溺れた奴らにとっては硬いベットも具の少ないスープも地獄の沙汰に違いない。
獄中死させたとなっては外聞その他諸々の問題により都合が悪いので一応貴族用の牢獄に入れられている。
だがそんなことはどうでもいい。
やっと、やっとだ。
俺たちは今から公爵家のタウンハウスへ帰れるのだ。
今はまだ昼前だから、急げば夜遅くには着くだろう。
早寝早起きのラナは眠ってしまっているかも知れないが。
今度こそ一緒に朝食を食べれるだろうか。
帰ったらうれしそうな顔をしてくれるだろうか。
喜びのあまり抱きついてくれたりしないだろうか。
なんて、現実逃避をしていたが、ラナは未だに勘違いし続けているのだ。
よそよそしい態度はそのせいだと信じたいが…。
少しずつでもいい、もっと仲良くなりたい。
たくさん話したい。
俺の方を見て笑ってほしい。
そんな欲望が胸の中をちらつく。
取り敢えず、明日の朝もう一度ちゃんと話をしよう。
ラナに俺のことを知ってもらいたいし、俺ももっとラナのことを知りたい。
それから、結婚式をやり直そう。
ラナのことを思ったつもりで、内輪のみの小規模な式をしたが、あれはラナの意見を聞かずに行ったことだ。
レナが言うには、ラナは隣国風の式に憧れを持っているらしい。
今度はきちんと相談して、ドレスを選び、揃いの指輪を作らせよう。
それから、ラナにとって大切な人をたくさん呼ぶ。
それに、今回活躍したということで王も呼んでやろうか。
普段から絡んできてなかなかにウザイが、ラナは面白がってくれるかもしれない。
それから、それから…。
この前は気持ちばかり急ぎすぎて、ほかの大事なことを疎かにしてしまった。
今度こそはラナの印象に残るような式にしなければ。
今後のことを考えると、自然と口角が上がる。
その時だ。
身につけていた、緊急連絡用の魔道具が赤く光った。




