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びっくりした!

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ーーー次の日ーーー


「今日は、昨日見れなかった部屋の確認だね。あとできれば、ナンムが作ってくれた試作品でセレが作れるか確認もしたいな」


朝食を食べ終えた私たちは、さっそくセレ工場に向かった。


「そう言うと思って、ちゃんと持ってきてるっすよ」


「さすが、ナンム!」


ナンムと顔を見合わせて笑いながら歩いていると、セレ工場に到着した。


「えっと、今日はあの部屋だよね?」


私は昨日、最後に行った扉の隣を指差し、リースに確認すると頷いてくれた。


「昨日と同じ隊列で進みます。今から行くのはセレからゴミを取る部屋でございます」


リースはそう言うと、光る棒を持って進んだ。


「この建物は一度潰して、立て直すのと、修復だとどっちがお金かかるのかな?」


足元に散らばった瓦礫をよけながら進むのに、ふと気になった。


「そうっすね……。ぶっちゃけた話、これだけ腐食してたら、一から建て直すってのが良いと思うっす。ただ金額ってなると一回壊す費用で約白金貨50枚ぐらいはかかるんじゃないっすかね? 建設になると、特殊工事も入るんで白金貨300枚は超えると思うっす。修復だと……特殊工事入れても白金貨200枚ぐらいっすかね?」


ナンムは瓦礫に足を取られながら教えてくれた。


(白金貨1枚が10万円だから、壊すのに約50万円、建設で3,000万円で、修復工事だと2,000万円ぐらいかな?……日本だと億は絶対に超えると思うんだけど……)


「そっかぁ……。あぁ!」


私が大きな声を出したのに、びっくりしたナンムが猫みたいに飛び上がった。


「な、なんなんっすか!?」


「ごめんごめん! シリウス!魔法石って1つどれぐらいで売れるの?」


一番後ろを歩いているシリウスに声をかけると、ナンムの後ろから顔をのぞかせてくれた。


「大小で値段が変わるのですが、一番小さなもので銀貨5枚、昨日オシリス様が力を戻された魔法石の大きさだと、金貨1枚ほどかと思いますが……、まさか全ての魔法石の力を戻そうとお考えですか?!」


シリウスはだんだん、目を見開いて、ものすごく怖い顔をした。


「ダメかな? たまたま昨日1つした時、体がしんどくなったりしなかったから、例えば、大きいのだけしてみるとか……」


「それは!「いや、坊ちゃん。売る前に性能を確認した方が良いっすよ」ナンム!」


シリウスが声を荒げた上に、ナンムが声をかぶせてきた。


「性能?」


「魔法石ってのは使える時間ってのがあるんっす。例えば、昨日坊ちゃんがした大きさの魔法石だと、ちゃんとした性能だと半年ぐらいは休ませることなく使えるっすけど、その性能がどうか分からないっすから、いろいろ確認してから販売した方が良いっす。……ただ、売るのも一気に売ると原価割れが起こるんで、小分けにして売ったほうが良いっす」


「あー、そうだね。じゃあそれはお母様に相談しようか。性能についても確認するとなると、時間がかかるね……」


「欲張っちまうと、何もできなくなるっすから、できることからっすね」


ナンムの言葉に頷くと、シリウスも何も言わなくなった。





しばらくして、木製のドアの前に到着した。したんだけど、リースの表情が険しかった。


「リース?」


「……シリウス、オシリス様たちに結界を……、この部屋の中に、誰かいる」


リースの指示でシリウスはすぐ私とナンムを自分の後ろに回し、ぶつぶつ言ったと思ったら私たちを守るように透明な何かに覆われた。


「探索は?」


「……数は一人。……子どもか?……今は左、いや右奥に移動した」


「わかった……。俺が中に入る。その後すぐに、部屋を照らしてくれ」


リースは刀を構え、シリウスと目配せすると左足で、扉を思いっきり蹴り、すごい速さ(私は見えなかった)で部屋の中に入ると、刀を一度だけ振り下ろしたら中にあった何かが勢いよく壊れる音がした。シリウスもリースが中に入った瞬間にシリウスは部屋を照らした。


「あぁ!あれ絶対、備品が壊れったすよ!?」


ナンムの悲鳴にも似た叫び声を聞きながら、私は部屋の中の様子をシリウス越しに伺った。


部屋の中ではリースが壊したであろう物の山の近くで、刀を構え鋭い声で話している声が聞こえた。


「そこにいるのは分かっている! おとなしく出て来い!出てこなければ、さらに剣を振るうことになるぞ!」


一瞬静かになった後、山の奥から髪も伸び放題で俯きながら、ボロボロの人……、子供が出てきた。


「ここで何をしていた!ここは関係者以外立ち入り禁止である!」


さらにリースが声を上げたが、その子は何も言わずただボーッとこちらを見ていた。


「答えぬか!」


「リース!ちょっと待って!」


シリウスの後ろから声をかけた。


「シリウス、少しだけ中に入ってくれる?絶対にシリウスより前には出ないから」


シリウスは私をちらっと見ると、頷きリースの10歩後ろぐらいまで進んでくれた。


「ねぇ、君。一人なの?他に人はいるかな?」


私が聞くと、その子は頭を横に振った。


「家族は?」


「……いない」


返答があったことに驚いたが、それを見せないように質問を続けた。


「えっと、いつからここにいるの?」


「……たぶん、1年ぐらい……」


「1年……。ずっと1人でここにいたの?」


その言葉にその子は頷いた。その姿があまりにも痛々しく、ここまで警戒する必要があるのかと思った。


「そっか……。リース、剣を下ろして、シリウスもこの結界を解いて」


「オシリス様!」「なりません!」


「これは!……これは、命令だ」


そう言うと、リースは自分を落ち着かせるために大きく息を吐き剣を下した。それを見たシリウスも、結界を解いた。


私はその子の前に行き、顔を見るために屈み見上げると、驚いた表情をしたように感じた。


「はじめまして、私はベテルギウス家の3男、オシリスと言います。……君の名前は?」


「……オスカー」


「オスカーだね?素敵な名前だ!……ここは少し埃が舞ってるから、外に出て話を聞かせてくれるかな?」


私が質問をすると、ゆっくりと頷いた。


「じゃあ、ナンムはここで調査。リースはナンムに付いてて。シリウスは私とオスカーと一緒に一度外に出よう」


私がそう言うと、3人が顔を見合わせた後、頷いてくれた。


「じゃあ、行こうか」


私はそっと、オスカーの右手を取って外へ向かった。



こんな場所に1人って、何かあったんだよね。

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