剥いではいけません!!!
よければ評価をお願いします!
私は、暴れたい衝撃を堪えて、ふとイオの手を見ると、爪がガタガタなことに気がついた。
「イオ、爪の先がガタガタだね。爪が割れたのかな?」
「え?あっ、今朝、右人差し指の爪が欠けたので全部の爪の白い部分を剥ぎました!」
「白い部分を剝ぎました?……はぎました?……はぎま?……はぁ?! え、爪を切る道具は?!」
理解が追い付かず、宇宙を背負ったけど何とか戻ってきて、イオに尋ねたら、心底不思議そうな顔をされた。
「爪を切る道具?なんですか、それ?」
「嘘だと言って!お願い!」
私はその言葉に絶望し、座っていたソファに崩れ落ち、顔を押し付け、背凭れを思いっきり叩いた。
「お坊ちゃま?大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない!そんな、危ないことしたらダメ! ……まって、お母様も爪を剥ぐの?」
私は顔を上げ、バッとイオを見た。
「いえ、奥方様は紙を切る鋏で切られていますよ」
「かみ?髪の毛?」
「いえ、羊皮紙です」
「はぁ?!却下!ダメ!危ない!」
私はその言葉に再度ソファに顔を押し付け、思いっきりソファを殴った。
(これはまずい!メイクだけが不思議なのかと思ったら!!!!)
「……イオ」
「はい?」
「今すぐ書くものを持ってきてくれるかな?」
「え、あ、分かりました」
イオは不思議そうな表情をしたけど、すぐに動いてくれて、勉強するときに使っている机の上に準備してくれた。
「ありがとう、イオ。この後はとくに予定はなかったよね?」
「はい、お坊ちゃま。ご夕飯の時間になりましたら、お迎えに参ります」
「わかった。じゃあ、下がっていいよ」
私がそう言うと、イオは頷き一礼をして、部屋から出て行った。
「……やってやる! ……爪切りも、基礎化粧品も、なにもかも、私が作ってやる!」
私はその決意を胸に、羊皮紙に箇条書きしていった。
爪を剥ぐなんて、絶対にしてはいけません!!




