91 今日は俺の誕生日 その2
「はーい、今行きますね」
インターホンが鳴った直後に由佳里母さんが玄関に向かった。
相変わらず俺は三つ子に付きっきりだが、一生懸命祝ってくれてるのでこれも悪くはないが。
ただ、誰が来たのかは気になるんだけどな……。
「こんにちは、彼方さん」
「「おにいちゃん、こんにちは」」
「あ、あれ? ゆきちゃんとふたばちゃんと……二人のお母さん!?」
来たのはまさかのゆきちゃんとふたばちゃん、そして二人のお母さんだった。
由佳里母さん曰く、確か苗字は久遠寺らしく、お母さんの名は久遠寺 美波さんと言ってたな。
「実は昨日お買い物の最中に出会った由佳里さんから、彼方さんの誕生日が今日だと教えていただいて……娘もお祝いしたいと」
「そうですが、わざわざありがとうございます」
「「おにいちゃん、おたんじょうびおめでとう」」
「ゆきちゃんとふたばちゃんもありがとうな」
「「えへへ……♪」」
どうやら由佳里母さんが買い物帰りに、買い物に行く途中だった久遠寺母娘に俺の誕生日を教えたらしい。
由佳里母さんも段々と父さんに毒された行動力を身に着けたのかねぇ。
ただ、夏休み前のふれあい交流会で仲良くなったゆきちゃん達もそれを聞いてお祝いしたいと言ってくれたことには感謝しかない。
二人の頭を優しく撫でると、やはり二人は嬉しそうに目を細め、俺に抱き着いてくる。
やはり実の兄にない物扱いにされている反動だからだろうな。
「あ、ゆきちゃんとふたばちゃんだー」
「いらっしゃーい」
「にーしゃまのおたんじょうび、おいわいにきたの?」
「うん」
「ゆきもおにいちゃんをおいわいしたかったから」
ゆきちゃん達に気付いた陽愛達が二人に声を掛ける。
ぽてぽてと陽愛達の元に行くゆきちゃんとふたばちゃんの様子を見て微笑ましいなと思った。
「ところで父さんに母さん」
「ん、どうした?」
「最初はゆきちゃん達だったけど、他にも来るのか?」
ゆきちゃん達が陽愛達とケーキをもきゅもきゅと食べている様子を見つつ、俺は父さんと由佳里母さんに他にも来るのか聞いてみた。
「あ、あー、まぁ……な?」
「何故、言い淀む? 来るのか? 来るんだな!?」
「そうね、花蓮ちゃんと三太くんは確実に来るわよ。 二人は彼方くんの誕生日を知ってるし」
「まぁ、花蓮は父さんが教えたらしいし、三太は当然知ってるからなぁ」
父さんが何故か言い淀んでいるのかは気になったが、由佳里母さんからは花蓮と三太は確実に来ると言った。
まぁ、その二人は父さんから教えられたり、中学生時代の友人だったりで知ってて当然という形だからな。
三太が来たなら、のじゃ委員長からも言われている窶れっぷりの理由を聞いてみよう。
夏祭りの時は、綿菓子のせいで聞きそびれたしな。
そう考えてる間にまたインターホンが鳴り、今度は父さんが玄関に向かう。
「やっほー、彼方くん。 お誕生日おめでとう」
「拙者も来たでござる」
「妾もじゃ。 今日が桂川君の誕生日だと小梅崎さんから聞いてのぅ」
次に来たのはやはり花蓮と三太、そしてのじゃ委員長こと旭川 雫だった。
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