90 今日は俺の誕生日 その1
「お誕生日おめでとう!」
「「「おめでとー!!」」」
「ああ、ありがとう、陽愛達。 そして父さん、母さん」
花蓮とのプールデートを終えてから2日経過した。
今日、俺は起床してキッチンに向かったところ、由佳里母さんや父さん、そして陽愛達から誕生日おめでとうと言われた。
そこで俺自身はあることをすっかり忘れていたのだ。
今日、8月26日は俺こと桂川 彼方の誕生日だという事に。
失恋や陽愛達の面倒を見る事に集中して自分の事を忘れていたのだから情けない事この上ない。
つまり、今現在は俺は陽愛達や父さん、由佳里母さんから誕生日のお祝いをしてくれているのだ。
「まぁ、公立入試前の失恋と陽愛達の面倒を見る事に時間を費やすことに精を入れてたからな。 自分の誕生日を忘れるくらいに」
「面目ない……」
「彼方君には娘の面倒を見てくれているから、せめてこれくらいはね」
「そうだよ、にーに」
「きょうはにーしゃまがしゅやくでしゅから」
「まなたちもおいわいするよー」
「ありがとうな、三人とも」
「「「えへへー♪」」」
多分父さんが由佳里母さんや陽愛達に俺の誕生日の事を教えたのだろう。
昨日は俺が寝ている間に買い物を済ませていたのだが、これの準備のためだったのだ。
陽愛達も笑顔で俺の誕生日を祝ってくれるというので、ありがとうと言いながら三人の頭を撫でてあげる。
「さ、ろうそくを消しましょうか、彼方君」
「あっと、そうだった」
ケーキには16本のろうそくが刺さっており、それら全てに火が点いていた。
俺がそのろうそくの火を消し、父さん達が拍手をしてくれた後で、ケーキを食べる事になった。
「このケーキ、やはりあそこのか?」
「ああ、『パンナコッタ』というケーキ屋さんで買ったものだよ」
「にーしゃまー。 はい、あーん」
「おっ、悪いね。 あーん」
今回の誕生日ケーキもやはりかつての陽愛達の誕生日の時と同じように『パンナコッタ』という近所のおいしいケーキ屋さんで買ったものだった。
俺の誕生日という事で、やや大きめのケーキなのだが、家族だけで食べきれるのか、これ?
「そうそう、彼方君。 今日はあなたの友達や知り合いにも呼んでいるの。 もうすぐ来ると思うわよ」
「俺の知り合いが?」
「そうだ」
由佳里母さんがケーキが本来より大きい理由に、俺の誕生日の為に知り合いも呼んでいたという。
三太や花蓮、のじゃ委員長は知ってるからいいけど、他の知り合いって……?
「もちろん、花蓮ちゃんも呼んでいるよ。 彼女も楽しみにしていたみたいだしね」
「父さん、いつの間に花蓮に俺の誕生日を教えたんだ……」
父さんのおかしな所での行動力の高さに頭を抱えていた時にそう考えていると突如インターホンが鳴り響いた。
花蓮が来たのか?
それとも別の誰かなのだろうか……?
よろしければ、広告の下の評価(【☆☆☆☆☆】のところ)に星を付けるか、ブックマークをお願いします。
作者のモチベーションの維持に繋がります。




