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俺は、三つ子幼女のお兄ちゃんになりました  作者: イズミント
第2部

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76 幕間~少女のやり直し①~

年明け初投稿です。

今回は幕間の話です。

「ふぅ」


 山口県の下関市にある豪華な部屋に一人、動画サイトを閉じてため息をつく少女。

 彼女はかつては羽田(はねだ) 亜里沙(ありさ)だった。

 しかし、悪山と付き合うと言った矢先に突然の絶縁と追放を言い渡され、さらには悪山の家が裁判で敗訴し、慰謝料として色々と差し押さえられた事で家無しの子になりかけた。

 そんな中で、ここ下関を中心に運営している会社の社長である木下(きのした) 玖瑠美(くるみ)に救われ、今は彼女の娘の木下(きのした) 亜理紗(ありさ)として新たな人生をスタートさせた。


「悪山くんと千冬……あの後はもう考えるまでもないわね。 お義母様から聞いたし」


 条治と千冬の末路は、亜理紗は義母の玖瑠美から聞いたようだ。

 玖瑠美の話では、悪山 条治はかなり遠方のマグロ漁をさせられ、千冬は父の借金の返済のために海外の非合法の店で働かされているという。

 

「でも、ゆっくり休めって言っても、どう過ごせばいいのか……」


 実を言うと、亜理紗は花蓮の親戚でもある木下家の養子になってからは、彼方を振って悪山の傍に居る事を選んだという過去の罪を背負いながら通信制の高校で必死でやって来た。

 だが、それを見た義父と義母が自分自身を追い込んでいるように見えたようで、放っておけなかったようで、スクーリングがあるまで休むように言われたのだ。

 それで彼女は暇を持て余し、動画サイトを閲覧した所、誰かが上げた悪山が殴られ、千冬が犯される内容の動画が目に入ったのだ。

 このような事が起こっていた事に衝撃を受けつつ、木下家から差し出した手を受け入れてよかったという安堵感を感じた。


「粗方動画も見ちゃったし、何をしようかな……」


「義姉さまー」


「ん?」


 動画を見終わって次は何をしようかと考えていたら、亜理紗を呼ぶ女の子の声が聞こえたので振り向くと、ドアを開けて何かボードゲームを抱えて来た女の子二人が入って来たのだ。


「奈々に野々花、どうしたの?」


「義姉さまと一緒にこれをしてほしいのです」


「私もいっしょに」


(ボードゲーム……そういえば小学生の時以来か)


 奈々という女の子が差し出されたボードゲームを見て、昔を思い出した亜理紗。

 野々花という女の子も一緒にやりたいようで、真っすぐ亜理紗を見ていた。

 この二人は木下(きのした) 奈々(なな)木下(きのした) 野々花(ののか)という今の亜理紗にとっては義理の妹である。

 二人は小学三年生で、ただいま夏休み中なのだ。


「夏休みの宿題は終わったの?」


「終わったのです。 余裕なのです♪」


「私も終わった。 だから、義姉さまといっしょに遊びたい」


 元気いっぱいの奈々とクールっぽい様子の野々花に真っすぐ見つめられた亜理紗は、笑顔を浮かべて自分の机から離れた。


「じゃあ、一緒に遊ぼうか」


「「うん!」」


 こうして、亜理紗は奈々と野々花とボードゲームで遊ぶことになった。

 二人の嬉しそうな笑顔に癒されつつも、木下 亜理紗は何とか夏休みを満喫しているようだった。



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