魔法使いもロリコン
ロリコン3人目です。
「ごめんね、団長が迷惑をかけて」
「いえ、私こそ送ってもらってありがとうございます」
ロリコン騎士団長から解放されて、迷子の私を送ってくれる優しい騎士さん、名前はイグニさんというらしい。平民の生まれで妻あり子持ちだそうで、よく騎士団長の暴挙を防いでくれている善良な方らしい。ちなみに最初は迷子だと告げたらあのロリコンが付き添うと言ったがそれは副団長が止めてくれて代わりにこの人が付き添ってくれた。
いやー、まさか騎士団長の息子(元)が騎士団長でロリコンになっていようとは思わなかったよ。どこでどう選択を誤ったらああなるのか聞きたいところだね。
「それにしても、まさか公爵家のご令嬢がこんなところをお散歩とは驚いたよ」
「父に頼んでお城を見学したかったので」
「見学?」
「はい、お仕事の見学をしたかったのです」
正確には仕事に着いてるであろう攻略対象の様子を見たかったのだ。助けを求められれば求めたくて。
「ふーん、なら丁度いいからここを見学していく?」
「ここ?」
「ああ、レイズ王国王国魔法団、魔法使いの訓練所だよ」
そう案内されるが・・・いまいち魔法というのがピンと来ないからなんとも言えない。そんな私の態度に苦笑してからイグニさんは言った。
「そういえば、お嬢ちゃんはまだ5才だったね。魔法適正の儀は10才に行われるからそれまでは無縁の世界かな?」
「魔法適正の儀?」
「ああ、魔法は精霊様との相性で決まるらしいけど、その精霊様に見初められやすいのが丁度10才なんだ。逆に言えば10才に開花しなければ魔法の才能は一生ないってこと」
どうやら魔法に関してはかなりシビアな世界のようだ。10才とかあと5年は待たないといけないのが辛い。あれ、待てよ。ということは魔法での護身術は・・・無理ゲーになってしまったのか。その間に確実にあのロリコンに貞操奪われる。
「ん?そこにいるのはイグニではないか?」
「げ」
「おいおい、人の顔を見て"げ"はないであろう」
そう微笑みかけてきたのは真っ赤な髪の童顔な青年。この人もしかして・・・
「お嬢ちゃん、逃げよう」
「イグニさん?」
「何をさっきからやましいことでもあるのか?」
そう言ってから青年はこちらに近づいてきてから私を発見すると、ニヤリと笑って言った。
「なんだ、イグニ。私に差し入れとはやるではないか。丁度いたぶる生け贄がいなくて飽きていたところだ」
「待て待て待て!この子は公爵家のご令嬢だから!それに、お前の嗜虐趣味に子供を巻き込むな」
嗜虐趣味・・・子供、生け贄まさか・・・・たらりと汗が出そうになるが青年は明るく笑って言った。
「やはり、ストレス解消には子供の悲鳴がいい。女なら辱しめてさらに楽しいしな」
「明るくそんなこと言うな!怯えてるだろ!えっとだな・・・こいつはこの国の魔法団団長のーーー」
「シャルル・カリーナだ。ようこそ幼女」
そう微笑むのは間違いなく攻略対象の一人の、家とは別の公爵家のチャラ男キャラのシャルル・カリーナその人なのだが・・・え?まさかこの人もロリコンなの!?しかも悲鳴って・・・さ、サイコな人なのかな?というか、ヤバい本当に退路が絶たれてきた。