幼女さんのチート
チートの片鱗
悲報、攻略対象の八割がロリコンでした。なんなのこれ?私なんか悪いことしたかな!?こんなか弱い幼女をそんな汚れた目でしか見れない人のところに転生って何の罰ゲーム?
「これが、水晶だ」
と、そんなことを知らないサディストなロリコンはいかにも高そうな水晶玉を机に置いて言った。
「水晶には様々な用途がある。魔法を発現するための核にもなれば、占いや仙術の媒体にもなり得るが目の前の水晶は魔法適正をみるためのものだ」
「魔法適正?」
「魔法の源である精霊様とのバランスを取れる子供の適齢期がだいたいそのくらいなのだ、そいつで魔法適正を診断して初めて自分の使える魔法がわかる」
ふむふむ、つまりこれが魔法適正の判定機ってところか。
「魔法にも、種類があっての。基本の5属性となる火、水、雷、土、風の5つ。そして、滅多にいない2属性の光と闇。あとは無属性という風に分類される」
ありがたいけど、この人説明好きなのかな?まあでも魔法の基礎的なものはファンタジー設定とそこまで変わらないようだ。しかし無属性ってなんだろう?
「あの・・・無属性はどんな魔法があるのですか?」
「教えてやっても構わんが・・・そろそろそこから出てきたらどうだ?」
「いえ、結構です」
私はイグニさんの脚の後ろに隠れて講義を聞いていた。だって、怖いんだもん、この人。シャルルさんはその言葉に笑ってから説明を続けた。
「まあ、無属性というのは"自然では起こり得ない現象"のことをそう呼ぶ」
「自然では起こり得ない現象?」
「そう、他の属性の魔法はどんなに極めてもその魔法の延長線上でしかない。しかし、無属性はそれらの理から外れたものなのだよ。まあ、そうそう使えるものはいまい」
んー、わかりにくいけど、つまり他の属性とは違う力って解釈でOKかな?
「なんなら、試しに調べてみるか?」
「え?」
「シャルル・・・何を言ってるんだ」
「いいではないか、どうせ何の結果も出ないのだ。触らせるくらい構わんだろう」
そう言われて考えるが・・・まあ、確かにどうせ今使えないなら早くに望みを切り捨てた方がいいだろう。それにもし何かしら反応があればそれを武器にできるかもしれないしね。
「・・・やってもいいですか?」
「ああ、構わんよ」
イグニさんに付き添ってもらって水晶に近づくとシャルルさんは簡単に説明してくれた。
「水晶に手を近づけてしばらくして反応がなければ魔法適正は0だ。逆に近づけて色が出れば出た色がその人の魔法適正になる。そして、滅多にないが・・・水晶が壊れることがあれば無属性の適正があることになるな」
「壊れるって・・・そんなことをあるのですか?」
「私の知る中ではそんな怪物には会ったことないな」
なら、大丈夫かと思ったこの時の私は本当にうかつだった。今でも思う。ここでやめておけば良かっただろうにと。そんなことを知らない私は水晶に手を近づけてみる。しばらくして何の反応もないようだからダメだったかーっと、思っていると、それは起こった。
水晶に何色かの色が混じって現れ初めた。赤、青、黄、緑、黄土、白、黒あたりかな?なんだか7色くらい見えたような気がすると、思っていると、その水晶がピキッという音をたてた。ピキッ?
不吉な音がした水晶はやがてパァン!と、勢いよく弾けとんび粉々になり私はその衝撃で倒れそうになる。そんな私を咄嗟に抱き止めてくれたのはイグニさんだった。
「あ、ありがとうございます・・・」
「いや、構わないが・・・今のはなんだ?シャルル」
「そんな馬鹿な・・・」
シャルルさんは砕け散った水晶を呆然と見つめてから何かを理解したのかニタリと笑って呟いた。
「そうか・・・やはりこの年の子供でも精霊様との調和は取れるのか。だとしたら各地で奴隷を集めて・・・いいや、その前に」
そう言ってからこちらを見てきたシャルルさんは私を見ながら言った。
「幼女、君を歓迎しよう。私の元に来てくれるね?」
その瞳は狂喜に彩られていた。さっきまでの好奇の瞳が嘘のように濁ったそれに私は恐怖してしまい思わず後ずさってしまう。そんな私を守るようにイグニさんは言った。
「やめろ、シャルル。彼女はまだ子供だろ?」
「イグニ退くんだ。私はついに見つけたんだよ」
「さっきの無属性魔法の適正結果のことか?」
「無属性?いいや違うさ、そんな安い代物じゃない。その幼女はな・・・全ての属性の適正を持ってるのだよ」




