第三話
あれから4年が経った頃。
今、二級の試験の祝賀会を開いている。
あれから、死ぬ気で努力して、また神童と呼ばれるようになった。以前と比べて剣術も様になってきて、馬術でも国内トップクラスになり、国の選抜に選ばれるほどだ。
「カイの二級取得と最年少記録を祝って乾杯!」いつもに増して声を張り上げている。
「乾杯!!」と一同が言う。
「さぁ、皆さんいっぱい食べて!」母の手料理が大量にテーブルに並ぶ。
今日の祝賀会では、数少ない友達や親戚が来てくれた。
数少ない友であるフォードが、僕を探していたようで目があってすぐ駆けつけてきた。
「なぁ、カイ、お前、彼女いないのか?」ニヤニヤしながら、フォードが聞いてきた。
開口一番目がこれだ。
少し呆れつつも、真剣な表情で答えた「俺は剣一筋だ、作る気はない」。
「作る気はない、ねぇ、、、早く作ったほうがいいぞ、せっっっかく顔がいいのになぁ」と煽ってはいるが、つまらないと思っている顔だ、いつも興味が無くなるとフォードは目を細めるのだ。
「もしかして、お前できたのか?」煽り口調で言ってきたから一応確認してみる。
「おうよ、もちろん…」とこのまま永久に自語りを喋りそうなので。
「結局作れてないんだろ、それよりフォード、俺に剣、追いつくって一年前言ったよな、あの話どうなったんだ?」俺は別に彼女を作る気はないのだが、負けた気がしてマウントを取ってやろうと意地悪なことを言ってみる。
「分かってて言ってんのか?二級以上って国の中でも140人ぐらいしかいないだろ?最年少記録保持者さんよぉ」呆れた顔で答える。
「よかったら、稽古つけてやろうか?」と真剣な表情で言ってみる。と少しムッとした顔で答えた。
フォードは少しムッとした顔で答えた「今頃お前と会っていなかったら俺もこの年で四級って結構凄いと思っててんだろうな」
「っはは、冗談だよ、ごめんって」わざとっぽく笑って答える。
「なになに?面白いことでもあった?」アイリスが話に首をつこっんできた。
「いいや、何もないよ、ア イ リ ス ちゃん⭐︎」とキメ顔で言うフォードを横目に見ながら。
「いやぁ、フォードに稽古をつけるみたいな話になってさ」と真顔で伝える。
「へー、そうなの、フォードも十分凄いからいいんじゃない?」
フォードはにんまりとコチラを見たが、
アイリスは答えたらすぐ思い出した様に
「おい、フォード、さっきの呼び方マジでキモイからやめろ、だから彼女できねーんだぞ」
冷ややかな、蚊柱に突っ込んだ時の様ななんとも言えない顔でフォードに言った。
フォードは意外と素直なのでかなり傷ついている様で「そんな、ストレートにキモイって言わなくていいじゃん、、」
一つ疑問が沸いた。
「あれ、お前彼女いないの?」疑いをかけながら聞いた。
フォードの背筋がピンと伸び、髪が動く。
「お前ほんとにいると思ったのか?」と俺がバカ正直に嘘を信じた風に言った、いや全くその通りだが。
「え、カイはこいつの彼女できたって嘘信じてたの?こいつにできるわけないじゃん」とアイリスから棘がある、辛辣な言葉を言う。
俺に言っているつもりだろうが、棘はフォードの心に刺さっている様だ。
だってさ、と続けてフォードの悪口を言い続けるのを、そろそろお腹が空いてきたので、適当に相槌しながら、いつも通り丁寧に盛り付けられている野菜たちを食べる。
「凄いな、アイリスはそんなにフォードのことよく見てるんだな」となんとなく思ったことを口にすると色白い頬が少しピンクがかった。艶のある薄紫の髪を左手で触りながら
「い、いやぁそんなにだよ」と明らかに照れている、何故か僕には分からなかったが。
「まぁ、とにかくモテないの!こいつは」
と照れ気味のアイリスは無理やり場を収めた。
「あ、もうこんな時間か」とアイリスが時計を少し見て言った。
外に目をやるといつの間にか日が落ちて、満月が空に浮かんでいた。
「じゃあね!今日は楽しかったよ」と二人は扉を勢いよく開けて帰って行った。
その後30分程で祝賀会はお開きとなり片付けをしていると「4歳ぐらいの時は体が弱くて心配したのに、よかったわ、こんなに立派になって」と母が慈愛と感嘆に満ちた顔で言う。
「自慢の息子になってたら嬉しいな」と内心照れながら答えた。
「あぁ、自慢の息子だから心配するな」と酔いのせいか顔が赤みがかりながら、即答する父。
こんな日が続けばいいなと思った幸せな1日だった。
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次から学園編に入ります!
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