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神様の目印  作者: ヒロ
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お昼時間が終り、昼からは、二人と別れて、例の談話室へ行く。あああ、どきどきするー。

談話室の扉の前で、少し躊躇する。でも、もじもじするのはわたしの性格から消えたはずだ。さぁ行くんだと自分で背中を押す。


「お待たせしました。」


扉を開けて入った談話室は10人ぐらい座れそうな大きなテーブルと椅子が置いてあった。シックな部屋の感じもあって、少人数で会議もできそうだ。


「いや。俺も今来たところだよ。」


「昨日の本、もう読まれました?」


「いや、全部は読めていないんだ。ごめんね、今日貸せなくて。」


「いえ、大丈夫です。途中までお読みになったのですか?」


「ええ、途中まで読んだんだけど、内容は『不敬なことをすれば呪われることもある』というぐらいだったよ。」


少々不服そうなグレイ様。新発見になる内容は今の時点でなさそうだ。


「それじゃ、噂と同程度ですね。残念。」


「本当、神様は気ままっていう感じかな。」


「神様は気まま。確かにそんな感じはしますね。」


「神様は存在している。そこに疑問はないのですが、何故呪いや加護が発生するのか謎でわからないんですよね。」


「神様の存在は信じているんだね。」


「ええ、声を聞いたことがあるから。」


「それはいつ頃?」


「黒目黒髪の解除の時に、ちゃんと頭の中に声が響いたわ。」


「俺も聞いてみたいな。」


「じゃ、加護をいただけばいいと思う。」


「え?加護?あれは物凄い実績を上げないと無理だろう。」


「グレイ様、加護は神様へ真摯な感謝と祈りを捧げたらいただけましたよ。」


「真摯な感謝と祈り?」


「ええ、わたしは美の女神様、大地の女神様、武人の神様、商売の神様、知の神様の加護をいただいています。たぶん、美の女神様のところで黒目黒髪を解除したことで、美の女神様と近くなり、それで加護をいただいたことで、他の神様の加護も得やすくなった気がします。」


「そ、そんなにたくさんの神様の加護を!?君はそれじゃ聖女様じゃないのか?」


「それは無い。無い。聖女様では無いです。癒しの魔法は使えませんから。」


「あ、癒しの魔法か、聖女様の神様ってどなたになるのだろうか、日の神様だろうか。」


「あ、その日の神様の教会が王都にないんですが、ご存じですか?」


「え?無いの?ど真ん中にありそうなんだけど。」


グレイ様に、本当に不思議そうに聞き返される。それが日の神様の教会は探したけどなかったんだよね。

名前が違うのかな。それとも土地柄とか?謎。


「それにしても、加護ってそんなに簡単にいただくことができるんだ。知らなかった。」


「小さい頃に読んだ本に書いてあって、どうしても実体験したくて、何度も何度も教会へ通ったんです。3ケ月から1年、毎週通いました。加護をいただいた後もちゃんと通いましたし、なんなら今も通っています。」


「そうなんだ。やはり努力はしているんだね。教会行って、『すぐに加護をくれ!』っていうのも乱暴だよな。俺も真摯に通ってみようかな。神様のお声を聞いてみたい。」


「通われるのであれば、絶対にエゴを表に出したり強欲になっちゃダメですよ。あくまでも感謝と祈りです。」


「ありがとう。ちょっと楽しみができたよ。そうだ。君の借りた加護の本はどうだった?今回の君の実体験は載っていたかい?」


「載って無かったですね。神様の認められるような実績を残せば祝福していただけるかもしれないというようなものでした。」


「君が小さい頃に読んだという本を貸してもらうことは可能か?」


「ええ、いいですよ。また、持ってきます。」


「じゃ、また、明日、ここで会おう。呪いの本は明日持っていくよ。あ、俺もルーン授業取ることにしたよ。」


「明日の件、わかりました。ルーンの授業もご一緒できますね。呪いの本楽しみにしています。」


「ああ、俺も楽しみにしているよ。じゃ、また明日。」


「ええ、また明日。」


学園に入学して、今日はまだ二日目だ。それなのに、何、この充実感。友達と笑い合う幸せな時間に迫るほどの、彼との時間。

彼はまったくわたしへの熱はない。まったくの無風。わたしだけが熱いのはちょっと悔しい。だけど、この満足感。“また明日”という言葉が持つ破壊力にくらくらしそうだ。


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