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薬草学とその後の錬金術も選択しようと心に決めて、ランチの時間がきたので、アルマ様とニナ様と今日も一緒に行くことにした。
「ノーチェ様は興味のある授業見学に行かれましたか?」
「アルマ様、ええ、ルーンと神学、薬草学と錬金術のこの4つは受講するつもりです。」
「まぁルーンと神学、薬草学に錬金術ってノーチェ様凄いですわ。教会でお働きになるんですか?」
「ニ、ニナ様!公爵家のご令嬢のノーチェ様が働くことなんてありませんよ!」
「あ、申し訳ございません。そうですよね。わたしったら、ほんと思いついたことを全部口に出してしまうから、お母様にも怒られていたのに。」
「あら、わたしも働いたりするわよ。例のブティックもそうだし、初級ポーションが作れるから納品したこともあるわ。教会では働かないとは思うけど、未来の選択肢は多い方が楽しそうですわ。」
「あ、そうですね。ブティックですね。わたくしたち3人がそこで出会えたというのに、うっかりしていました。なんせ、わたくしの初恋はサンディ様でしたから。」
え?アルマ様の初恋がわたし?
「まぁ。アルマ様も!わたしもです。サンディ様、カッコよかったですものね。」
え?ニナ様も?
「ええ、サンディ様にこの髪飾り似合うよって、髪につけていただいたりしたら、どきどきしましたわ。」
「わたしは、お店で躓いてしまった時、すぐに支えてくれてフォローしてくれた時、どきどきしました。」
「あの頃のサンディ様はまだ髪も短かったし、貴公子の服を着こなしていて、ユーリ様やトゥレー様とご一緒に馬鹿話されたりして良く笑っておられて、それも素敵でしたわ。」
あああ。ちょっと黒歴史になりかけ?いや、淑女に擬態している今が黒歴史か!
「アルマ様、ニナ様、初恋は実らないというじゃないですか。それにお二人にはお似合いの素敵な婚約者様がいらっしゃるじゃないですか。」
「ええ、初恋がサンディ様で本当良かったです。美しい思い出です。絵本も作っていただいたんですよ。ちゃんとサンディ様に似せていただいて絵を描いていただいて。一生の思い出でございます。」
いやー。アルマ様って本当積極的!ニナ様はそんなことしてないよね。
「アルマ様の絵本、とても素敵でした。わたしも欲しいってお父様におねだりしたのですが、初恋は心の中に秘めて綺麗に置いておくものだよって言われてしまって買っていただけなかったんですよー。まぁ絵本はお高いですからね。残念でした。」
絵本そんなにお高くなっていたんだ。アルヴァがしっかり稼いでいたようで、良かった。
それにしても、貴公子に擬態していた頃のサンディに、時々戻りたくなる時もある。何もでもないサンディ。とても自由だった。今の公爵家のノーチェは少し行動に制限があるのが残念かな。
「ブティックにはまだ顔を出されているのですか?」
「公爵家に戻ってからはなかなか行けないのですが、お客様に擬態して足を運んでいますわ。あの店は愛着があるのです。」
「そうですよね。あのお店は幸せが詰まっています。わたしも大好きです。」
「わたくしも大好きですわ。」
「だからね。大好きを増やしていこうと思っているのです。薬草学もルーンも錬金術も全部好きなんです。知らないことを知ることは楽しいですしね。」
「ええ、わかります。わたくしは、淑女のマナーを極めたいと思っています。自分が一番の淑女になるっていう夢を持っていますわ。淑女になるためのお勉強はだから大好きです。」
「わたしは食べることが大好きです。あとは可愛いもの、綺麗なものが大好きです。お勉強はあまり好きではないのですが、大好きを増やすためって考えると楽しくなってきました。刺繍や裁縫を極めるのもいいかもしれませんね。」
「みんな、この三年間で大好きなことを増やせるといいですね。卒業パーティの時にお二人に似合う素敵なドレスをわたしから贈りましょう。公爵家のドレスのリフォームになりますが、大人用のドレスを使いますね。」
「え、いいんですか。大人用のドレスは桁違いにお高いと聞いていますが。」
「大丈夫です。任せて下さい。お二人と出会った、あのお店に夢が詰まっているのですから。」
「楽しみにしています。3年間頑張りましょうね。」
「わたしも頑張ります!」
3人で目を見合わせて、つい目が笑ってしまう。一緒に目標に向かって進める。素直にそうしようって言える。貴族の令嬢らしくないかもしれないけど、だからこそ3人は友達でいるんだって思う。
再び目を合わせ微笑みあう、春のうららかな学園の食堂で美味しいものを食べて一緒に笑う。なんて楽しい時間なんだろう。
「アルマ様とニナ様とお友達で本当に良かったです。3年後一緒に卒業しましょうね。」
「ええ、わたくしも今そう思っていました。」
「わたしもです!」
アルマ様はにっこり笑い、ニナ様は回答に少々力が入って食い気味だ。
「気が合うんですよね、わたしたち。3年後一緒に卒業して、その後もずっとずっといい友達でいたいですね。」
「ええ、わたくしも今そう思っていました。」
「わたしもです!」
今度は3人とも声を出して笑ってしまった。ざわざわしている食堂だったけど、笑い声が響くのは淑女としてどうよ、とか思ったり思わなかったり。いい友達がいるっていうだけで幸せだよね。ほんと。




