表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の目印  作者: ヒロ
PR
26/34

26

 次の日学校に行くと、担任の先生が、今日授業している講義を教えてくれてた。


 ルーンと神学の授業がある。見に行きたい。他にも薬草学、錬金術、魔物学や占星術、経営、法学、考古学、初級魔法、剣術や乗馬、刺繍やマナーにダンスの授業もあるそうだ。


 薬草学と錬金術も授業を取る予定で、占星術も気になる。取れるだけとろうかな。


 先生の説明が終ったら、みんな友達や傍にいる人と授業見学に行こうと、立ち上がりざわざわしだした。Aクラスの誰かと一緒に行くつもりはなかったので、ひとり教室を出る。


 最初の目的地ルーンの授業をしている部屋を目指す。

 ルーンは古語だ。今まで読めなかった、古い本が読めるかもしれないとわくわくしてしまう。

 教室を見つけたので、そっと中に入ってみた。


「あら、見学かしら?興味がおありなの?」


 若い綺麗な先生?らしき人から声をかけられる。


「ええ、読めない本があるので、読めたらいいなと思っています。」


「まぁそうなの?そうね。ルーンが読めるようになれば世界が広がるわよ。」


 世界が広がる!いいね。

 前世で外国語は苦手だったけど、古典はそこまで嫌いじゃなかった。源氏物語とか読んだなぁ。


「興味があるなら、嬉しいわ。ルーンを学びたい人は少ないの。新入生はあなたが1人目よ。先輩は2年が3名、3年が4名かしら。」


 先生に紹介されて、2年と3年の先輩が頭を下げたので、わたしも頭を下げた。2年の先輩が男性1名と女性2名、3年は4名とも女性だった。


「どんな授業か見てみる?これは初級だけど、古い本の有名なフレーズなのよ。」


 先生がさらさらと書いたルーンを見てみる。さっぱりわからないけど、綺麗だと思った。


「昔はこの1つ1つのルーンに力があると考えられていて、その組み合わせを慎重に選んだそうだわ。だから、もしうちの教室に来るのであれば、真摯に学んでいただきたいの。」


 先生はそう真面目な顔をして問いかけてこられたので、わたしも、


「学ぶなら真剣に学びたいです。」


「あら、本気なのね。嬉しいわ。」


「他の教室も見に行きたいので、今日はここまでですが、今後受講したい場合いつから来たら良いですか?」


「ルーンは月の日の1限からよ。今週はデモ週間だからずっとやっているけど、本番は来週からよ。楽しみに待っているわ。」


「ありがとうございます。来週また来ます。」


 先生、先輩方にも頭を下げて、教室を出る。ルーンはやっぱり取ろう。


 次は神学の教室に向かう。加護と呪いについて知りたい。何故加護があり呪いがあるのか。

 神様が人にどう関わってくるのかを知りたい。


 廊下には他の教室に行く生徒がちらほら歩いている。

 どうもわたしが授業を取りたい科目を選択したい人は少ないみたいで、人気の授業の部屋とは少し離れているような気がする。廊下に人が少ない。


 神学の教室を見つけて中に入ろうとすると、後ろから人の気配がする。

 振り向くと、あ!


「グレイ様?」


「ああ、ノーチェ嬢も神学かい?」


「ええ、加護と呪いの話を学びたくて。」


「俺も。一緒に教室に入ろうか。」


「ええ。」


 何の表情に変化もないグレイ様の横顔を見ながら、わたしは猛烈に動悸がしている。一緒、一緒なのー。


「失礼します。教室見学者です。」


「ああ。よろしく。1年生が2人もかい。うちはあんまり人気ないんだけど。」


 50歳ぐらいの人のよさそうな男性がにこにこ笑って手招きしてくれているので、二人で教室の中ほどまで歩く。


「ようこそ。神学の教室へ。君たちは教会に就職したい口なのか?」


「いえ、ただ興味があって。俺は呪いについて知りたいです。」


「ああ、君の髪も目も黒っぽいね、呪われていなくても遠巻きにされそうなぐらいの色味だものね。いろいろあったのなら、興味もあるかな。もう一人は?」


「わたしは加護も呪いも興味があります。何故神々は人に興味を持つのか気になります。」


「君みたいに綺麗な若いお嬢さんが興味を持つのは不思議だね。ここに来るのは大抵、三男四男で爵位が巡ってこなくて教会へ就職するしかない子たちが多いのに。」


「あ、わたしノーチェ・ヘルストレームでございます。ヘルストレーム公爵家の次女です。たぶん、教会へ就職することはございませんが、それでも知りたいんです。」


「ヘルストレーム公爵家!そうか公爵家か。でも、知りたいという気持ちは誰でも同じだね。」


「ええ、加護も呪いのことも知りたいんです。だから神学を学びたいのです。」


「俺も呪いのせいで、いろいろありました。遠巻きにされて楽な時もありますが、何故呪いがあるのかやはり知りたいのです。」


「ええ、お二人の情熱は受け取りました。神について一緒に学びましょう。ようこそ神学へ。」


「「よろしくお願いします。」」


「今日は他の授業も見学に行きます。神学の授業はいつでしょうか?」


「神学は火の曜日の三限ですよ。お待ちしています。」


 2人でにこやかに教室を出て廊下を歩きだした。隣にグレイ様。ちょっとどきどきしている。


 彼はわたしのこと意識してくれているんだろうか。呪われたことを告白したけど、それはプラスなんだろうかマイナスイメージだったんだろうか。今更なんで言ってしまったんだろうかと思わないでもない。でも、あの時言ってしまいたかった。勢いというものだ。若気の至りかはもっと後になってわかるだろう。


「なぁ。ノーチェ嬢は他にどんな授業選択するんだ?」


 呪いのことを考えていたら、グレイ様から選択授業のことを聞かれて、はっとした。


「ルーンの授業は選択するつもりです。古語の本を読みたくて。後は薬草学と錬金術ですね。経済も気になっているところです。」


「あー。ルーンはいいな。俺も取ろかなって思っていた。呪いの本とか古いもの多いもんな。薬草学と錬金術はご令嬢にすれば変っているな。でも、なんかノーチェ嬢ぽい気もする。自分が好きなもの選択するっていいよな。学生らしくてさ。俺も好きな授業選択しよう。」


 爽やかに笑う。呪われているんじゃないかと揶揄され遠巻きにされながらも、なんでこの人、こんなに爽やかなんだろう。不思議だ。


「じゃ、また談話室でよろしく。またな。」


 そう最後まで爽やかなグレイ様と道を別にした。わたしは次に薬草学へ行くのだ。グレイ様は剣術と乗馬の授業も見に行きたいそうだ。そっちは、わたしは興味ないからね。


 全部を好きな人と共感できればいいけど、出来ない部分は自分の好きなことができる方がいい。全部が同じ人なんていないんだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ