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シスターズアルカディアSideC-妖獣ハイスクール物語-  作者: 藤本零二
第1章~妖狐のプライド~
11/15

第10話「“シスターズアルカディア”VS魔王軍①」

*


 6月22日の土曜日、私ことユイは、アルバイトの助っ人に行かれたキョウカお姉さま達に代わって、屋敷でリンさんやアカリさんとお留守番をしていました。

 アカリさんは肉体年齢こそ私より上ですが、精神年齢、というか魂の年令がまだ生まれたばかりということもあり、このメンバーの中では私が最年長ということになります。


 若干の不安もありましたが、二人とも素直でとても優しい方達だったので、何の問題もなく、勉強をしたり、妖力トレーニングを行ったりと、充実した休日を過ごせました。


 思えば、年齢の近い人達とこんなに楽しく過ごせたのは久し振りかもしれません。

 私は幼くして妖力は大人レベルの水準を満たしており、同年代の中では私に敵う者などなく、常に周りには年上の大人達ばかりがいました。

 妖獣高校に入っても、当然周りは年上ばかりで、おまけに私の実力はすでに教師と同等か、上回ってさえおりました。

 なので、私に対する視線は尊敬や畏怖といった感情が込められたものばかりで、常に周りに人がいても、どこか孤独を感じておりました。


 それでも、アリスガワの人間として恥じぬよう、常にトップでい続ける。

 それが私のプライドであり、存在理由でした。



 しかし、同年代のキョウカお姉さまやリンさん達と出会い、私は初めての完膚なき敗北というのを味わい、世界はまだまだ広いのだと感じました。

 そのことで、正直悔しいという思い以上に、呪縛から解放されたというような感覚と、同時に、私はまだまだ強くなれる、上を目指せるんだという高揚感に包まれました。



 また、初めて味わう“姉妹”や“家族”との関係もまた新鮮で、わずか数日で、私の世界はどんどん広がっていきました。



 これまでいたモノクロの世界に、色が付いていくような、そんな感覚。


 それはきっと、私にとって間違いなく良い変化の兆候なのでしょう。

 だからこそ、私の両親も私のワガママを一つ返事で受け入れてくれ、私は日々充実した時間を過ごせています。



 この日常を、ずっと守っていきたい。

 私の中に、強くなることとは別の目標が出来たのでした。




*


 だからこそ、その日の夜に『ユイちゃんも協力して欲しい』と言われた時は、とても嬉しく思いました。



 その日の夕食の時、私とレイ姉さんはヨウイチお兄さまのお母さまに初めてお会いしました。

 とても美しくて、素敵な女性で、何か底知れぬオーラと言うか、強さを感じました。


 同じように、お母さまの親戚筋であるという女性、藤原零菜(れいな)さんからも、強者としてのオーラを感じました。

 とてもフレンドリーに挨拶をしてくれたのですが、私の背筋にはよく分からない寒気が常に付きまとっていました。


 後に、その感覚は正しかったと知ることになるのですが、その時はまだ得体の知れなさでいっぱいで、姉妹の皆さんが普通に接しているのを見なければ、食事も喉を通らなかったかもしれません。



 夕食後、ノゾミお姉さまから、「この後少し時間あるかしら?」と聞かれ、特にやることもなかった私は「はい、大丈夫です」と答えました。


 すると、ノゾミお姉さまは声を潜めて、私の耳許でこう言いました。



「…実は今晩、陽子のことで話し合いがあるみたいで、ユイとレイさんにも参加してもらいたいの」



 陽子さんというのは、ヨウイチお兄さまの従妹いとこの方で、夕食の時にすでに何度かお会いして、お話もしたことがありました。

 その陽子さんが、悪い奴に狙われているというのです!


 お兄さま達と魔王との2000年にわたる因縁の話は以前聞いたことがあり、一応の決着は着いたということだったのですが、新たな魔王候補として陽子さんが選ばれたというのです。

 そして、陽子さんを魔王とするにあたって、魔王軍にとっては“シスターズアルカディア”のメンバーが厄介な敵になると判断し、全員を一気に相手にせず、別々の世界で足止めすることで、陽子さんが魔王に覚醒するための時間を稼ぐという計画を立てているそうなのです。


 実際、今日の昼間にキョウカお姉さま達を、魔術を扱う謎の“妖狸ようり”が襲ったと言います。

 これは、この世界にも魔王軍が潜んでいて、いつ一般市民に危害を及ぼすか分からないぞという魔王軍からの警告で、お姉さま達をこの世界に止めておくための襲撃だったのだろう、と。



 そこまで話を聞いて、私も黙っているわけにはいきません。



「お姉さま達の役に少しでも立てるのなら、私も戦いに参加させていただきます!」


「うん、ありがとね、ユイちゃん!

 実戦を経験するいい機会だし、きっとユイちゃんが強くなるきっかけになると思う。

 だけど、決して無理はしないように。

 逃げることも立派な戦術よ、死んでもいいなんて考え方はしちゃダメ。

 逃げてでも、生き残ることが最優先。

 自分の命も守れない人が、他人の命なんて守れるわけがないんだから」


「はい!分かりました!!」



 ノゾミお姉さまのその言葉は、とても重く、私の心に突き刺さりました。

 実際に命のやり取りを経験したことのある人だからこそ言える、命の重さ。

 私はノゾミお姉さまの言葉を胸に、その夜に行われた魔王軍対策会議に出席しました。



 その会議は、陽子さんを除いた“シスターズアルカディア”の皆さんと私、そしてレイ姉さんにレイナさん(後に彼女の正体が、もとも六魔皇と呼ばれる魔人の中でも最強クラスの人物だと知り、驚きました)とお兄さまのお母さま(このお母さまもまた、元六魔皇の一人らしく、改めて私の周りにはとんでもない人達ばかりが集まっているということを実感しました)を含めたメンバーで行われました。

 しかし、それは一つの部屋に全員集まって行うものではなく、異世界リモート会議というような感じで、魔術と科学の融合によって作られたという異世界通信を可能にしたパソコンを用いて、それぞれの世界に分かれて行われるものでした。


 私達の“ワールドアイラン”には、私とレイ姉さん、ハルカさん、キョウカお姉さま、カナンさん、リンさん、レイヤさん、そしてノゾミお姉さまの八人がいました。



 会議の内容をかいつまんで説明すると、陽子さんをあえてこちらのタイミングで魔王化させることで、陽子さんを救うという作戦をメインに、各世界に潜んでいる魔王軍の幹部達に奇襲を仕掛け、一網打尽にする、というような感じです。


 そして、私達が相手をするのはバートラとダイアーナという男女二人組の魔王軍幹部と、その部下達数名ということです。



「で、この(“ワールド)世界(アイラン”)にあるっていう魔王軍のアジトは何処なんだ?」



 レイヤさんが画面越しにレイナさんに尋ねると、



『ああ、それなら、』



「私が案内してあげるよ!」



 とその時、私達の背後からここにいるハズのない女性の声がしました。

 私達が一斉に振り返ると、そこには私達のよく知る“妖狸ようり”の女性がいて、レイ姉さんとカナンさんが驚きの声をあげました。



「えっ!?ゆ、ユリコさん!?」


「なっ、なんでここにいるんですか!?っていうか、いつの間に!?」



 そう、そこにいたのは、レイ姉さんやカナンさん達がアルバイトをしている“喫茶妖獣メイド”のチーフメイドであるユリコさんだったのです!


 カナンさんの疑問に、画面の向こうからレイナさんが得意気に説明を始めました。



『ふふーん、紹介しよう!

 そちらのユリコちゃんは、私の一番弟子にして、私と同じ【死霊術師】なのです!!』


「「「「「えええええええっ!?!?」」」」」


「死霊術師って、まさかアンタがオレ達を襲った…!?」



 驚く私達と、咄嗟に戦闘体勢をとるレイヤさんとノゾミお姉さま。



「おっと!待って待って!確かにレイヤちゃん達を襲ったのは私だけど、あれは演技というか、仕方なくというか、とにかく!私は皆の味方だから!!」



 両手を上げて敵意が無いことを示すユリコさんを援護するように、画面越しにレイナさんが続けました。



『そうそう!ユリコちゃんは魔王軍幹部の動きを調べてもらうために、二重スパイとして潜り込んでもらってたのよ!』


「二重スパイ~?」


「そうそう!私は、ヘラーナ先輩の弟子として、魔王軍幹部をスパイする目的でバートラの部下になり、その部下としてこの世界のもう一つの驚異であるダイダロ様を監視するという名目でダブルスパイしてたのよ!

 勿論、ダイダロ様はそのことを承知で私を側に置いてくれていたの!」


「じゃあ、本当に味方なのね?信じてもいいのね?」


『ええ、ユリコちゃんは信用して大丈夫よ、この私が保証します』


「お母様がそう言われるなら…」



 ノゾミお姉さまの疑惑に、お兄さまのお母さまがそう答えたので、皆さん納得されたようです。



「レイヤちゃん達を襲撃してのは、バートラの命令だったのよ。

 ダブルスパイがバレるわけにはいかないから、それなりに本気で相手はしたけど、まさかハルカちゃんとノゾミちゃんがお化け苦手だとは思わなくてね~w」


「え、ノゾミお姉さまお化けが、」


「わぁあーーーーっ!!言わないでっ!!それ以上は言っちゃダメっ!!」


「まぁ、事情は分かったよ。

 …というか、この(“ワールド)世界(アイラン”)にはダイダロさんがいるんだから、オレ達が何かをする必要なくないか?」


「確かに…

 【不殺のダイダロ】、だっけ?確か魔人以外の人間は殺さないっていう、六魔皇最強の一人なんでしょ?

 だったら、今回の敵である魔王軍の連中も、ダイダロさんにやってもらえば、」


「それが出来ないの」



 ハルカさんの言葉を即座に否定したユリコさん。



「出来ないって、どういうこと?」


「ダイダロ様は、魔人しか殺さないのではなく()()()()()()()()、というのが正しいのよ」


『ダイダロさんが魔人の中でも最強クラスである所以ゆえんは、その()()があるからこそなの。

 ()()()()()()()()()()()()()()があるからこそ、対魔人においては無敵の力を持っているの』


『正確に言えば、魔人以外も殺すことは出来ますが、そうすると制約が解かれ、彼の力は我々と同等程度にでは落ちるでしょう』


「ヘラーナ先輩や、アルテス先輩と同等というだけでもとんでもないんですけどね…」


「話が見えねぇな?

 魔人しか殺せねぇ、ってんなら、オレらの相手するバートラとダイアーナだっけ?その二人は殺せるんじゃねぇのか?」


「いえ、それがバートラもダイアーナも、そして私を含めたバートラの部下達全員は、魔人と他人種との混血種、つまり“半魔人ハーフ”として転生しているの、ダイダロ様が手出し出来ないようにね」


「え、“半魔人ハーフ”でもダメなの!?」


「はい、ダイダロ様はそのように言ってました」


「つまりは、ダイダロさんの助けは期待出来ない、ってことね…」


「はい。

 ちなみに、殺さないよう手加減するというのもダイダロ様には難しく、手加減したところで、六魔皇クラスや真祖の“吸血鬼ヴァンパイア”クラスでしか生き残れないだろう、と…」


「とんでもない人なのね、あの店長…」


「ヘラーナ達も十分とんでもないけどね…」


「いや、そんなとんでもない連中と肩を並べてる我らが最年少様セイラこそヤベェだろ…」


『それは全盛期のわらわの話じゃろう?

 さすがに今のわらわにそれだけの力は無いぞ』


『どうかしら?六魔皇のローザンヌ相手には圧勝してたじゃない?』


『あれはサクヤお姉ちゃまが戦ってくれておったから、その間に『世界ヲ(ホーリー・)変エル力(ファンタズム)』を詠唱出来たからの。

 あれを詠唱出来ておらなんだったら、あそこまでの一方的な戦いにはなっておらんかったよ』



 ノゾミお姉さまとハルカさん、レイヤさんが揃って呆れたような表情を浮かべる中、画面越しではそのセイラさんとサクヤさんが会話を続けていました。

 正直、私にはそれこそ強さの次元が違い過ぎて、全くピンと来てませんでした…

 いかにこれまでの私が井の中の蛙だったかを思い知らされた感じです。



「いずれにせよ、ダイダロ様の力は万が一の時のための切札として温存しておきたく、今回の件は我々だけで対処すべきだと判断したわけ。

 まぁ、私もただスパイしてたわけじゃなく、相手の実力とかも調べてたわけで、その結果、あなた達だけでも十分対処は可能と判断したわけ」



 それから、作戦決行のタイミングなどを話し合い、会議は終了となりました。




*


 日付が変わろうかという深夜、私達はユリコさんに連れられて、門司もじ小倉こくらの境にある山、手向山たむけやまに来ていました。


 山を登りながら、私は今更ながら隣にいるレイ姉さんに尋ねました。



「レイ姉さん、本当に大丈夫ですか?」


「え?何が?」


「何が、って…、レイ姉さんは戦うの苦手じゃないですか。

 それで、警察時代には“妖獣ハンター”に捕まって酷い目にあわされたって…」


「ああ、うん、あの時はね…

 でも、今は大丈夫よ!私だって強くなったんだから!」


「…心配です」



 それ以上何を言っても、「大丈夫!」と自信満々に言うので、とりあえず私はその言葉を信じることにしました。

 最悪、何かあっても私がレイ姉さんを助ければいいんです。

 私にはここ数日の特訓でそれだけ強くなったと言えるだけの自信がありましたから。



 手向山たむけやまは、標高76メートル程のそれほど大きくはない山で、とてもこのような場所に敵のアジトがあるとは思えなかったのですが、



「敵のアジトは、私の術によって外界と切り離された空間にあるからね」


「あ、そうか!『狸結界』ですね!」


「ユイちゃん、正解!」



 ユリコさんがそう言うと、何の変哲も無いばしょで立ち止まり、右手を前にかざすと、その先端だけが消えて見えなくなりました。



「この先に、敵のアジトがある。

 今、私はダイダロ様の監視という名目でアジトを離れてる体なの」


「ふーん。

 ところで、オレらはここにいても大丈夫なのか?連中に気付かれたりしないのか?」


「それは問題ないわ。

 『狸結界』の外側から内側を観測出来ないように、内側からも外側を観測出来ないから、術者である私を除いてね」


「ふーん、改めて『狸結界』ってのは便利なんだな~…」


「そうでなきゃ、“妖狸ようり”が現代まで生き残れた道理が無いわ。

 単純な力では他三種族に絶対勝てないんだもの」


「それで、作戦開始の合図があるまで、わたし達はここで待機しているわけね?」


「ええ、そういうこと、…っと、早速合図が来たわ」



 カナンさんからの確認の問いにユリコさんが答えているところへ、“ワールドアクア”にいるレイナさんからの作戦開始の合図が来たようです。

 どうやら、二人には死霊術師のみに扱える特別な術で遠距離会話が出来るそうなのですが、詳細は教えてもらえませんでした(教えてもらっても私達には使えませんしね)。



「思ったより早かったわね。

 …じゃあ、皆、覚悟はいい?」


「ええ!」


「大丈夫だぞ!」


「ここまで来たら、ね!」


「まっかせるにゃー!」


「ああ、とっくに出来てるよ!」


「さっさと終わらせて帰りましょ」


「ユイちゃん、私達も頑張ろうね!」


「はい、レイ姉さんも無理しないで下さいね」



 私達はそれぞれの覚悟と共に、『狸結界』の中へと入っていきました。




*


 『狸結界』の中に入ると、そこには先程までは存在しなかった建物がありました。



「結界内に建物まで作れるのか!?」


「ええ、『狸結界』の内側と外側を完全に隔離してしまえば可能よ。

 “ワールドブラディ”には『狸結界』内に村を作ったという“妖狸ようり”もいたそうだし、建物を作る知識と技術、それに道具や材料さえ揃ってれば普通に作れるわ。

 まぁ、あの建物は『転移』の魔術で外部から持ってきたものだけどね」



 『狸結界』にはいくつかのパターンがあって、内側と外側の風景だけを再現するパターンや、内側と外側を完全に隔離して、内側に別の空間を作り出すパターンなど

です。

 前者の場合は、建物などはあっても、それはただの張りぼてになるそうで、レイヤさん達がユリコさんと戦った時の『狸結界』はこのパターンのようです。


 今回は後者で、『狸結界』内は先程までいた手向山たむけやまの風景とはガラっと変わっていて、建物以外には何も無い平原が広がっていました。



「さて、どうやら相手のお出ましのようよ?」



 ユリコさんの言う通り、どうやらこちらの侵入を察知したらしき魔王軍の人達が建物の中から出てきました。

 男女二人組を先頭に、背後にもう二人の人物が控えていました。



『これは、どうしたことだ!?』


『何故この結界内にシスターズの連中が!?』


『ユリコ…、やはり貴様はスパイだったか…』


『ヘラーナがこの一件を嗅ぎ回っていると知って、【死霊術師】であるお前も怪しいと思っていた矢先に…!』


「少し気付くのが遅かったみたいね、というより、ギリギリのタイミングだったのはむしろこっちの方かも?」



 連中が暗躍者の正体に気付いたのは

、つい数時間前だったらしいことを考えれば、本当にギリギリのタイミングだったのでしょう。

 でなければ、ユリコさんがどうなっていたことか…



「まぁ、細けぇことはいいじゃねぇか!

 それより、さっさと始めようぜ、わざわざ出てきたってことは、そちらさんも逃げるつもりは無いんだろ?」


『…ふん、元からそのつもりだ!』



 すると、彼らは本来の姿へと変身し、私達の前へと立ちはだかりました。



『私の名前はルディア、“ワールドプラトーン”の神人種、その中の“翼人ハルピュイア”と呼ばれる種族との“半魔人ハーフ”です』



 そう言って私とレイ姉さん、そしてユリコさんの前に立ったのは、両手が翼のように変化した“半魔人ハーフ”の女性。



『アタシの名はリュードラス♪

 “ワールドブラディ”の亜人種、その中の“夢魔鬼人サキュバス”との“半魔人ハーフ”よん、よろしくね、お嬢さん達♪』



 続いて、リンさんとカナンさんの前に立ったのは、ボンデージ服に身を包んだ、筋骨隆々のオネェ系“半魔人ハーフ”の男性。



『私は魔王軍幹部が一人、ダイアーナ。

 “ワールドアイラン”の妖獣種、“妖犬ようけん”との“半魔人ハーフ”よ』



 レイナさんとノゾミお姉さまの前に立ったのは、頭に犬耳、両手足を『妖獣化』させた“半魔人ハーフ”の女性。



『そして俺が魔王軍幹部が一人、バートラ。

 “ワールドジュウラン”の獣人種、“狼人ウルフェン”との“半魔人ハーフ”だ』



 最後に、ハルカさんとキョウカお姉さまの前に立ったのが紫色の狼耳に、『獣人化』させた両手足からバチバチと紫電を放出させる“半魔人ハーフ”の男性。



『いささか想定外ではあるが、お前達を倒す計画であったことには変わりはない。

 わざわざ乗り込んできた勇気には敬意を表するが、手加減はせんぞ?』


「ええ、こっちも全力で相手をさせてもらうわ。

 いくわよ、キョウカ!!」


「りょーかいだぞ!!」



 こうして、私達と魔王軍との戦いの幕が切って落とされたのでした。


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