学校も案外悪くない
いつも誤字報告ありがとうございます。
「で、どうしたんだ?」
「実は、、」
スマホの画面を数秒いじるとその画面を俺の方に向ける。
それは普通のなんら変哲のないニュースサイトであった。
!?
『藤原莉未、最年少にしてアイドル界に降臨!』
上部に大きな太文字でのタイトル。すぐにニュース内容が目に焼き付く。
なんだこれは一体。
幻覚だきっと。
目を何度か擦るが、夢という幻想は覚めることなく眼前篠塚のスマホに映るニュースは顕在するだけ。
藤原が何を考えているかは推測はたつ。
恐らくだが、橘がアイドル界に入ったことで学校から高い地位を獲得した為、其れを捻り潰すため、更に高い地位から俯瞰し精神を破壊することが目論見だろう。
それに加えて、学校の高い地位にたち有名になりちやほやされたいという欲望も。
藤原の癇癪な態度と外連味は未だ変化を見せない。
こうなった以上は俺も警戒を怠ってはいけない。復古し嘲笑動物としてまた扱われてしまう。
そうなる前に手を打たなくてはならない。
策は、策は何かあるか?良い策を。
気遣わしい表情を浮かべ前屈みになっていると篠塚がぽんっと俺の肩に手を置く。
急な感覚に襲われ一度身体をビクつかせが、気持ちを落ち着かせて顔を上げる。
「大丈夫ですよ。ゆうすけくんには私が居ますから」
単純で優しい言葉。しかし、今の俺にはその言葉が何よりも強い支柱になった。
その言葉があるだけで今だけは十分だった。
◆
終礼が終わり、学校は下校時間に差し掛かった。
部活をする者、勉強する者、クラスメートは各自自分のやるべきことを遂行しに教室を次々と去っていく。
今日は生憎の日直。
学級日誌を職員室に届けて、放課後の掃除が残されている。疲労しきった体をもう一度奮わなければならない。
感嘆して、教卓の学級日誌を手に取り職員室に届けに行く。
「失礼します」
深々と頭を下げ、職員室にいる担任の元へ足を運ぶ。
「学級日誌を届けに来ました」
「おう、ありがとう」
教員に学級日誌を届けるとすぐ様去ろうとするが、横耳に不憫な声が聞こえる。
その声の正体は言わずとも知れたことである。
隣の教員と会話を弾ましている藤原。
今度の中間テストの答えの取引でもしているのかと思っていたが、どうやら違うらしくアイドルのことについてだったようだ。
地獄耳の俺でもそこまで聞こえないほどの囁き声。
何かあるのは明白であるが、そこまで干渉したくないという俺のモットーがあるのでそれに則りその場はすぐに去った。
部屋を出る前に頭を下げて退室する。
教室へ戻るとその景色に言葉を失ってしまう。
いつもうるさい教室の非日常感。
グラウンドを声を上げながら走る野球部員共。
幾つかの窓から差し込むオレンジ色の筋。
呆然とただその景色を眺めていた。
その空間に入るとすぐに全てが崩壊しそうなそんな気が沸き起こる。




