第7部 第9話「ワイトの城砦」
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建国プロジェクト:状況報告
第7部・死滅編 第9話開始時点
現在地:クロノスリュカ・竜門学府
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状況 :第二回ゲヘナ遠征の準備中
カレンがゲヘナの内部情報を提供している
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カレンが休養を終えた翌日だった。
竜門学府の一室に全員が集まった。
カレンが話し始めた。
カレン:「ゲヘナの中にいた間ずっと見て、聞いていました。
体は動かなかったけど意識はありました」
信:「何が見えましたか」
カレン:「ワイトの城砦に重要な情報があります。
ワイトはゲヘナの歴史を全部知っている存在です。
タナトスが均衡を失った経緯も知っているはずです」
カイ・ラガン:「ワイトがそれを話すかどうか」
カレン:「話すと思います。
ワイトもタナトスの暴走の終りを望んでいる。
ゲヘナの中でも暴走した死滅は死者にとって脅威なんです」
信が頷いた。
信:「ワイトと本格的に交渉しよう。
今日、もう一度ゲヘナへ向かう」
第二回遠征の準備
メンバーは前回と同じだった。
クラグルが竜石を握り直した。
クラグル:「前回より体が回復している。
もう一度使えると思う」
パナシア:「先生、今回は私が止めたら止まってください」
クラグル:「わかりました」
パナシア:「信じてますよ」
カイ・ラガンが竜騎士の術を全員に施した。
リュカが扉を開いた。
ゲヘナの薄明かりが差し込んだ。
ゲヘナ・外縁部
幽霊たちが出迎えた。
前回見送った幽霊が最初に来た。
幽霊:「また来てくれた。
約束通りだ」
信:「約束したから。
今日はワイトと話しに行く」
幽霊:「ワイトは気難しい。
でも悪い存在じゃない。
正直に話せば聞いてくれる」
信:「ありがとう」
シャドウが現れた。
シャドウ:「来たか。
今日は
ワイトの城砦まで
案内する。
ただし
城砦の中では
俺は入れない。
ワイトの領域だ」
信:「わかりました」
ワイトの城砦へ
中間部を進んだ。
スケルトンの荒野を通過した。
前回より慣れていた。
全員が静かに動いた。
スケルトンたちが見ていた。
動かなかった。
ファントムの記憶宮殿の傍を通った。
歌声が聞こえた。
リュカが少し立ち止まった。
信が隣に来た。
信:「次に来た時に立ち寄ろう」
リュカ:「うん」
二人が歩き続けた。
ワイトの城砦が見えてきた。
石造りの城だった。
古い城だった。
門の前にワイトが立っていた。
待っていた。
鎧を纏った骸骨の戦士だった。
しかし目の部分に光があった。
意思のある光だった。
シャドウが止まった。
シャドウ:「ここまでだ。
後は自分たちで」
信:「ありがとう」
信が前に出た。
信:「ワイト。
話しに来た」
ワイト:「来たか。
中に入れ」
ワイトの城砦・内部
城砦の中は広かった。
古い武器や盾が壁に飾られていた。
かつての戦いの記録だった。
ワイトが奥の部屋に案内した。
大きな石のテーブルがあった。
全員が座った。
ワイトが正面に立った。
ワイト:「お前たちに
聞きたいことがある。
タナトスを
本当に
滅ぼさないのか」
信:「滅ぼさなず、均衡に戻す。
生命と死滅は対でなければならない。
タナトスを滅ぼせばアポロンも消えます。
我々はそれは望んでいない」
ワイト:「なぜそうだと考える」
信:「イツムナという仲間が解読した神代の文字に書いてあった。
それを信じている」
ワイトが少し黙った。
ワイト:「竜騎士団は
いつも
戦うことしか
しなかった。
しかし
お前たちは
違う」
カイ・ラガン:「俺たちは間違っていたかもしれない。
しかし方法を変える機会がなかった。
今は違う」
ワイトが語る
ワイトが話し始めた。
長い話だった。
全員が黙って聞いた。
ワイト:「俺はかつて
生きていた。
英雄と呼ばれていた。
タナトスに倒されて
この姿になった。
死んでも
意識が残った。
それがワイトだ。
意思を持つ死霊。
タナトスに従いながら
ずっと
ここにいた」
信が聞いた。
信:「タナトスが均衡を失った理由を知っていますか」
ワイト:「知っている。
アポロンが
一か所に偏った。
タナトスは
世界全体の死滅を
司ろうとしたが
均衡相手のアポロンが
一か所にしかいない。
バランスが崩れた。
タナトスは
それを修正しようとして
暴走した」
コダ:「アポロンを世界に広げればタナトスの暴走が止まる?」
ワイト:「可能性は
高い。
しかし
タナトスの城の
最深部に
均衡の石がある。
かつて
アポロンとタナトスが
対であった時代の
証だ。
その石に
アポロンの力を
注ぎ込めば
均衡が戻る速度が
上がる」
カイ・ラガンが目を細めた。
カイ・ラガン:「均衡の石。
竜騎士団の記録にその名前があった。
しかし場所はわからなかった」
ワイト:「タナトスの城の
最深部だ。
レイスとスペクターが
守っている。
そこまで
辿り着けるかどうか」
信:「辿り着きます。そのための準備をしています」
ワイトへの提案
信がワイトに言った。
信:「俺たちと同盟を結んでほしい。
タナトスの暴走を止めることはゲヘナの死者にとっても
いいことのはずだ」
ワイト:「……その通りだ。
タナトスの暴走は
死者にとっても
脅威だ。
ゲヘナの中でも
平和を望む者が多い」
信:「離反派とワイトが協力してくれればタナトスの城への道が開ける」
ワイト:「条件がある」
信:「なんでしょう」
ワイト:「タナトスが
均衡に戻った後
ゲヘナの死者を
この世に引き込もうとするな。
死者は
死者の場所にいる。
それが世界の理だ」
信:「約束します。
ただし解放を望む者には
出口を作ります」
ワイト:「それは
認める。
強制でなければ」
信:「強制しない。それがこの国の方針だ」
ワイトが少し黙った。
長い沈黙だった。
ワイト:「同盟を結ぼう。
ただし
俺たちは
タナトスの城まで
案内するだけだ。
城の中での戦いは
お前たちがやれ」
信:「それで十分です」
城砦を出る前に
立ち上がった時だった。
ワイトが壁に飾られた古い剣を見た。
ワイト:「俺が
生きていた時に
使っていた剣だ。
ずっとここに
飾っていた。
捨てられなかった」
カイ・ラガン:「英雄の剣か」
ワイト:「英雄だったかどうかは
わからない。
ただ
戦い続けた。
それだけだ」
カイ・ラガン:「それで十分だ」
ワイトが少し動いた。
頷いたように見えた。
帰路・シャドウとの会話
城砦を出るとシャドウが待っていた。
シャドウ:「どうだった」
信:「同盟が成立した」
シャドウ:「ワイトが
動いたか。
珍しい。
あの者は
簡単には
動かない」
信:「理由を聞きましたか」
シャドウ:「聞かなくてもわかる。
タナトスの暴走が
止まれば
ゲヘナに
安息が戻る。
ワイトも
それを望んでいた。
ただ
方法がなかっただけだ」
信:「俺たちが方法になれればいい」
シャドウ:「なれる。
だから
俺も協力している」
帰還
扉を抜けて戻ってきた。
ロガが竜門学府の地下で待っていた。
ローフェンを見た。
ロガ:「無事で何よりだ」
ローフェン:「ああ」
信が全員に言った。
信:「ワイトと同盟が成立した。
シャドウも引き続き協力してくれる。
離反派も動き始めている。
次はタナトスの城への道を開ける準備だ。
均衡の石にアポロンの力を注ぎ込めば均衡が戻る。
それが最終的な目標だ」
全員が頷いた。
カイ・ラガンが言った。
カイ・ラガン:「ジークがいればもっと楽になる。
タナトスの城の構造を知っているはずだ」
信:「ジークを助けるのは最終決戦の直前にします。
それが最も効果的なタイミングだと思う」
カイ・ラガン:「わかった」
信が手帳に書いた。
ワイトと同盟が成立した。 均衡の石の場所がわかった。 タナトスの城の最深部だ。 レイスとスペクターが守っている。 しかし道がある。 ワイトが案内してくれる。 シャドウも動いている。 離反派も動いている。 全部が繋がってきた。 次が本番だ。
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建国プロジェクト:状況報告
第7部・死滅編 第9話終了時点
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ワイトとの同盟成立
「均衡に戻すなら協力する」
「タナトスの城への道を案内する」
条件:死者をこの世に強制しない
均衡の石の情報
タナトスの城の最深部にある
アポロンとタナトスが対だった時代の証
この石にアポロンの力を注ぐと均衡が戻る
タナトス暴走の真相が確定
アポロンが一か所に偏った
タナトスがバランスを修正しようとして暴走
シャドウの言葉
「なれる。だから俺も協力している」
次の方針
最終決戦の準備
ジークの解放は直前に
アポロンを世界に広げる準備と並行
次のマイルストーン
→第10話:リリィの覚醒
→神聖魔法が完成に近づく
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第7部 第9話 終了
次話:「リリィの覚醒」




