第7部 第8話「ゲヘナへの扉」
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建国プロジェクト:状況報告
第7部・死滅編 第8話開始時点
現在地:クロノスリュカ・竜門学府
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状況 :ゲヘナへの遠征準備が整いつつある
カイ・ラガンが竜騎士の術を準備している
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夜明け前だった。
訓練場に二人がいた。
誰も来ていない時間だった。
ロガ:「本気で行くぞ。手加減はなしだ」
ローフェン:「わかった」
木刀が打ち合った。
これまでの稽古と違った。
ロガが全力を出していた。
ローフェンが追い詰められた。
何度も押し返された。
何度も立て直した。
長い時間が経った。
二人が同時に止まった。
息が上がっていた。
ロガ:「強くなった。俺ではもう勝てないかもしれない」
ローフェン:「何を言っている。オヤジににはまだ勝てない」
ロガ:「そうか」
二人が並んで地面に座った。
夜明けの光が差し込んでいた。
ローフェン:「ありがとう」
ロガ:「礼はいらない。無事ゲヘナから帰ってこい。それだけだ」
ローフェン:「ああ」
竜騎士の術の準備
竜門学府に全員が集まった。
カイ・ラガンが術の説明をした。
カイ・ラガン:「竜騎士の術は生命力を体の内側に閉じ込める。
ゲヘナの中では生命力が外に染み出ていく。
この術がなければ踏み込んだ瞬間に消耗が始まる」
信:「どのくらい持ちますか」
カイ・ラガン:「竜騎士なら数日は持つ。
しかしお前たちは竜ではない。
長くて半日だ。
それを超えれば命が危うくなる」
信が確認した。
信:「半日で何をするか決めておく必要があるね」
カイ・ラガン:「そうだ。
ゲヘナに入ったら迷うな。
目的を果たしたらすぐ戻る」
遠征メンバーの決定
信が遠征メンバーを発表した。
信:「ゲヘナへ向かうのは七人だ」
信(全体指揮)
リュカ(扉を開く・アダマスの短刀)
ローフェン(レーヴァテイン・精霊感知)
コダ(精霊との対話)
カイ・ラガン(竜騎士の術・案内)
クラグル(リザレクション)
パナシア(医療・クラグルのサポート)
扉を開く場所
竜門学府の地下に下りた。
テルミ(境界の精霊)が強く反応する場所があった。
壁に薄い膜のような揺らぎがあった。
次元の境界が最も薄い場所だった。
カイ・ラガンが壁に触れた。
カイ・ラガン:「……ここだ。
竜騎士団がかつて使っていた扉の跡だ。まだ残っていた」
リュカ:「開けられる」
リュカが時空魔法を構えた。
カイ・ラガンが次元術を重ねた。
テルミが二人の間で激しく揺れた。
光が生まれた。
亀裂が走った。
扉が現れた。
灰色の光が向こう側から漏れていた。
冷たい空気が流れてきた。
全員が扉を見た。
コダ:「向こうに精霊の気配がある。
しかし弱い。
タナトスの影響で弱まっているみたいだ」
クラグル:「行けばアポロンも来てくれますか」
コダ:「来てくれると思います。俺たちと一緒に」
竜騎士の術を施す
カイ・ラガンが全員に竜騎士の術を施した。
一人ずつ光が体に入っていった。
信が施される時だった。
カイ・ラガン:「お前に竜騎士の術を施す日が来るとは思わなかった」
信:「俺もですよ」
カイ・ラガン:「ジークもこうして術を受けていた。
懐かしい」
信:「今度はジークを助けに行きます」
カイ・ラガン:「ああ」
全員に術が施された。
体の内側に温かさが宿った。
ゲヘナへ踏み込む
信が全員を見た。
信:「行きます。半日以内に戻る。
目的は三つ。
カレンの解放。
離反派との同盟確認。
タナトスの城の構造把握。
それだけ。無理はしない」
全員が頷いた。
リュカが扉に手を触れた。
扉が開いた。
ゲヘナの外縁部に出た。
灰色の空だった。
光がなかった。
しかし闇でもなかった。
薄明かりの世界だった。
霧が濃かった。
無数の魂が漂っていた。
魂たちが信たちを見た。
魂:「生きている者が来た」
別の魂:「珍しい」
また別の魂:「竜騎士団か」
カイ・ラガンが前に出た。
カイ・ラガン:「竜騎士カイ・ラガンだ。
タナトスを均衡に戻しに来た。
邪魔はしない。道を開けてくれ」
魂たちが揺れた。
道が開いた。
幽霊の霧の街
最初に通ったのは幽霊の霧の街だった。
霧の中に家のような形があった。
住んでいる幽霊たちが出てきた。
農村で会った幽霊がいた。
幽霊:「来てくれた。信じていた」
信:「約束しましたからな」
幽霊:「シャドウに伝えておいた。みんな待っている」
幽霊たちが道案内を申し出た。
霧の中を進んだ。
シャドウとの合流
霧の奥でシャドウが待っていた。
生と死の境界に立つ存在だった。
薄い影の形をしていた。
シャドウ:「来たか。遅かった」
信:「準備に時間がかかってしまいました」
シャドウ:「わかっている。
案内しよう。
ネクロマンサーの塔は中間部にある。
ワイトの城砦もその近くだ。
タナトスの城は最深部。
今日はどこまで行く」
信:「まずネクロマンサーの塔。
カレンを助ける。
次にワイトと話す。
タナトスの城は今日は様子だけ見る」
シャドウ:「賢明だ。行こう」
ゲヘナの内部を進む
シャドウの案内で進んだ。
スケルトンの荒野の外縁を通った。
スケルトンたちがこちらを見た。
しかし動かなかった。
コダ:「強硬派ですか」
シャドウ:「この辺りは中間派だ。
戦う意志は薄い。
タナトスの命令に従っているだけだ。
生命力を奪いに来なければ向こうも動かない」
信:「わかった。刺激しない」
全員が静かに通過した。
ファントムの記憶宮殿の傍を通った。
美しい建物があった。
中から歌声が聞こえた。
リュカが立ち止まった。
リュカ:「歌が聞こえる」
コダ:「ファントムたちがかつての生の記憶を体験している。
懐かしい記憶が歌になっている」
リュカ:「悲しい」
信:「行こう。
今日はここには立ち寄れない。
しかしいつかまた来る」
ネクロマンサーの塔が見えた
中間部の入り口に黒い塔があった。
ネクロマンサーの塔だった。
近づくにつれて 何かが信たちを引き留めようとする力があった。
タナトスの力だった。
クラグル:「引き込もうとしている」
カイ・ラガン:「術が保っている。急げ」
塔の入り口に着いた。
声が聞こえた。
カレン:「来て
くれた」
信:「約束した。
カレン、
今から助ける」
カレン:「体が
動かない。
タナトスの力が
強い」
クラグルが竜石を握った。
パナシアが隣に立った。
アポロンがゲヘナの中でも かすかに輝いた。
信が目を閉じた。
助けたいという気持ちだけを持った。
クラグル:「死に落ちた魂よ。
生命の精霊の加護のもとその呪縛を断ち切る。
復活せよ」
光がゲヘナの薄明かりの中で輝いた。
塔からカレンの声が大きくなった。
タナトスの力が抵抗した。
光が押し返した。
塔の扉が開いた。
人間の女性が倒れていた。
生きていた。
息があった。
パナシア:「生きています。
体は弱っているが生きています」
カレン:「自由。
体が自分のものになった」
クラグルが膝をついた。
パナシアが支えた。
クラグル:「今回もちゃんとできていますか」
パナシア:「大丈夫です。
ですが先生は毎回倒れます」
クラグル:「できていることが重要なんです」
パナシア:「そうですね」
時間の限界が近づく
カイ・ラガンが言った。
カイ・ラガン:「時間が限界に近づいている。
術が弱まってきた。
ワイトとの接触は入り口だけにしろ。
今日は戻るべき時だ」
信:「わかりました。
ワイトに一言だけ伝えて戻ります」
シャドウがワイトの城砦の入り口まで案内した。
ワイトが門の前に立っていた。
待っていたように見えた。
信:「交渉したい。次に来た時に」
ワイト:「タナトスを
滅ぼそうとしているか」
信:「滅ぼさない。均衡に戻す」
ワイト:「それなら
話を聞く。
次に来い」
それだけだった。
しかし十分だった。
ゲヘナからの帰路
扉の場所に戻った。
シャドウが案内してくれた。
幽霊たちが見送った。
幽霊:「また来てくれるか」
信:「来ます。必ず」
幽霊:「待っている」
リュカが扉を開いた。
光が差し込んだ。
この世の光だった。
温かかった。
全員が戻った。
帰還
竜門学府の地下に戻った。
ロガが待っていた。
ローフェンを見た。
何も言わなかった。
しかし肩の力が抜けた。
ローフェン:「帰った」
ロガ:「ああ」
カレンがゲヘナから戻ってきた最初の人間だった。
震えていた。
しかし目が澄んでいた。
カレン:「ありがとう。
本当に来てくれた」
信:「約束しましたから」
カレン:「ゲヘナの中の情報を全部話します。
役に立てるものは何でも使ってください」
信:「助かります。
でも、まずはゆっくりと休んでください」
信が手帳に書いた。
ゲヘナに踏み込んだ。 半日以内に帰ってきた。 カレンを助けた。 ワイトと一言交わした。 シャドウが案内してくれた。 幽霊たちが見送ってくれた。 ゲヘナは全員が敵じゃない。 それが今日改めてわかった。 次はもっと深く行く。 準備をする。
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建国プロジェクト:状況報告
第7部・死滅編 第8話終了時点
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ゲヘナへの初遠征
半日以内に帰還
目的を全て果たした
カレンの解放
ネクロマンサーの塔から救出
ゲヘナの内部情報を持っている
リザレクションが二度目の成功
ワイトとの最初の接触
「均衡に戻す」という方針を伝えた
「次に来た時に話を聞く」と言われた
シャドウの協力
案内役として機能した
信頼関係が生まれた
ゲヘナの構造把握
外縁部:幽霊の霧の街
中間部:スケルトンの荒野・ネクロマンサーの塔
ファントムの記憶宮殿・ワイトの城砦
深部:タナトスの城(今回は近づかず)
ロガとローフェン
「帰った」「ああ」
それだけで十分だった
次のマイルストーン
→第9話:ワイトとの交渉
→離反派との同盟が成立する
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第7部 第8話 終了
次話:「ワイトの城砦」




