第7部 第6話「解放」
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建国プロジェクト:状況報告
第7部・死滅編 第6話開始時点
現在地:クロノスリュカ・北の辺境
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状況 :離反派との接触が続いている
呪霊の沼から気配が来ている
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夜明け前だった。
コダが目を覚ました。
精霊の感覚が騒いでいた。
北の辺境の方向から何かが来ていた。
攻撃的な気配ではなかった。
苦しんでいる気配だった。
コダが信を起こした。
コダ:「呪霊が来ています。
ただ攻撃しようとしていない。
苦しんでいるみたいです」
信:「向かおう」
呪霊との最初の接触
北の辺境の森の入り口だった。
霧が濃かった。
霧の中に黒い影が蠢いていた。
通常の死霊とは違う動き方だった。
ランダムに揺れていた。
制御できていない動きだった。
コダが精霊の力で感知した。
コダ:「苦しんでいる。
自分の意志で動けていない。
呪いが体を支配している」
信が前に出た。
信:「聞こえますか? 話せますか?」
影が止まった。
ぐらぐらと揺れながらも止まった。
呪霊:「聞こえている。
しかし体が
言うことを聞かない。
助けて。
お願
い」
パナシアの気づき
羊人クラグルと猫人パナシアが現場に到着した。
パナシアが呪霊の状態を観察した。
パナシア:「これは病気と同じです。
呪いという名の感染。
体の外から別の意志が入り込んでいる。
タナトスの力が宿主を乗っ取っている」
クラグル:「白魔術で体内の異常を取り除くことはできます。
しかしこれは生命ではなく死霊。
白魔術だけでは届かない」
コダ:「アポロンの力を借りましょう。
呼んでみます」
コダが歌い始めた。
ウィンから教わった歌だった。
決して上手とは言えない歌ではあったが、精霊への呼びかけの意味は伝わった。
その証としてアポロンが現れた。
光が呪霊を包んだ。
クラグル:「今だ。白魔術を中に」
クラグルが白魔術を発動した。
アポロンの光と白魔術が混じった。
呪霊の動きが落ち着いてきた。
呪霊:「体が軽くなった。
少し動ける」
呪霊が語る
呪霊:「私の名前はマリアン。
エルフだった。
森を歩いていたらゲヘナの亀裂に
落ち、ました。
タナトスの力に
取り込まれた。
ずっと
苦しかった。
体が
自分のものでなくなって
何かを傷つけることを
強制されて
でも
嫌で
ずっと
嫌で」
コダが聞き続けた。
コダ:「今はどうですか」
マリアン:「少し
自分が戻ってきた。
怖い。
またタナトスに
引き戻されそうで」
信:「引き戻させない。
クラグルが
助けます」
リザレクション・初実戦
クラグルが竜石を握った。
アポロンの加護が輝いた。
カルシアのガルディウスは今日はいなかった。
しかし信が代わりに言った。
信:「俺が祈る。
言葉は知らないが気持ちだけで」
クラグル:「それで十分かもしれない」
信が目を閉じた。
言葉はなかった。
ただ、助けたいという気持ちだけがあった。
クラグルが白魔術を発動した。
竜石が光った。
アポロンの加護が輝いた。
信の気持ちが方向を示した。
光がマリアンを包んだ。
クラグル:「死に落ちた魂よ。
生命の精霊の加護のもとその呪縛を断ち切る。
復活せよ」
光が強くなった。
呪霊の黒い影が薄くなった。
消えていった。
中からエルフの女性の形が現れた。
透き通っていた。
しかし確かに形があった。
マリアン:「軽い。
体が
軽い」
コダ:「解放された」
クラグルが倒れた。
パナシアが支えた。
パナシア:「先生」
クラグル:「ちゃんとできたか」
パナシア:「できました。
でも倒れないでくださいよ
マリアの証言
マリアンが話した。
透き通った声だった。
マリアン:「タナトスの軍団の中に
逃げたい者は
たくさんいます。
でも
逃げる場所がない。
出口があれば
離反する者が
もっと増える」
信:「出口とは」
マリアン:「あなたたちが
解放できるという事実。
それが
出口です。
タナトスに従わなくても
救われる場所がある。
それが知れ渡れば
離反派が
一気に増えます」
信が頷いた。
信:「伝えます。どうやって伝えればいい」
マリアン:「ゲヘナの外縁部に
幽霊の霧の街があります。
そこに
情報が集まる場所がある。
シャドウに
頼めば
伝えてくれます」
ネクロマンサーの塔からの声
その夜だった。
別の気配が来た。
ゲヘナの方向からだった。
コダが感じた。
コダ:「ゲヘナの中から声が来ている。
人間の声だ」
信が集中した。
かすかに聞こえた。
声:「助けてくれ。
タナトスに
魂を縛られている。
体が動かない。
しかし
意識がある。
ここから
出たい」
カイ・ラガンが反応した。
カイ・ラガン:「ネクロマンサーだ。
ゲヘナの中で唯一生きている者。
意識があるということはまだ完全にタナトスには取り込まれていない」
信:「名前はわかりますか」
声が途切れた。
また聞こえた。
声:「カレン。
人間だった。
死霊の研究をしていた。
ゲヘナに
踏み込んだら
タナトスに
取り込まれた。
死霊を操る力を
強制的に
使わされている。
嫌だ。
嫌なのに
止められない」
信が言った。
信:「カレン、俺たちが迎えに行く。
待っていてくれ」
カレン:「来てくれるか」
信:「来る。
約束する」
声が途切れた。
静かになった。
信の整理
信が全員に言った。
信:「リザレクションが実戦で使えることがわかった。
マリアが解放された。
カレンというネクロマンサーがゲヘナの中にいる。
迎えに行く必要がある。
ゲヘナへの遠征を急ぐ」
カイ・ラガン:「竜騎士の術で踏み込む準備を始める」
ローフェン:「いつですか」
信:「できるだけ早く。
しかし準備を整えてから。
焦って失敗はできない」
クラグル:「次の術の発動まで少し時間が必要です」
パナシア:「先生には休んでもらいます。
交渉の余地はありません」
クラグル:「わかりました」
夜のコダとアポロン
夜、コダが一人で空を見ていた。
アポロンが傍にいた。
コダ:「マリアンはエルフだった。
カレンは人間だった。
ゲヘナには種族は関係ない。
取り込まれた者がいる。
全員を助けることはできないかもしれない。
でもできる限り助ける」
アポロンが光った。
同意しているように見えた。
信が手帳に書いた。
リザレクションが実戦で使えた。 マリアが解放された。 カレンがゲヘナの中で待っている。 ゲヘナへの遠征を急ぐ。 しかし焦らない。 準備を整えてから行く。 誰も捨てない。 約束した。
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建国プロジェクト:状況報告
第7部・死滅編 第6話終了時点
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リザレクションの初実戦
呪霊マリア(エルフ)を解放した
ガルディウス不在で
信の気持ちが方向を示した
クラグルが倒れたがパナシアが支えた
マリアンの証言
離反したい死霊が多い
「出口があれば離反派が増える」
シャドウを通じて情報を広める
ネクロマンサー・カレンとの接触
ゲヘナの中から声が聞こえた
人間の研究者がタナトスに取り込まれていた
「迎えに行く」と信が約束した
ゲヘナへの遠征を急ぐ方針
カイ・ラガンが竜騎士の術の準備を始める
クラグルは回復のため休養
次のマイルストーン
→第7話:ローフェンとタナトスの接触
→防衛戦が激しくなる
→ゲヘナへの遠征準備が進む
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第7部 第6話 終了
次話:「父と息子」




