第6部 第9話「ラスカルズ、それぞれの道」
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建国プロジェクト:状況報告
第6部・発展編 第9話開始時点
現在地:クロノスリュカ・建国地
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状況 :ラスカルズが各自の道へ踏み出す
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鹿人コダがラスカルズのメンバーに声をかけた。
理由は特になかった。
コダ:「別に大したことじゃないです。
ただ、みんなの顔が見たくなっただけで」
全員が集まった。
兎人ダレトが料理を作って持ってきた。
熊人ショコラはデザートを。
ラギラブ農村の食材が使われた。
皆で食べ、歌い、いつもと同じ夜だった。
全員が笑い楽しんだ。
近いうちに、皆は大学へ進み別々の道を進むこととなる。
コダ・精霊研究部門の初会議
ミネルヴェ魔導大学の精霊研究部門。
コダが部門長として初めて会議を仕切った。
コダ:「始めに言っておきますが、精霊研究は完成しない研究です。
でもだからこそ続けて行くんです。
皆さん、一緒に歩んで行きましょう」
部門の新メンバーの中にトナカイの獣人の女の子がいた。
名前はヴィルタといった。
精霊の気配に異常に敏感だった。
コダが密かに目をつけていた。
会議後、コダが一人で呟いた。
コダ:「精霊がいつでも近くにいる。
ここはいい場所なんだ」
ルドルフ・魔導大学での初授業
馬人ルドルフが火の魔法の実技授業に立った。
学生の前に立った。
ルドルフ:「俺より才能のある人がこの中にいるかもしれないね。
でもね。努力が才能を凌駕することだってあるんだよ。
だから、皆、常に研鑚を重ねていくように」
授業中に鈴鳴りのリリィが手を挙げた。
リリィ:「それ、別のやり方の方がいいですよ」
ルドルフ:「リリィ、まずは、基本から進めないと」
リリィ:「できるのになんで基本をやらないといけいんですか」
ルドルフが深呼吸した。
ルドルフ:「お前は、感覚で全てを理解できてしまうんだろうが、皆がそうではない。
それは、お前が教える時に苦労をするぞ」
それがルドルフの教え方だった。
後ろの席で火蜥蜴人の男の子が目を輝かせていた。
名前はフラムといった。
ルドルフの炎をじっと見つめていた。
タルパ・地下都市計画の設計図
土竜人タルパが信の執務室に来た。
分厚い設計図を持っていた。
タルパ:「地下都市計画、本格始動します、モグ」
信:「すごい設計だね」
タルパ:「渓谷の地下に完全な都市を作るモグ。
地震にも魔獣にも強い。
避難所にも普通の街にもなるモグ」
信:「いいね。楽しみだ」
タルパ:「お任せモグ」
嬉しそうに走って行った。
後ろを土竜人の女の子がついていった。
名前はモルといった。タルパの従兄弟の子供だという。
タルパより小さな体で設計図を持とうとしていた。
タルパ:「お前は持たなくていいモグ」
モル:「持ちたいドグ」
アルラッテ・国際経済会議の主催
大陸初の国際経済会議が開かれた。
鼠人アルラッテが最年少の議長として仕切った。
マルカンドのマンサが参加していた。
マンサ:「あやつが議長とは。
どうなることやら」
アルラッテが意外なことに、淡々と進行した。一才澱みなく。
アルラッテ:「経済自体は感情ではなく数字で動きます。
感情の話は後で聞きます」
マンサ:「やるな」
会議後、傍に鼠人の女の子がいた。
名前はランカといった。
アルラッテの手元の計算を先に解いていた。
アルラッテ:「早いですね」
ランカ:「すみませんでした」
アルラッテ:「謝ることじゃないさ。
誇っていいことだよ」
ソラ・世界探求大学の初日
鹿人ソラが地図学部の講義室に立った。
初めて「先生」と呼ばれたことに少し戸惑った。
学生:「先生、この地図のここが違うと思うんですが」
ソラ:「ああ、そうだね。
この版はまだ反映されていないみたいだ。
次の版に入れないとだね」
学生が驚いた。
学生:「先生が間違いを認めるんですか」
ソラ:「そりゃそうさ。
間違いは間違いなんだから。
いいかい、面子ばかり気にするくだらない者になってはいけないよ」
後ろの席で海亀人の女の子が地図を描いていた。
名前はカルタといった。
まだ誰とも話していなかったが手が止まらなかった。
ウィン・音楽院の初日
燕人ウィンが音楽院を設立した。
生徒の前で初めて歌った。
小さな体から溢れる歌声だった。
生命の精霊が現れた。
生徒たちが息を呑んだ。
ウィン:「精霊が来てくれた。
一緒に歌いましょう」
カナリアの鳥人の女の子がウィンに合わせて歌い始めた。
名前はリーラといった。
声が重なった。
精霊たちが増えた。
ウィンが目を細めた。
ウィン:「あなた、すごい声」
リーラ:「え?」
ウィン:「あなたの様な人がきてくれて嬉しいわ」
ニャラとロア・世界へ
ニャラとロアが鳳凰に乗る直前だった。
国際公演に出発する日だった。
ニャラ:「行ってきます」
ロア:「帰りに新しいダンスを持って帰ります」
チンチラの獣人の子どもが見送りに来ていた。
名前はマスデといった。
ニャラに憧れていた子どもだった。
マスデ:「帰ってきたら教えてください」
ニャラ:「んにゃ、覚えてたら教えるよ〜」
マスデが思いきり手を振った。
全身で感情を表現していた。
喜びが体中から溢れていた。
ニュー・ラスカルズ
不思議と、みんなが一か所に集まっていた。
トナカイの獣人ヴィルタ。
土竜人モル。
火蜥蜴人フラム。
鼠人ランカ。
海亀人カルタ。
カナリアの鳥人リーラ。
チンチラの獣人マスデ。
そして雀の鳥人ハドヤー。
河馬の獣人トゥエリス。
ムササビの獣人モマ。
蜥蜴の獣人イツムナ。
象の獣人メカラ。
誰が呼んだわけでもなかった。
しかしそこにいた。
コダがその集まりを見つめた。
信とリュカもそれを見ていた。
リュカ:「次のラスカルズがいるね」
信:「そうですね」
リュカ:「ニュー・ラスカルズだ」
コダ:「はは、それはいいね」
ラスカルズ最後の夜・引継ぎ
ラスカルズが次の世代と向き合った。
コダ:「俺たちがこれまでやってきたことを引き継い欲しい気持ちはある。
でも、俺たちと同じじゃなくていい。
お前たちのやり方でやりたいようにやってくれ」
一人ずつが言葉を贈った。
ルドルフがフラムに言った。
ルドルフ:「火は強い。
でも大事なのはそれを使う人だ」
タルパがモルに言った。
タルパ:「地下は暗い。
でも光を持って入れば怖くないモグ」
モル:「わかったドグ」
アルラッテがランカに言った。
アルラッテ:「思考を止めてはダメだからね。」
ランカ:「はい、わかりました」
ソラがカルタに言った。
ソラ:「海の地図、これを頼みたい」
カルタ:「はい! 任せてください」
ウィンがリーラに言った。
ウィン:「あなたの声は精霊に届く。
だから常に心をこめて歌ってね」
リーラ:「はい」
ニャラがマスデに言った。
出発前夜、もう一度だけ戻ってきた。
ニャラ:「感情を出し惜しみするんじゃないよ。
あんたの全部を出し切るんだ」
マスデ:「全部ですか」
ニャラ:「そう、全部さ」
マスデがまた全身で喜んだ。
信の言葉
最後に信が全員に言った。
信:「ラスカルズという名前は可能性という意味だと俺は思ってる。
ラスカルズが次の段階に進んだ、君たち新しいラスカルズも続いて欲しい
そうすれば、この国は、この世界はより良い物になるはずだ」
全員が頷いた。
ローフェンとリュカ
夜、狼人ローフェンが渓谷を見ていた。
リュカが隣に来た。
リュカ:「次の世代が来たね」
ローフェン:「ああ」
リュカ:「ローフェンは次世代に何を渡す?」
ローフェン:「精霊の力。
それだけかな」
リュカ:「だけなんて。
大切なものですよ」
精霊の欠片が光った。
二人が並んで夜の渓谷を見た。
信が手帳に書いた。
ラスカルズが巣立った。 しかしニュー・ラスカルズが来た。 この国は止まらない。 世代が変わるたびに もっと豊かになる。 それが国というものだ。
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建国プロジェクト:状況報告
第6部・発展編 第9話終了時点
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現ラスカルズの独立
コダ:精霊研究部門の部門長
ルドルフ:魔導大学の炎魔法教授
タルパ:地下都市計画本格始動
アルラッテ:国際経済会議の議長
ソラ:世界探求大学の地図学部
ウィン:音楽院の設立
ニャラとロア:世界公演へ出発
ニュー・ラスカルズの集結
ハドヤー・トゥエリス・モマ
イツムナ・メカラ・マスデ
ヴィルタ・モル・フラム・ランカ
カルタ・リーラ
「ニュー・ラスカルズ」と名乗ることを決めた
引継ぎの言葉
現ラスカルズが一人ずつに言葉を贈った
次のマイルストーン
→第10話:ローフェンとロガの日常
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第6部 第9話 終了
次話:「ローフェンとロガの日常」




