第6部 第8話「精霊図鑑・第一版完成」
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建国プロジェクト:状況報告
第6部・発展編 第8話開始時点
現在地:クロノスリュカ・図書館
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状況 :精霊図鑑の編纂が進んでいる
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梟人ミネルヴェと鹿人コダを中心に、精霊図鑑の編纂が続いていた。
既に記録できた精霊は数十種だった。
しかし古文書を調べるほど、新しいリストが増えていった。
ミネルヴェ:「古文書に記載があるのにまだ一度も
目撃されていない精霊がある。
これを洗い出した」
リストが広げられた。
星の精霊アストル。
境界の精霊テルミ。
狩りの精霊:名称不明。
色彩の精霊アイリス。
生命の精霊:名称不明。
他にも多数。
コダ:「これは全部を見つけるまでに何年かかるんですね」
ミネルヴェ:「見つけられないかもしれない。
だから面白いさね」
デメテルの正体判明
ラギラブの前に現れた謎の精霊。
ミネルヴェが古文書と照合した。
ミネルヴェ:「見つけたよ。
デメテル。
大地の恵みと食の循環を司る精霊。
かつての文明では農耕の守護として崇められていた存在さ」
コダとミネルヴェが農村へ向かった。
夕暮れを待った。
光の粒が集まってきた。
精霊が現れた。
デメテルだった。
コダが精霊と対話した。
言葉ではなく、感覚として伝わってきた。
奪いすぎるな。
循環させろ。
感謝とともに食べよ。
兎人ラギラブが静かに頷いた。
ラギラブ:「ずっとそう思って土を耕してきたよ」
デメテルがラギラブに触れた。
農村全体が一瞬輝いた。
ミネルヴェが精霊図鑑にデメテルを記録した。
精霊を呼び起こす活動
ミネルヴェが全員に言った。
ミネルヴェ:「精霊は認識されることで存在が強まる。
逆に言えば精霊に関連した活動を盛んにすれば精霊が現れやすくなる」
信:「具体的には?」
ミネルヴェ:「各精霊に関連した学問、文化、活動をこの国で発展させる。
それが精霊が顕現するまで待つのさ」
各精霊に向けた活動が始まった。
星の精霊アストル
天体の学問が始まった。
ミネルヴェが天体観測所を提案した。
ミネルヴェ:「星は竜門学府が関心を持つべき分野でもある」
竜人カイ・ラガン:「星か。
竜の国からは星の配置が違って見える。
世界は次元でも広がるが、別の星への関心か。
この世界の星を改めて記録するのは悪くないかもな」
天体観測所が建設された。
同時に隕石の研究も始まった。
猪人フォーヌが隕石の鉱石に興味を持った。
フォーヌ:「これは普通の鉱石とは全く違う様だ。
ルーン文字との相性が未知数だ」
観測を続けていたある夜だった。
夜空に光の粒が降りてきた。
コダ:「来た」
星の精霊アストルが観測所の望遠鏡の前に現れた。
光の糸のような形をしていた。
夜空の星と繋がっているような存在感だった。
ミネルヴェが静かに記録した。
色彩の精霊アイリスを呼ぶ
絵画の学問が始まった。
美術館の設立が提案された。
百舌鳥人シュオルトのモズニースタジオが関わった。
同時に染料の研究が始まった。
ゴルダのファッション分野と連携した。
ゴルダ:「もっと多様な色が欲しい。
自然から取れる染料には限界があるわ」
研究が進んだ。
新しい色彩の染料が開発された。
美術館に絵が並び始めた日だった。
シュオルト:「あの……なんか、いるみたい」
ハヤオとは別の精霊が絵の上を漂っていた。
虹のような色を纏っていた。
コダ:「色彩の精霊アイリスだ」
絵を描くほど、染料を使うほど、アイリスが大きくなっていった。
ハヤオとアイリスが並んで絵の上を漂った。
シュオルトが静かに見ていた。
シュオルト:「絵を描いていてよかった」
境界の精霊テルミを呼ぶ
竜門学府が次元境界の観測を本格的に始めた。
コダとカイ・ラガンが連携した。
カイ・ラガン:「境界の精霊を呼ぶには次元の境界を研究し続けることが一番の近道だ」
ある研究の日だった。
次元の計測器が異常な反応を示した。
カイ・ラガン:「来たようだ」
薄い膜のような精霊が現れた。
次元の境界そのものが意識を持ったような存在だった。
テルミはすぐに消えた。
しかし確かにそこにいた。
コダ:「また来てくれますか」
テルミが境界の向こうで揺れた。
来る、と言っているようだった。
狩りの精霊を呼ぶ・スポーツハンティングの誕生
「狩り」に関わる活動が必要だった。
しかし魔獣が減っている現状があった。
狸人ラックが提案した。
ラック:「スポーツハンティングはどうか。
競技としての狩りを作る」
「ハンティング」という新競技が誕生した。
競技のルール:
一定の空間内で
チーム対チームで行う
狩る側と狩られる側を互いに交代制にしてタイムやスコアを競う
実際の動物は使わないールは常にアップデートされて最適化されていく
初回大会が開催された。
獣人の運動神経と嗅覚、聴覚が活きる競技だった。
ランキングバトルの様な単純な戦闘力だけではなく戦術も重視される。
人間の参加者も多かった。
大盛況だった。
大会の最中、コダが気配を感じた。
コダ:「いる」
試合会場の上空に、鋭い目を持つ精霊が現れた。
狩りの精霊だった。
まだ名前はなかった。
コダが後で記録した。
「スコアへの執着ではなく、純粋な狩猟本能がこの精霊を呼んだのかもしれない」
狼人ロガが一言言った。
ロガ:「これは、中々いい競技だ」
生命の精霊をどうするか
生命の精霊だけが、どう活動すれば現れるのかわからなかった。
コダ:「先生、生命の精霊を呼ぶにはどうすればいいか分からないんですか」
ミネルヴェ:「わからないならできることをやっていくしかない。
生命に関わることを全力で」
信が整理した。
信:「とにかく国を豊かにする。
国民を増やす。
命が喜ぶ場所を作り続ける。
それが生命の精霊への一番の道だと思うだ」
全員が頷いた。
リュカ:「じゃあ、引き続きワクワクする楽しい国を作ればいいんだね」
信:「そういうことだね」
生命の精霊だけは、目標として残された。
精霊図鑑・第一版完成
ミネルヴェが全員を集めた。
ミネルヴェ:「新しい精霊が生まれ続ける限り完成は永遠に来ない。
しかしそれでいい。
まず第一版として出版する。
以降の更新は精霊研究部門が受け持つ」
コダ:「大学の精霊研究部門が毎年改訂版を出していくという形ですね」
ミネルヴェ:「そうだ。
これは終わりではなく始まりさね」
精霊図鑑・第一版が完成した。
表紙に言葉が書かれていた。
「この図鑑は完成しない。
世界が豊かになるほど精霊は増え続けるから。
それがこの世界の本当の豊かさだ。
編者:梟王ミネルヴェ・鹿人コダ」
世界中への配布が決まった。
各国の反応
懐中時計が次々と光った。
ガルディウス:「精霊がこんなに身近にいたとは。
兵士たちが精霊を探し始めた。
悪くない変化だな」
アグラリエル:「我々の記録より詳細だ。
認めたくはないがこれはすごいな」
オラーリグ:「道具の精霊が本当にいたんだな。
ガッハッハッ。
鍛冶場を見直してみるか」
ベルト:「海の精霊がこんなに多いとは。
ルトラに感謝だ」
各地で精霊を探す文化が生まれた。
ミネルヴェの本音・夜の図書館
完成した夜だった。
ミネルヴェが一人で図書館にいた。
信が声をかけた。
信:「今日、どんな気持ちですか」
ミネルヴェ:「精霊と初めて通じてから、その全体の片鱗が見えた。
ここまで、本当に長かった。
しかし知れば知るほど知らないことの多さを痛感する。
それが悔しく、そしてたまらなく嬉しいものとはね」
信:「それは研究者として最高の状態じゃないですか」
ミネルヴェ:「ああ、私はこの道を進むさね。
で、お前はどうするんだい?」
信:「俺もこれまで通りですよ」
ミネルヴェ:「先の話だよ」
信:「先のことは、先になったら考えますよ」
ミネルヴェ:「まぁ、今はそれでいいさね」
ミネルヴェが図鑑の最初のページを見た。
第1部で出会った精霊たちが記録されていた。
農具の精霊。
炭の精霊。
光の精霊。
全部、あの渓谷で出会った精霊だった。
ミネルヴェ:「渓谷で首輪をつけた獣人が逃げていた頃から
よくここまで来た」
信:「ミネルヴェさんがいたから来られました」
ミネルヴェ:「お前が、だよ」
二人が並んで図鑑を見た。
精霊たちの絵がページを埋めていた。
全部、この国で出会った精霊だった。
信が手帳に書いた。
精霊図鑑・第一版が完成した。 しかし完成しない図鑑だと言う。 この国もそうだ。 完成することはない。 ただ、豊かになり続ける。 それでいい。
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建国プロジェクト:状況報告
第6部・発展編 第8話終了時点
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精霊図鑑・第一版完成
以降は精霊研究部門が毎年改訂版を出す
「完成しない図鑑」という概念が確立
判明・記録された精霊
デメテル(食の精霊):農村に現れた
アストル(星の精霊):天体観測所に現れた
アイリス(色彩の精霊):美術館に現れた
テルミ(境界の精霊):竜門学府に現れた
狩りの精霊(名前不明):ハンティング競技で現れた
新しい活動・学問の発展
天体学・隕石研究(フォーヌが注目)
絵画学・染料研究(ゴルダと連携)
境界研究(竜門学府)
スポーツハンティングという新競技
生命の精霊
呼び方が不明なため保留
「国を豊かにし続ける」という方針
各国への配布完了
精霊を探す文化が世界に広まり始めた
次のマイルストーン
→第9話:ラスカルズの独立と各自の進路
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第6部 第8話 終了
次話:「ラスカルズ、それぞれの道」




