第6部 第5話「二大映像スタジオの誕生」
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建国プロジェクト:状況報告
第6部・発展編 第5話開始時点
現在地:クロノスリュカ・アッチ工場
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状況 :新技術「カメラ・ビデオ」誕生
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浣熊人アッチが工場に籠もっていた。
浮石とルーン文字の研究を続けていた。
クロノスの欠片ヘロンが工房を飛び回っていた。
数ヶ月の試行錯誤の末、二つの装置が完成した。
光景を静止した形で残す「カメラ」。
光景を動きのまま残す「ビデオ」。
アッチ:「ついにできた」
最初に撮影されたのは何気ない日常の一コマだった。
ラギラブ農村の収穫風景。
子どもの誕生日。
祭りの一幕。
見た者が驚いた。
「時間が、残っている」
「これは便利だ」
しかし物珍しさはあっても、それ以上の発想はまだなかった。
人々はただ日常を記録するだけだった。
ラックの提案
狸人ラックが信とリュカの元へ来た。
ラック:「もっと作品を作ってほしい。
ただ撮るだけじゃなくて物語を作る人が出てくるかもしれない。
コンテストを開きたい」
信:「『映画』を作ろうとしてるんだね」
リュカ:「映画?」
信:「俺のいた世界では、映像作品を大きな劇場でみんなで見る娯楽があるんだ」
ラック:「いいですね、映画。国で広げて行きたいですね」
こうして「第一回映像コンテスト」が告知された。
国中から映像が集まり始めた。
スティーパンの登場
獏人の青年がいた。
名前をスティーパンといった。
戦闘も苦手だった。
芸も特になかった。
周りからは「スピルバク」と呼ばれていた。
ある地方の言葉で「何もできないバク」という意味だった。
本人はその呼び名を少し気にしていた。
ある日、新しく発明されたビデオを趣味で借りて撮り始めた。
特に目的もなかった。
ただ、日常の風景を撮っていた。
だんだん映像を撮ることが楽しくなり、熱中するようになった。
そんな彼の元に精霊が現れた。
撮った映像に不思議な演出が自然と加わるようになった。
光の加減。
間の取り方。
場面転換。
誰も教えていなかった。
しかし映像が「物語」になっていった。
スティーパン:「名前がほしいな。
そうだ、アキラ、と呼ぼう。
“光り輝く風景“という意味の」
アキラの力を借りながら、夢中で映像を撮り続けた。
誰に見せるでもなかった。
ただ夢中だった。
シュオルトの登場
百舌鳥人の青年がいた。
名前をシュオルトといった。
周りから「変わっている」と言われていた。
「モズニー」と呼ばれていた。
ある地方の言葉で「変わり者のモズ」という意味だった。
絵を描くのが好きだった。
しかし、いつも思っていた。
この絵を、動かしたい。
誰にも理解されない夢だった。
一人で絵を描き続けていた。
ある日、彼の元に精霊が現れた。
絵の真似をし始める精霊だった。
シュオルトが描いた絵が、精霊によってわずかに動くようになった。
シュオルト:「お前はハヤオ。“動く物“って意味だ」
ハヤオに絵を動かしてもらい、それをビデオに収めた。
精霊を使ったアニメーションの手法をシュオルトが発明した。
誰も見たことのない映像表現だった。
コンテスト当日
ラック国立演芸場で開催された。
国中から映像作品が集まった。
日常の記録映像が多かった。
しかしその中に二つの異質な作品があった。
スティーパンの作品が流れた。
ただの記録ではなかった。
物語があった。
観客が引き込まれていった。
光と影、間の使い方が見事だった。
会場が静まり、それから息を呑んだ。
シュオルトの作品が流れた。
絵が動いていた。
誰も見たことのない表現だった。
会場がざわついた。
「これは、どうやって」
審査結果
ラック:「予想を越える多くの参加本当にありがとうございました!
それでは対象の発表です。
大賞は、スティーパン作品。
君は物語を作る才能がある!」
スティーパンが信じられない顔をした。
スティーパン:「俺が?
スピルバクと呼ばれたた俺に才能が?」
会場に拍手が起こり、嵐の様な大喝采になる。
誰かが叫ぶ。
「お前の作品、すごかったぞ」
スティーパンが言葉を失った。
ラック:「そして今回は特別賞を儲けました。
それは、シュオルト作品。
今までにない全く新しい表現でした!」
シュオルトも驚いた。
シュオルト:「俺の絵が認められた」
二人への支援
ラックがスティーパンに声をかけた。
ラック:「職業として、映画監督としてやっていく気はありますか?
我々としてもバックアップの用意があります」
スティーパン:「やります。やらしてください!」
信もシュオルトに声をかけた。
信:「あなたの表現、誰も見たことがない。
国として是非とも支援したい」
シュオルト:「あ、ありがとうございます」
スタジオの設立
スティーパンが同じ趣味の仲間たちを集めた。
動画好きの獣人たちが集まった。
「スピルバク・スタジオ」が設立された。
シュオルトも絵を描く仲間たちを集めた。
画家、彫刻家、楽器奏者が集まった。
「モズニー・スタジオ」が設立された。
二人の友情
コンテストの夜だった。
スティーパンとシュオルトが演芸場の外で出会った。
スティーパン:「お前の作品、すごかった。
絵が動くなんて」
シュオルト:「お前のもすごかった。
物語の作り方が俺にはできない」
二人が意気投合した。
呼び名のことを話した。
スティーパン:「俺、ずっと『スピルバク』って呼ばれてきた。
俺の地方で何もできないって意味だ」
シュオルト:「俺もそうだったんだ。『モズニー』、変わり者って意味」
スティーパン:「でも今日、その呼び名が誇りに変わった気がする」
シュオルト:「ああ、俺もだ」
二人が誓い合った。
スティーパン:「この映画を国の産業にしよう」
シュオルト:「俺たちでな」
固い握手を交わした。
信とリュカの感想
上映後、信とリュカが話した。
リュカ:「不思議な才能が二人もいたね」
信:「スピルバクもモズニーも
誰にも気づかれなかった才能だ。
でも、ちゃんと見つかった」
リュカ:「新しい才能って嬉しいね」
信:「ああ。
誰にでも居場所があるものさ」
アキラとハヤオ
鹿人コダと梟人ミネルヴェが二つの精霊を調査した。
コダ:「アキラもハヤオも
名前を得たばかりの精霊です。
動画の精霊と絵動画の精霊。
今までにない種類ですね」
ミネルヴェ:「創造の力が新しい技術と結びついて新しい精霊を生んだのだろう。
ヘロンと同じ系統さね」
スティーパンとシュオルトが、それぞれの精霊と並んでいた。
どちらも誇らしげだった。
信が手帳に書いた。
呼び名に意味なんてない。 何もできないと呼ばれた青年が 誰も見たことのない物語を作った。 変わり者と呼ばれた青年が 誰も見たことのない絵を動かした。 この国には、まだ見つかっていない才能が きっとたくさんある。
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建国プロジェクト:状況報告
第6部・発展編 第5話終了時点
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カメラとビデオの発明
アッチが開発
最初は日常の記録のみ
第一回映像コンテスト
ラック主催
大賞:スティーパン(スピルバク)
特別賞:シュオルト(モズニー)
新キャラクター
獏人スティーパン(動画監督)
百舌鳥人シュオルト(絵動画監督)
新たな精霊
動画の精霊アキラ(スティーパン)
絵動画の精霊ハヤオ(シュオルト)
二大スタジオの設立
スピルバク・スタジオ
モズニー・スタジオ
二人の誓い
「この映画を国の産業にしよう」
次のマイルストーン
→第6話:ラギラブ農牧料理大学の開校
→食文化のさらなる発展
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第6部 第5話 終了
次話:「ラギラブ農牧料理大学」




