第5部 第14話「大決戦」
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建国プロジェクト:状況報告
第5部・世界編 第14話開始時点
現在地:クロノスリュカ・建国地
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状況 :決戦前夜
全員が待機中
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真夜中だった。
空気が変わった。
鴉人シルトが懐中時計を握った。
シルト:「来た! 両方同時だ!」
信が全員を起こした。
月が雲に隠れ、星が消える。完全な闇だった。
ケイオスが現れたのだ。
それは形がなく、まさに混沌そのものだった。
さらにタルタロスも現れた。
こちらも形がなく、虚無そのものだった。
二大神代精霊に続き、レーテーの気配も混じっていた。
記憶を消す力が夜の空気に溶け込んでいた。
信:「さあ、行こうか皆。
準備通りに動くんだ。
全員が自分の戦場で役割を果たすんだ」
二軍に分かれる
【ケイオス戦線】
犬人女王リュカ(リーダー)
梟人ミネルヴェ・竜人カイ・ラガン
カワウソ人ルトラ・鹿人コダ
鷲人アエトス・馬人ルドルフ
エルフ部隊
ガルディウス・エルネスト
ドワーフ三親方
【タルタロス戦線】
狼人ローフェン(リーダー)
狼人ロガ・隼人イェラキ・猫人カティ
ラスカルズ全員
シーベルト船団
【全体指揮】
信(天馬・懐中時計で両戦線を把握)
鴉人シルト(情報統括)
狐人ドミナス(各国調整)
蝙蝠人アラファ(偵察・連絡)
レーテーの介入
ケイオス戦線でレーテーが動いた。
戦いながら記憶が消えていった。
誰と戦っているか忘れそうになった。
なぜここにいるか忘れそうになった。
梟人ミネルヴェが気づいた。
ミネルヴェ:「レーテーがいる。
記憶を守れ。
大事なことを声に出し続けろ」
全員が声に出した。名前を呼び合った。思い出を叫んだ。
それが記憶の盾になった。
ミネルヴェが記憶の精霊ムネモシュネに繋がった。
ムネモシュネが記憶を守る光を放った。
レーテーが押し返された。
ケイオス戦線
ミネルヴェ
72年分の知恵と経験を黒魔術に乗せ全解放した。
ケイオスの混沌の流れを読んだ。
ミネルヴェ:「混沌にも、癖がある
読み切って見せるさね」
カイ・ラガン
竜の本来の姿で戦った。
次元の力でケイオスの侵食を押し返した。
カイ・ラガン:「この場所は、我が守る」
ルトラ
ウンディーネの加護を最大解放した。
ケイオスの混沌を水で包んだ。
ルトラ:「水は流れ、動くことが命につながる」
コダ
ノームの加護と錬成魔法を組み合わせた。
ケイオスが生む歪みを大地で固めた。
コダ:「大地は育み、命を進める」
アエトス
シルフィードの加護で嵐を作った。
ケイオスの動きを風で読んだ。
アエトス:「風は吹き渡る、繋ぎ強める力」
ルドルフ
サラマンダーの加護を全開にした。
エルネストの魔術と組み合わせた。
史上最大の青い炎が放たれた。
ルドルフ:「火は始まりの力。上昇する光」
エルフ部隊
アグラリエルが精霊の力を束ねた。
サエルミアが弱点の記録を活かした。
千年分の知識が戦力になった。
ガルディウス
カルシアの騎士団を率いてケイオスの随伴魔獣を全て抑えた。
ガルディウス:「獣人だけに戦わせない。
それが俺の答えだったのか」
タルタロス戦線
イェラキ
真獣化で上空からヴォイドを薙ぎ払った。
イェラキ:「速さは力だ」
カティ
音なき速さでヴォイドの核を突き続けた。
カティ:「見えない敵でも私には分かるんだよ」
ラスカルズ
アルラッテが戦況を分析した。
タルパが地下から奇襲した。
ソラが戦場の地形を把握した。
ニャルが暗部として動いた。
ニャラが身の軽さで攪乱した。
ダレトが前線に炊き出しを持ち込んだ。
ショコラがチョコレートを配り続けた。
シーベルト船団
ベルト・鯨海人フェル・人魚海人マリアナ・タコ海人オクトロウが水中のヴォイドを次々と仕留めた。
ウィン
歌声で精霊を呼び続けた。
小さな体から溢れる圧倒的な力だった。
ラスカルズ全員が守る中で歌い続けた。
ローフェンの奮闘
タルタロスが直接動く。
大地の杖レーヴァテインを振るうローフェンとタルタロスの一騎打ちになった。
タルタロス:「ガイアの依代。
お前の存在はあってはならない」
ローフェン:「退くことは無い」
ローフェンが一歩も退かなかった。
精霊の欠片が全て光った。
レーヴァテインがタルタロスを押した。
しかしタルタロスが力を増した。
ローフェンが限界に近づいた。
体が次元に引き込まれそうになった。
ロガの決断
ローフェンが体制を崩す。
その瞬間を見逃さずタルタロスがとどめを刺そうとした。
致命的な状況。
そこにロガが飛び込んだ。
ローフェンを突き飛ばし、タルタロスの力がロガを貫いた。
ロガが身体に大穴を開け、地面に倒れる。
ローフェン:「オヤジ!」
ロガ:「行け。
終わらせろ」
羊人クラグルが走った。
白魔術を全て注いだ。
猫人パナシアが薬草を全て使った。
エルフの医療学者も来た。
それでも、ロガの身体に開いた虚無は塞がらず、ロガの命が消えかけていた。
タルタロスの力は命そのものを侵食していた。
白魔術も精霊の癒しも届かなかった。
何をしても好転しない、ロガは静かに、だが確かに死に向かっていた。
クラグル:「届かない。
治ることは義務だといつも言っているのに。
ロガさん……」
パナシア:「嫌だ。
まだできることがあるはず」
クラグル:「これ以上は……」
パナシア:「……嫌だ」
生命の精霊の誕生
夜空が変わった。
燕人ウィンの歌声が変わった。
ウィンが歌い続けていた。
しかし歌声が悲しみに変わった。
ロガが倒れたことを知っていた。
その悲しみが歌に溶けた。
喜びだけでなく悲しみも怒りも全ての感情が歌になった。
精霊たちが集まってきた。
いつも集まる精霊ではなかった。
これまで誰も見たことのない精霊だった。
ウィンの歌声の中から生まれていた。
光の粒が集まった。
形になった。
命そのものの形だった。
全員が動きを止めた。
戦場が一瞬静まった。
ローフェン:「何かが、いる」
コダ:「精霊だ。
でも、知らない精霊だ」
カイ・ラガンが息を飲んだ。
カイ・ラガン:「まさか生命の精霊……。
存在して。
ウィンの歌が生み出したのか」
生命の精霊がロガに向かった。
光がロガを包んだ。
温かい光だった。
クラグルが目を見開いた。
クラグル:「命が、戻っている」
ロガが目を開けた。
ロガ:「ローフェン」
ローフェン:「オヤジ!」
ローフェンの目に涙が浮かんだ。
泣かなかった。
しかし目が赤かった。
ロガ:「お前が終わらせるんだ」
ローフェン:「わかった」
ローフェンがタルタロスへ
ロガが生きた。
ローフェンの精霊の欠片が全て燃えた。
怒りではなかった。
愛情だった。
全ての感情が一つになった。
レーヴァテインが最大まで輝いた。
ウィンが歌い続けた。
生命の精霊が力を貸した。
ローフェン:「タルタロス。
なんで、お前が俺を排除しようとしたのか、今わかったよ。
これなんだな。この、感情が無限の力を生み出す。
それは、虚無すら埋め尽くすほどの力を」
レーヴァテインは弓の形となり、虹色に光る矢が引かれていた。
ローフェンはそれを放った。
それはタルタロスではなく、彼の虚無を撃ち抜いた。
タルタロスはその存在を希薄させる。
タルタロス:「どれだけ人が思おうと。
虚無はやがて訪れる。
また会おう」
その言葉を残し、虚無は消えた。
リュカがケイオスを定義する
同時刻、ケイオス戦線。
ローフェンが全力を出した気配をリュカが感じた。
信が言った。
信:「今だ。リュカ」
リュカがアダマスの短刀を構えた。
信が懐中時計を握った。
18本のオリジナル懐中時計が光り始めた。
クロノスの力が全員を繋いだ。
建国英雄18傑の力がリュカに流れ込んだ。
リュカ:「ケイオス。
混沌を定義します。
無秩序の言葉を秩序で満たします」
アダマスの短刀が光った。
混沌の外側が定義された。
ケイオスが内側に閉じ込められた。
ケイオス:「面白い。
しかしこれで終わりだと思わないように。
存在するものは常に混沌が付きまとうものだ」
ケイオスが消えた。
タルタロスも消えた。
二者が同時に撤退した。
懐中時計が砕ける
光が収まった。
18本の懐中時計が砕けた。
役割を終えた。
信が砕けた懐中時計の欠片を手に取った。
信:「ありがとう」
夜明け
全員が静かになった。
夜明けの光が差し込んだ。
東の空が赤くなっていた。
信:「全員、生きてるね」
それだけだった。
全員が崩れ落ちた。
疲れ切っていた。
しかし笑っていた。
ローフェンがロガの隣に座った。
ロガが空を見ていた。
ロガ:「空が明るくなってきた」
ローフェン:「うん」
ロガ:「生きている」
ローフェン:「うん」
二人が並んで夜明けを見ていた。
ウィンが歌をやめていた。
声が出なかった。
使い切っていた。
コダが隣に来た。
何も言わなかった。
ただ隣にいた。
生命の精霊がウィンの周りで静かに光っていた。
信がリュカの隣に来た。
リュカが信を見上げた。
リュカ:「終わったね」
信:「終わっただろうね。
今日のところは」
リュカ:「また来るかな?」
信:「来るだろう。
でも、今日は勝った。
それで十分だよ」
リュカ:「うん」
信が手帳を開いた。
書いた。
全員、生きてる。 ケイオスもタルタロスも滅んではいない。 また来るかもしれない。 しかし今日、全員で勝った。 それで十分だ。 次の準備は、明日から始める。 今日は、眠る。
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建国プロジェクト:状況報告
第5部・世界編 第14話終了時点
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大決戦の結果
ケイオス:撃退
「これで終わりだと思うなよ」
タルタロス:撃退
「覚えておけ。これで終わりではない」
二者とも滅んではいない
今後また対することになる可能性がある
生命の精霊の誕生
ウィンの歌声から生まれた
喜びだけでなく悲しみも含む感情から
カイ・ラガンも初めて見た精霊
ロガの命を救った
ロガの危機と復活
タルタロスの力に貫かれた
白魔術も精霊の癒しも届かなかった
生命の精霊が命を救った
ローフェン:「父さん」
懐中時計の役割終了
18本が砕けた
クロノスの力が全員を繋いだ
全員生存
死者なし
次のマイルストーン
→第15話:獣楽祭
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第5部 第14話 終了
次話:「獣楽祭」




