第5部 第12話「信の答え」
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建国プロジェクト:状況報告
第5部・世界編 第12話開始時点
現在地:クロノスリュカ・建国地
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状況 :タルタロスとの戦いから数日後
国が落ち着きを見せている
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タルタロスとの戦いを経て、犬人女王リュカの時空魔法がさらに成長していた。
次元支配の精度が上がっていた。
ある日の練習の後、リュカが何気なく言った。
リュカ:「最近、感じるんだ。
信の世界との次元を繋げることも近いうちにできそうな気がする」
信が一瞬、手を止めた。
信:「俺の世界」
それだけだった。
しかし、その夜から信は一人で考えるようになった。
自分は元の世界に帰るべきなのか。
答えは出なかった。
しかし、考えてしまった。
リュカの反応
数日後、信が話そうとする前に、リュカが先に言った。
夕暮れの渓谷だった。
リュカ:「シンにはずっとここにいてほしい」
深刻な空気ではなかった。
無邪気だった。
しかし本音だった。
信が何も言えなかった。
リュカがすぐに続けた。
リュカ:「でも、シンが決めたことなら。
私は従うよ」
それだけ言って、リュカは走っていった。
夕焼けの中に小さな影が遠くなっていった。
ミネルヴェとの会話
その夜、信が梟人ミネルヴェの元を訪れた。
信:「最近、考えることがあって」
ミネルヴェ:「帰還のことか」
信:「わかりますか」
ミネルヴェ:「お前の顔を見ればわかるさね」
信:「さすが、先生」
ミネルヴェが本から目を上げた。
ミネルヴェ:「お前が決めることだ。
誰の許可も必要ない。
ただ、決めるならお前自身の気持ちで決めろ」
信:「分かってます」
ミネルヴェがまた本に目を落とした。
会話はそれだけだった。
しかし十分だった。
ロガとの会話
翌日、信が訓練場を歩いている狼人ロガに声をかけた。
信:「少し話せますか?」
ロガ:「ああ」
二人が並んで歩いた。
信:「もしも。もしもですよ。
俺が元の世界に戻るって事になったらどう思います?」
ロガが珍しく長く話した。
ロガ:「ここまでのことは、お前がいなければできなかった。
もう、全て終わってもいいと思っていた俺を前に進ませてくれた。
そして、息子にも合わせてくれた」
感謝をしている」
信:「それは、皆の力です」
ロガ:「お前の力だ。
皆分かっている」
ロガが少し間を置いた。
ロガ:「帰る選択をするならそれも尊重する。
お前の人生だ」
信:「ありがとう」
ロガが頷いて、また歩き出した。
何も特別なことはなかった。
しかし、ロガらしい言葉だった。
クロノスとの対話の準備
その日の夜、信がリュカに頼んだ。
信:「クロノスと二人で話せないかな」
リュカ:「わかった。
聞いてみるね」
リュカが目を閉じた。
少しの間があった。
リュカが目を開けた。
リュカ:「話してもいいって。
今夜、神殿で」
神殿でのクロノスとの対話
夜、信が神殿に一人で入る。
リュカは外で待っていた。
神殿の中はひんやりとして静かだった。
時計塔の鐘の音が遠くに聞こえた。
クロノスの気配が満ちた。
声ではなかった。
しかし思考として届いた。
信:「なんで、俺がここに来たのか、教えてください」
クロノス:「それは、お前が望んだからだ」
信:「俺が、望んだ?」
意味がわからなかった。
クロノス:「お前の中にあった望みに私が少し手をかしただけだ」
信が考えた。
確かに、元の世界の仕事は日々大変だった。
やめたいと思ったこともあった。だが充実感は十分にあった。
家族とも友人ともうまくやっていた。
しかし、一人でいたいと思ったこともあった。
動物に囲まれて過ごしてみたいと思ったこともあった。
しかし、それが「望み」と言えるほどのものだったのか。
よくわからなかった。
信:「俺にも、よくわからないです。
そんな大きな望みを持っていた覚えはない」
クロノス:「お前は、誰かを助けたいと望んだ。
俺は、救えるものを求めた。
それだけだ」
信:「そんな、単純な理由だったんですか」
クロノス:「単純なものほど、強い」
信が笑う
信が笑った。
信:「そうだな。
助けたい。
ここでは、皆を助けられる。
まだまだ、助けられる。
俺は、まだこの世界でやることがある」
礎の確認
信:「ありがとうございます」
クロノス:「礼を言うのはまだ早い。
ケイオス、タルタロス。
どちらかにでも敗北すれば世界は混沌か無に帰すのだから」
信:「勝てばいいんですよね」
クロノス:「勝てるのか」
信:「勝つために準備をするんです。
物事は大体、準備の段階で
決まりますから」
クロノスが何かを返した。
言葉ではなかった。
しかし、信には笑ったように感じられた。
神殿を出る
信が神殿から出てきた。
すっきりとした顔をしていた。
やることが決まったからだった。
リュカが近づいてきた。
リュカ:「どうだった?」
信が何も言わずにリュカの頭を撫でた。
リュカ:「何、どうしたの?」
信:「いや、
やる事が一杯だなって思ってさ」
リュカがそれを聞いて安心したように笑った。
何も聞かなかった。
それで十分だとわかったようだった。
翌日
ロガが信に声をかけた。
ロガ:「決めたんだな」
信:「はい、決めました」
ロガ:「準備だな」
信:「そう、準備です」
ミネルヴェが手帳を開いた。
ミネルヴェ:「次の準備はケイオスとタルタロス、
どちらに重点を置くかだ」
信:「両方です。
どちらから来るかわかりませんし、両方一緒かもしれませんし」
烏人シルトが真面目な顔で言う。
シルト:「やめましょうよ。
そういうこと言うとフラグがたちますって」
ミネルヴェが少し目を細めた。
ミネルヴェ:「まあ、備えは常に最悪を想定だったな、信」
信:「ええ、考えられる限りの備え。
これが感じんです」
信が手帳を開いた。
書いた。
俺の望みは、単純だった。 助けたい。 それだけだ。 ここには、助けたい人たちがいる。 まだやることがある。 準備を始めよう。
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建国プロジェクト:状況報告
第5部・世界編 第12話終了時点
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信の決断
「ここにいたい」という
自分自身の望みに気づいた
帰還問題への「形式的な答え」は出さない
しかし全員に伝わった
クロノスとの対話
「お前は誰かを助けたいと望んだ」
「俺は救えるものを求めた」
単純な理由が明かされた
リュカの反応
「帰ってほしくない」と素直に伝えた
でも「決めるのはしん」と尊重した
ロガ・ミネルヴェの言葉
感謝と尊重
決断を押し付けない関係性
今後への布石
ケイオス・タルタロスへの
「両方」への準備が始まる
信のPMとしての本領
「準備が全てを決める」
次のマイルストーン
→ケイオス・タルタロス戦への最終決戦準備
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第5部 第12話 終了
次話:「最終準備」




