第5部 第10話「タルタロスの影」
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建国プロジェクト:状況報告
第5部・世界編 第10話開始時点
現在地:クロノスリュカ・建国地
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状況 :四魔獣との戦いから数日後
全員が回復中
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深夜だった。
狼人ローフェンは眠っている。
しかし見ているのは夢ではなく、記憶だった。
誰かの記憶が流れ込んでいた。
広大な場所だった。
果てしなく大地が広がり、遥かに空が遠かった。
そこにガイア、大地の上位精霊がいた。
かつてローフェンの体を借りた存在だった。
ローフェンは再び、ガイアの目を通してあたりを見ている。
対峙している存在があった。
見ることができないが、確かにそこにいる存在。
圧倒的な圧力。
それは、虚無、タルタロスだった。
ガイアが武器を構える。
杖のように見えた。しかし剣でもあった。弓矢でもあった。
形が状況によって変わった。
生命力に溢れた光が宿っていた。
大地の力が凝縮されたような存在感だった。
タルタロスが後退した。
その武器を恐れていた。
ガイアが踏み込んだ。
武器が光りを発した。
その瞬間、記憶が途切れた。
ローフェンが目を覚ました。
まだ、夜明け前だった。
体を起こした。
自分の中で精霊の欠片が騒いでいる。
周りの空気が違う感覚がする。
次元の向こうから何かが広がっていた。
砂漠の水上都市の方向から。
霧の島国の方向から。
空中の岩盤集落の方向から。
世界中から。
ローフェン:「世界中に、広がっている」
ミネルヴェへの相談
朝、ローフェンが信と狼人ロガを連れて梟人ミネルヴェの元へ向かった。
夢の内容を全て話した。
ミネルヴェが目を細めた。
ミネルヴェ:「私がムネモシュネと繋がったことが原因かもしれない。
記憶の精霊からの情報を受け取りやすくなっている。
その夢はおそらくガイアの本物の記憶だろう」
信:「持っていた武器の名前はわかるかな?」
ミネルヴェ:「ローフェン、夢の記憶を辿れ。
お前は知っているはずだ」
ローフェンが目を閉じた。
夢の記憶を辿った。
ガイアが武器を構えた瞬間。
その前に何かが聞こえた気がした。
ローフェン:「レーヴァテイン。世界樹で作られた武器」
ミネルヴェ:「レーヴァテインか。
分かった、記憶検索をかける。
少し待て」
ミネルヴェの記憶検索
ミネルヴェがムネモシュネの力を借りた。
文献から情報を集めた。
イオフィーエルから譲り受けた蔵書も参照した。
数時間後に答えが出た。
ミネルヴェが全員を集めた。
ミネルヴェ:「レーヴァテインは『大地の杖』と記されている。
杖でもあり剣でもあり弓矢でもある武器。
ガイアが作り出した。
タルタロスへの対抗手段として」
カイ・ラガン:「ガイアの武器か。
詳細までは知らなかった」
ミネルヴェ:「一度の戦いで三つに割れた。
今では『大地の鍵』と呼ばれ世界各地にある様だ。
秘境と呼ばれる場所のランドマーク的な場所の根元に封印された状態だ。
三つが揃ってレーヴァテインとして機能する」
場所の特定
学校では生徒たちが集まっている。
その中心で鹿人ソラが世界地図を広げた。
ミネルヴェの情報と照合した。
三箇所が特定された。
第一の鍵:大樹の根元
世界最古の木がある場所。
霧の島国の中心にある大樹だった。
コダ:「霧の島国。
ローフェンが繋がった場所だね」
第二の鍵:大地の裂け目の底
大陸の最深部の谷。
砂漠の水上都市の地下深くにあった。
タルパ:「地下ならモグに任せるモグ」
第三の鍵:空に最も近い場所
空中の岩盤集落の最上部だった。
ソラ:「全部、これまで接触した場所と繋がっています」
信:「偶然じゃなかったんだ。
ムネモシュネが繋がりを示していたのかもしれない」
誰が行くか問題が発生
信が全員を見渡した。
四魔獣との戦いで主要メンバーが疲弊していた。
信:「今回は若いメンバーに任せたいと思います」
ミネルヴェ:「キッズチームに任せるか」
全員が反発した。
コダ:「キッズじゃないです」
ルドルフ:「キッズってなんスか」
タルパ:「失礼モグ」
鼠人アルラッテ:「年齢で判断しないで欲しいです」
ミネルヴェ:「では、なんと呼ぶさね?」
誰も答えられなかった。
しばらくして、コダが全員を集めて話し合った。
少しして戻ってきた。
コダ:「ラスカルズはどうだ」
ルドルフ:「ラスカルズ。
いい響きッス」
タルパ:「気に入ったモグ」
アルラッテ:「悪くないです」
ラスカルズが誕生した。
ミネルヴェ:「ラスカルズか。
少し前に教えた悪ガキと言う意味だろう」
コダ:「ヤンチャと言う意味もありましたよね」
ミネルヴェ:「結局子供じゃないか。
まあ、お前たち自身がいいならいいさね」
ラスカルズのメンバー確定
【コアメンバー】
鹿人コダ(精霊学・錬成魔法・リーダー格/ノームの加護・地)
馬人ルドルフ(サラマンダーの加護・火)
土竜人タルパ(地下探索・地形把握)
鼠人アルラッテ(情報分析・商才)
鹿人ソラ(地図・地理学)
猫人ニャル(暗部・隠密)
燕人ウィン(風・精霊親和)
狼人ローフェン(精霊感知・ガイアの力)
鷲人アエトス(シルフィードの加護・風)
【追加メンバー】
兎人ダレト(陸の料理・補給担当)
熊人ショコラ(菓子・チョコレート補給)
猫人ニャラ(身の軽さ・ニャルの妹)
ショコラが参加を志願した。
ショコラ:「戦闘力が上がるものを作ります。
連れていってください」
ミネルヴェ:「いいだろう。行っておいで」
猫人パナシアも参加を志願した。
パナシア:「薬草も採ってきます」
信:「また一人でいなくなるなよ」
パナシア:「……努力します」
信:「努力じゃなくて約束してくれ」
パナシア:「約束します」
信が少し心配な顔をした。
クラグルが「私が見ています」と言った。
信が少し安心した。
三チームに分かれる
【第一チーム・霧の島国へ】
コダ、ローフェン、ウィン、ニャル
→精霊との対話と隠密が必要
【第二チーム・砂漠の水上都市へ】
タルパ、アルラッテ、ダレト、ショコラ
→地下探索と補給が必要
【第三チーム・空中の岩盤集落へ】
アエトス、ルドルフ、ソラ、ニャラ、パナシア
→空中戦闘と地図能力が必要
三機に分かれて出発した。
第一チーム:霧の島国・大樹の根元
霧の島に着いた。
前回と違い、住民が迎えに来た。
ローフェンの言葉を覚えていた。
住民が言うには、外は昔より安全になっているという。
島の中心に大樹があった。
世界最古と言われる木だった。
根元が広大だった。
大樹に住み着いた魔獣たちをチームで撃破しつつ進行。
コダがある場所で止まる。
そのまま地面に手をついた。
封印の文様が根元に刻まれていた。
複雑に入り組んだ立体的なパズルの様な仕掛け。
コダは錬成魔法を活用しつつ解いていく。
再び魔獣たちが襲ってくるが、ローフェンを中心に倒していく。
数時間後、ローフェンの精霊の欠片が反応した。
光る石が根元から現れた。
それは大地の鍵・第一片だった。
ローフェンが手に取ると鼓動を感じ、温かかった。
ローフェン:「ガイアの力が宿っている」
コダ:「本物だな」
第二チーム:砂漠の水上都市・大地の裂け目の底
砂漠の水上都市に着いた。
ルトラの加護で精霊が回復していた。
住民が喜んで迎えてくれた。
都市の地下に裂け目があった。
タルパが先行した。
タルパ:「地下はモグの庭モグ」
タルパはアルラッテが開発したドリルアームを使いどんどん掘り進んで行く。
アルラッテが地形を分析しながら続いた。
裂け目の底に封印があった。
数列の暗号だった。
アルラッテ:「これは暗号ですね。
数列になっているみたい。
少し待ってて」
アルラッテが即座に解き始める。
ショコラの持ってきたスイーツで脳の活性化と脳疲労の回復でサポート。
魔獣が散見して襲ってきたが、ダレトとモグでこれを撃退。
数時間が経過した頃、光と共に大地の鍵・第二片が現れた。
ショコラ:「アル、やったね!」
タルパ:「アルラッテすごいモグ」
アルラッテ:「数字は得意でチュウから!」
ダレトが地下で炊き出しをしていた。
疲れ果てたメンバーはゆっくりと味わうと、帰路への活力を回復させた。
第三チーム:空中の岩盤集落・最上部
空中の岩盤集落に着いた。
エウクレイアと繋がって以来、友好的だった。
住民が案内してくれた。
最上部は強風が吹き続けていた。
通常、人が立てない場所だった。
アエトスが風の力を使い足場を作りながら登った。
ニャラが身の軽さで先行した。
ソラが地図を確認しながら封印の場所を特定した。
空の魔獣が襲って来たが、その度ルドルフが炎の力で撃退をする。
なんとか辿り着いた最上部に封印があった。
ソラが解き始める。
難航するが、アエトスの協力もあり、なんとか解除。大地の鍵・第三片が現れた。
ソラ:「ふー。アエトスありがとう。僕だけじゃダメだったよ」
アエトス:「俺は手伝っただけだ。これを解いたのはお前の力だ。胸をはれ」
ソラ:「ありがとう」
ルドルフ:「よーし、帰りましょッス」
ニャラがその身軽さを活かし、辺りを探索したら、不思議な光を発する植物を見つける。
その場所を教えてもらったパナシアは、最上部で見たこともない薬草を発見する。
それを大事に採集する。
ルドルフ:「パナシアさん、帰りますよ」
パナシア:「ちょっと待って、あと少し」
ルドルフ:「急いでくださいッス」
パナシア:「もう、急かさないで」
帰還と合流
三チームがクロノスリュカに戻った。
三つの鍵が揃った。
光る石が三つ並んだ。
互いに引き寄せ合っていた。
合わせようとすると強い力が発生した。
コダ:「これがレーヴァテインの鍵」
ローフェン:「それで、どこに行けばいいんですか?」
ミネルヴェ:「場所は文献に記されている」
信:「早速行きましょう」
ミネルヴェ:「実は、皆が鍵を集めていた時にアラファに調査をしてもらっていた」
信:「何かあったんですか?」
ミネルヴェ:「状況から考えるに、その場所にはタルタロスが潜んでいると可能性がある」
静寂があった。
ローフェン:「でも、行くしかない」
ロガ:「俺も行く」
ローフェン:「わかった」
信:「次は全員で行く。
タルタロスとの決戦だね」
ラスカルズも頷いた。
夜、ローフェンが三つの鍵を見つめていた。
ロガが隣に来た。
ローフェン:「オヤジ」
ロガ:「なんだ」
ローフェン:「怖いんだ」
ロガ:「俺も常に怖い」
ローフェン:「オヤジも?」
ロガ:「当然だ。怖さを無くしたものは危ない」
ローフェン:「そうなの?」
ロガ:「自分の中の怖さと向き合える者が、より強くなれる」
ローフェン:「ありがとう」
二人が同じ方向を向いていた。
三つの鍵が静かに光り続けていた。
信が手帳に書いた。
霧の島国。砂漠の水上都市。空中の岩盤集落。 全部、繋がりを作ってきた場所だった。 偶然じゃない。 全部、ここに繋がるための布石だった。 次はタルタロスと向き合う。 ローフェンが中心になる。 信じて任せる。 それが俺の仕事だ。
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建国プロジェクト:状況報告
第5部・世界編 第10話終了時点
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新たな判明事項
レーヴァテイン(大地の杖)の存在
三つの大地の鍵が世界各地に隠されていた
タルタロスがレーヴァテインの場所に潜んでいる
ラスカルズの誕生
コダ・ルドルフ・タルパ・アルラッテ
ソラ・ニャル・ウィン・ローフェン
ダレト・ショコラ・ニャラ・パナシア
「キッズチーム」への反発から自分たちで命名
三つの鍵を入手
霧の島国:ローフェンとコダが取得
砂漠の水上都市:タルパとアルラッテが取得
空中の岩盤集落:ルドルフとソラが取得
これまでの接触が全て伏線だった
ローフェンとロガ
「怖くはない」「俺もだ」
同じ方向を向いた
次のマイルストーン
→第11話:レーヴァテインの場所へ
→タルタロスとの直接対決
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第5部 第10話 終了
次話:「レーヴァテインの場所へ」




