第5部 第3話「エルフの国オファニーエル」
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建国プロジェクト:状況報告
第5部・世界編 第3話開始時点
現在地:クロノスリュカ・出発準備中
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目的地:エルフの国「オファニーエル」
機体:鳳凰
状況:エルフ国から会合の許可が届いた
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以前、クロノスリュカにはエルフから会合の要請があった。
大分待たせてしまったが、そろそろ話し合いを持ってもいいのではとなった。
信がカイ・ラガンにこの件を確認する。
信:「かなり待たせてしまいましたが大丈夫でしょうか
勝手なイメージですが、エルフはプライドが高いイメージが」
カイ・ラガン:「エルフの時間感覚は他の生物よりずっとゆったりしている。
数年待たせてもさほど問題ではないだろう。
むしろ我々が誠意を持って連絡を入れたことが重要だ」
梟人ミネルヴェがエルフ語を翻訳した。
苦労したが、なんとか形にした。
メールバードにエルフ語の書簡を持たせて飛ばした。
数日後、返答が来た。
ミネルヴェ:「会合を受け入れると。
来訪を歓迎すると書かれている」
信:「それはよかった、早速向かおう」
事前に伝えた議題は五つだった。
①エルフと精霊の関係
②他のエルフの国のこと
③ケイオス・タルタロスについて
④竜の国のこと
⑤クロノスリュカとの情報交換・交易の可否
メンバーが決まった。
【搭乗メンバー】
信、犬人女王リュカ
梟人ミネルヴェ・竜人カイ・ラガン
鹿人コダ、狼人ローフェン、狼人ロガ
狐人ドミナス、狸人ラック
パイロット:隼人イェラキ
機体:鳳凰
オファニーエルへ
航空機・鳳凰が飛び立った。
森の上を飛んだ。
深い緑が続いた。
その奥に白い建物が見えてきた。
木々と一体になった建物だった。
自然の中に溶け込んでいた。
ラック:「きれいなんだわさ!」
信:「ジグニも連れてくればよかったな。この建築は見せてあげたい」
リュカ:「仲良くなって、またくればいいんだよ」
コダ:「精霊の気配が濃い気がします」
ローフェン:「ああ、体が反応している」
ローフェンの手の精霊の欠片が光り始めた。
着陸した。
オファニーエルの歓迎
エルフたちが出迎えた。
背が高かく、耳が長かく、目が深い緑色をしていた。
信は考えていた通りのエルフの姿だと心の中で思っていた。
歓迎の雰囲気があった。しかし油断なく観察していた。
国王が現れた。
女エルフで年齢が読めなかった。
長い銀髪が、とても綺麗だった。
アグラリエル:「クロノスリュカの者たちよ。
ようこそ、オファニーエルへ。
私がこの国の王アグラリエルだ」
ミネルヴェが翻訳した。
カイ・ラガンが直接エルフ語で応じた。
アグラリエルが少し驚いた顔をした。
アグラリエル:「お主は竜人か。
久しぶりに見たものだ」
会合の場に案内された。
木の上の広間だった。
風が通り心地よく、精霊の声が聞こえた。
途中、アグラリエルが信たちに言った。
アグラリエル:「初めに伝えおく。
他のエルフの国ではまず歓迎されないと心得よ。
この国が積極的に他種族とやり取りをしているだけだ。
その事を快く思っていない長も多いがな」
リュカ:「獣王国クロノスリュカ国王のリュカと申します。
お会いいただき感謝致します」
信は挨拶の様子を見て、リュカも大分国王としての姿が板について来たなと少し微笑んだ。
会合・エルフからの質問
アグラリエルが最初に口を開いた。
アグラリエル:「まず我々から聞かせてほしい。
なぜ上位精霊クロノスが獣人の国と結びついたのか。
長い歴史の中でもその様な前例がない」
リュカ:「クロノスから聞いています。
信の存在が大きかったと」
誰よりも信が驚いた顔をした。
信:「俺なの?」
リュカ:「知らなかったの?」
信:「考えもしなかった」
アグラリエル:「この人間が原因とは、どういった事だ?」
リュカが続けた。
リュカ:「信は別の次元から来た存在です。
時を重んじる世界の住民だったこと。
そして動物への深い想いを持っていた。
クロノスはそれに反応したと。
時を重んじる者とクロノスの本質が
共鳴したのだと思います」
アグラリエルが信を見た。
信が少し間を置いた。
信:「俺自身は大したことは何もしていません。
ただ、目の前の仲間を大切にしてきただけです」
アグラリエル:「それがクロノスの心に響いたのかもしれない」
アグラリエルが続けた。
アグラリエル:「次に聞く。
クロノスリュカは
これからどうするつもりか。
侵略を行う意図はあるか。
言っておくが貴国の武力は把握している」
リュカが真っ直ぐに答えた。
リュカ:「国としての第一は獣人が安全安心に暮らせる場所を作ること。
獣人の保護がこの国の根幹です。
世界とは友好を築きたい。侵略の意図は一切ありません」
アグラリエルが静かに頷いた。
聞くべきことは聞けた、質問に答えようかとアグラリエルが話始める。
①エルフと精霊の関係・ローフェンへの反応
アグラリエル:「エルフは精霊との繋がりが最も強いと自負している。
しかし」
アグラリエルがローフェンを見た。
アグラリエル:「その者に特別なものを感じる。
精霊の加護とは少し違う何かが」
信がローフェンを見た。
ローフェンが前に出た。
ローフェン:「俺の身体はガイアの依代になったことがあります。
その時の力の欠片が身体に残っています」
アグラリエルが立ち上がった。
周囲のエルフがざわめいた。
アグラリエル:「ガイアと。
我らの主精霊と。
その者が依代に」
アグラリエルがローフェンに深く礼をした。
エルフが礼をする場面は珍しかった。
アグラリエル:「ガイアと繋がった者に敬意を示す。
お主とは良き友となりたく思う」
ローフェンが少し戸惑った。
ロガが遠くから静かに見ていた。
②他のエルフの国
アグラリエル:「覚えておくべき国を二つ教える。
一つ目はエルフ最大国『ケルビーエル』。
この国はエルフを最上の存在と考えている。
話し合いには向かない。
近づかない方がいいだろう」
信:「わかりました」
アグラリエル:「二つ目は『イオフィーエル』。
比較的大きな国だが話を聞いてくれる可能性がある。
ただし保証はしないぞ」
ドミナス:「ありがとうございます」
③ケイオス・タルタロスについて
アグラリエル:「タイタロスか。
ガイアの敵対精霊タルタロスについては我々としても倒したい存在だ。
この件でクロノスリュカとの共闘を約束する」
信が頷いた。
信:「力強い。
ありがとうございます」
ミネルヴェ:「ケイオスについては」
アグラリエル:「ケイオスへの対応はそれぞれが独自に進めるべきだと思っている。
混乱を操る存在との戦いは統一した指揮ではうまくいかない。
何しろ、どう動いてくるが読めんからな。
お互いの強みを活かす形が最良となろう」
信:「わかりました」
④竜の国について
アグラリエル:「竜の国についてはここ千年ほどエルフのどの国も接触を取っていない」
カイ・ラガン:「その原因は?」
アグラリエル:「今は話すことができない。
時が来れば話す」
カイ・ラガンが黙った。
この件は知らなかったようだ。
⑤クロノスリュカとの関係
アグラリエル:「我が国としては貴国と情報交換・技術交流をしたいと思っている。
ただし一つ、条件がある」
信:「なんでしょうか」
アグラリエル:「ロボット関連の技術は受け取れない。
自然に反する物を我々は受け入れられないと思ってくれ」
信が少し残念そうな顔をした。
信:「わかりました。
その点は尊重します」
アグラリエル:「定期便ではない形で航路を繋ぐ許可は出す。
必要な時に来くればいい
こちらとしても、貴国の魔法技術には興味があるでな」
リュカ:「ありがとうございます」
ラックが小声でドミナスに言った。
ラック:「観光ツアーは入れてもらえそう?」
ドミナス:「後で聞いてみますよ。
ただそれよりも技術交流が先になりそうですけどね」
会合の後
帰路、鳳凰の中で全員が話した。
ミネルヴェ:「収穫は大きかったな。
タルタロスへの共闘。
イオフィーエルへの接触の可能性。
気にあるのは、竜の国とエルフの仲違いの件か」
カイ・ラガン:「千年前のことか。
我は知らなかった」
ローフェンが窓の外を見ていた。
エルフの国が遠くなっていった。
ロガ:「エルフに礼をされたな」
ローフェン:「慣れないことで戸惑った」
ロガ:「慣れなくていい。
お前はお前だ」
ローフェンが少し表情を緩めた。
信が手帳に書いた。
クロノスが俺に反応した理由を リュカから初めて聞いた。 時を重んじる者。 動物への想い。 そんな理由で、ここにいる。 ならば、その理由に恥じない生き方をしよう。 エルフとの会合は始まりだ。 世界はまだ広い。
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建国プロジェクト:状況報告
第5部・世界編 第3話終了時点
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外交の成果
オファニーエルとの情報交換・技術交流が決定
タルタロスへの共闘を約束
航路の許可を取得
ロボット関連は除外
判明した情報
エルフ最大国:ケルビーエル(接触困難)
比較的話が通じる国:イオフィーエル
エルフと竜の国の千年前の仲違い
→詳細は不明・伏線
ローフェンへの反応
アグラリエルがガイアの依代に敬意を示した
エルフはガイアを主精霊としている
信への新事実
クロノスが獣人の国と結びついた理由に
信の存在が大きく関わっていた
信自身は知らなかった
次のマイルストーン
→イオフィーエルへの接触検討
→タルタロスへの共闘準備
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第5部 第3話 終了
次話:「霧の島国」




