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ワクワク獣人ランド 〜異世界PM:適材適所で虐げられている獣人たちと最強の国を作ります〜  作者: 星麒麟


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第4部 第10話「帰還と報告」

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建国プロジェクト:状況報告

第4部・共存編 第10話開始時点

現在地:北の山脈・竜の国の入口付近

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状況 :竜の国の入口を確認

    帰路につく準備中

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犬人女王リュカが懐中時計を握った。


山頂から谷を見下ろした。

光る谷に向けて時空魔法を展開した。

転移ゲートが生まれた。

クロノスリュカの渓谷と光る谷が繋がった。

リュカ:「ゲートを繋げたよ」

信:「今後はとりあえずここを竜門と呼ぼう」

リュカ:「竜門か。いい名前だね」


帰りの航路のこともあり、全員で船に戻ることにした。

カイ・ラガンが扉に最後に手を当てた。

長い沈黙の後、離れた。


ローフェンの中の精霊


山を下りながら、ローフェンが外套を見た。

精霊たちが谷に溶けていっていた。

全員が竜門に吸収されていた。

しかし消えたわけではなかった。

カイ・ラガンが説明した。

カイ・ラガン:「精霊たちは竜門に戻った。

        しかし欠片はお前の中に残っている。

        クロノスリュカに戻りきっかけがあればまた形をなす」

ローフェン:「うん、確かに感じるよ」

カイ・ラガン:「精霊の欠片にはそれぞれ感情がある。

        その感情が大量にお前の中に流れ込んでいる。

        それがお前を成長させている事を理解するんだ」


ローフェンが胸に手を当てた。

確かに感じた。

様々な感情が混在していた。

喜び。悲しみ。怒り。安らぎ。

全部、精霊たちのものだった。

全部、今はローフェンのものでもあった。


帰路の航海


船が南下した。

帰路の数日間だった。


浣熊人アッチと弟子たちが収集した技術を整理した。

地震が多い東の大陸の建築様式。

揺れを逃がす構造。

地震対策に使えると弟子たちがアイデアを出し合った。

新しい鉱石を前に工房の弟子たちが興奮していた。

「この鉱石にルーン文字を刻んだらどうなるんだろう」

「試してみたいね」

「帰ったらすぐ炉に入れよう」


猪人フォーヌが三人の様子を見て静かに頷いた。


鹿人コダが観察記録をつけた。

東の大陸から連れてきた精霊たちの記録だった。

コダは妖精に至っていないもの達を幼精霊と名付けた。

不安定で形が定まらなかった。

コダが手帳に書いた。

精霊の階層:

上位精霊:クロノス、ケイオス、ガイアなど

 →他者に大いなる力を与えられる

 →自らの意志で世界に干渉できる存在


中位精霊:四元素精霊

 →他者に力を与えられる


下位精霊:

 →安定した状態

 →他者に少し力を与えられる


幼精霊:

 →まだ不安定な状態

 →他者に力を与えられない

 →獣人や人が認識を強めると世界での存在が強まる


コダがミネルヴェに懐中時計で送った。

ミネルヴェから即座に返信が来た。

「よくまとめた。続けるように」


鴉人シルトが報告書を作成した。

東の大陸の政治構造。

精霊魔法禁止の歴史的経緯。

竜の国の入口の発見。

瘴気の海域の世界的な広がり。

分厚い報告書になった。


白い兎人イナバが新食材のレシピをまとめていた。

持ち帰りのリストを広げた。

その中に見慣れない瓶が並んでいた。

東の大陸の港町で手に入れた調味料だった。

黒い液体だった。

「醤油」だった。

茶色い固形物もあった。

「味噌」だった。

兎人ダレトが匂いを嗅いだ。

目が変わった。

ダレト:「……なんだこれは。

     深い。

     複雑な旨味がある。

     どこから来たんだ」

イナバ:「東の大陸の東の方の国から来た商人が持っていました。

     和の国と呼ばれる場所だと」

ダレト:「和の国。

     いつか行きたい」


信が横で聞いていた。

信:「俺も行きたい」

ダレト:「知っているんですか」

信:「おそらく俺がいたところに似てる。

   確かめに行きたい」

ダレト:「一緒に行きましょう」

信:「ああ、絶対行こう」


二人が意気投合した。

新しい楽器も数種類あった。

弦楽器、打楽器、管楽器。

東の大陸独自の音色を持っていた。

マリアナが触れた。

その目が輝いた。

マリアナ:「今まで聞いたことがない音」

ベルト:「新しい曲ができそうか?」

マリアナ:「うん、色んなメロディーが降ってくるみたい」



狼人ローフェンが甲板で座っていた。

父親である狼人ロガが隣に来た。

二人は並んで海を見た。

言葉は無かったがお互い居心地は悪くなかった。


海人国シーベルトへの立ち寄り


帰路に海人国シーベルトに寄港した。

ベルトが報告をする。

海の瘴気海域が広がっていた。

シーベルト周辺にも影響が出始めていた。

ルトラとベルトが周辺海域を調査した。

この数ヶ月で倍近くに広がっていた。

ルトラ:「ウンディーネの加護が周辺海域を守っているが限界があるね」

ベルト:「急いで対策が必要だな」


信がミネルヴェに懐中時計で連絡した。

ミネルヴェが調査を約束した。


クロノスリュカへの帰還


クロノスリュカの住民は転移ゲートで帰還した。

それを鼠人アルラッテが出迎えた。

報告書と土産物のリストを即座に要求した。

続いて狸人ラックの出迎え。

新しい文化の情報を根掘り葉掘り聞いた。

猫人カティも出迎える。

全員無事かどうかだけ確認して去った。

梟人ミネルヴェは図書館で待っていた。

カイ・ラガンから直接話を聞きたいと言った。


全体報告会


帰国会議が開かれた。

まずはシルトからの報告した。

東の大陸の政治構造。

精霊魔法禁止の歴史的経緯。

竜の国の入口の発見。

瘴気の海域の世界的な広がり。

カイ・ラガンが補足した。

全員が黙って聞いた。

最後に信が整理した。

信:「当面は二つの課題がある。

   一つ目は瘴気の海域への対応。

   二つ目は竜の国への再訪準備。

   どちらも急ぐ必要がある。

   でも焦りすぎてもいけな

   ケイオスへの対応にもつながる最重要事項だと思ってほしい」



瘴気の海域への対策


ミネルヴェが調査結果を発表した。

瘴気の海域はやはりケイオスの影響だった。

海の精霊が弱まっているほど広がりやすかった。

シーベルトのウンディーネの加護が周辺海域を守っていたが限界に近かった。

ルトラが対応策を提案した。

海域に精霊の力を注入する。

ウンディーネの加護を広げる。

カイ・ラガンが補足した。

カイ・ラガン:「精霊が集まる場所を増やせば自然と瘴気が後退する。

        クロノスリュカの文化が広がることが最大の対策になる」

ミネルヴェ:「喜びが精霊を呼ぶ。

       精霊が瘴気を退ける。

       その循環というわけだな」


信が方針を決めた。

引き続き文化の充実を進める。

同時にシーベルトの防衛を強化する。


新食材・新技術の展開


食祭で新食材を初披露することが決まった。

醤油と味噌がダレトとイナバの厨房に運ばれた。

二人が試作を始めた。

醤油で煮た魚料理が生まれた。

味噌を使った汁物が生まれた。

国民が食べた。

新しい旨味だった。

ショコラが味噌を使った菓子を試みた。

甘みと塩みが絶妙に混じった。

ショコラ:「これは新しい」

ダレト:「お前は本当に発想が違う」


新しい楽器がラックの手に渡った。

ラックが演奏者たちに見せた。

コルドが弦楽器を触った。

東の大陸の弦楽器と自分の弦楽器を並べた。

二つを組み合わせた音を試した。

今まで聞いたことのない音が生まれた。

マリアナ:「次の獣楽祭で使いたい」

ラック:「もう演目を考えている」


フォーヌの工房に新鉱石が運ばれた。

弟子たちが競うようにアイデアを出した。

フォーヌが全員を黙らせた。

炉に入れ、溶かし、鍛え、ルーン文字を刻んだ。

そしが光った。

今まで見たことのない光り方だった。

フォーヌ:「面白い素材だな」


それだけで全員が沸いた。


ローフェンとロガの稽古


夜、訓練場でローフェンが一人で練習していた。

そこにロガが現れた。

何も言わず、木刀を手に取り、構えた。

ローフェンが向き合った。

稽古が始まった。

言葉がなかった。

しかし剣が語った。

ロガの剣がローフェンの癖を指摘した。

ローフェンの剣がロガの指摘を受け入れた。

30分ほどが経ち、稽古が終わった。

ローフェン:「ありがとう、ございます」

ロガ:「ああ」


それだけだった。

信が遠くから見ていた。

手帳に書いた。

今日、別の扉が少し開いた。 ロガとローフェンの間の扉が。 竜の国の扉よりも、 今日はこちらの方が大事かもしれない。


リュカの成長


翌朝、リュカが神殿に入った。

クロノスが気配を送ってきた。

リュカが目を閉じた。

対話が始まった。

次元の扉を開く力が少しずつ育っていると言われた。

竜の国への扉はまだ早い。

でも遠くはないと言われた。

神殿から出てきたリュカが信に伝えた。

信が頷いた。

少しだけ間があった。

信の帰還問題が頭をよぎった。

リュカの力が育てば次元を越えられる。

しかし今は言わなかった。


次への布石


ミネルヴェが報告書をまとめた。

世界の精霊地図が少しずつ完成しつつあった。

カイ・ラガンが図書館の壁に竜の国への手がかりを記録し始めた。

アルラッテが東の大陸との貿易ルートを提案書にまとめた。

ラックが新しい獣楽祭の演目に東の大陸の文化を取り込む計画を立てた。

信が全員に言った。

信:「次の旅の前にこの国をもっと強くする。

   それが最大の準備だな」


渓谷に夜が来た。

時計塔の鐘が鳴った。

光の精霊が塔の周りを舞っていた。


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建国プロジェクト:状況報告

第4部・共存編 第10話終了時点

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帰還の成果

 竜の国への転移ゲート(竜門)設置

 東の大陸の政治・文化情報

 新食材:醤油・味噌・各種食材

 新楽器:東の大陸独自の音色

 新鉱石:新しいルーン武器の素材


精霊の理解が深まった

 幼精霊の概念が確立

 精霊の階層が整理された

 ローフェンの中に精霊の欠片が残っている


瘴気への対策方針

 文化の充実が最大の対策

 シーベルトの防衛強化

 ウンディーネの加護を広げる


ローフェンとロガ

 初めてロガが稽古をつけるのを確認

 距離が少し近いた様だ


リュカの成長

 時空魔法が成長している

 竜の国の扉はまだ早い

 でも遠くはない


信の心境

 帰還問題が少し頭をよぎった

 まだ言葉にしない


次のマイルストーン

 →国内の文化・産業のさらなる充実

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第4部 第10話 終了

次話:「ロガとローフェン」



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