第4部 第6話「シーベルトの船出」
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建国プロジェクト:状況報告
第4部・共存編 第6話開始時点
現在地:クロノスリュカ・ルトラ港
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国民 :8000名以上
状況 :世界調査・周遊の旅の準備中
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旅の決定
会議室に主要メンバーが集まっている。
鴉人シルトが地図を広げた。
シルト:「この大陸の情報網はほぼ構築できました。
しかし世界はこの大陸だけではない。
海の向こうに何があるかわからない。
ケイオスとの戦いを見据えれば世界中の精霊・竜の力が必要になる。
海に出る必要があると思いますよ、僕は」
梟人ミネルヴェ:「文献に記録がある。
東の海の向こうに別大陸の記録だ」
竜人カイ・ラガンが反応した。
カイ・ラガン:「東の海の向こうには竜の伝説が残る場所がある。
我も詳細は知らないが」
犬人女王リュカが決断した。
リュカ:「行きましょう」
メンバー選考
懸念点が一つ。
別大陸でも獣人が虐げられている可能性は高い。
信:「人間に変身できる者が必要だね。
獣人の姿で行けない場所には人間の姿で潜入しよう」
カイ・ラガンが信に言った。
カイ・ラガン:「ローフェンを連れていけ」
ロガ:「無理だ。
まだ未知での戦闘には耐えられん」
カイ・ラガン:「それは親としてかね、それとも戦士団の長としてかね」
ロガ:「当然、戦士団の長としてだ」
イ・ラガン:「ならば、尚更連れて行くべきだ。
ガイア様の依代を経験した者は精霊との親和性が高い。
新しい精霊との出会いの鍵になる可能性がある」
アラファ:「必要ならば、私がサポートしますよ」
ロガ:「甘やかすつもりはない。
わかった、俺がしっかりとサポートする」
狼人ロガがローフェンを見た。
狼人ローフェンがロガを見た。
どちらも目を合わさなかった。
しかし二人が同じ船に乗ることが決まった。
メンバーが確定した。
【乗船メンバー】
信・犬人女王リュカ
狼人ロガ・狼人ローフェン
鴉人シルト・狐人ドミナス
蝙蝠人アラファ・隼人イェラキ
鷲人アエトス・カワウソ人ルトラ
鹿人コダ・馬人ルドルフ
羊人クラグル・猪人フォーヌ
浣熊人アッチ(移動工房+弟子数名)
竜人カイ・ラガン
シーベルト船団:
ペンギン海人ベルト
鯨海人フェル
人魚海人マリアナ
タコ海人オクトロウ
その他シーベルトメンバー数名
白い兎人イナバ(料理・食材収集)
出発前夜
信がリュカに言った。
信:「今回は長い旅になる。
危険な場所もある。
リュカには船上での判断役をお願いしたい」
リュカ:「わかった。
船の上なら何でもやる」
カイ・ラガンがローフェンの前に立った。
カイ・ラガン:「お前はガイア様の力を体に宿した。
その意味がいずれわかる。
旅の中で感じることがあれば教えてくれ」
ローフェンは黙って頷いた。
ロガとローフェンが初めて同じ甲板に立った。
まだ言葉は少なかった。
しかし背中が近かった。
出発
翌朝、ルトラ港から船が出た。
国民が見送った。
懐中時計が光った。
アルラッテ:「経済的な成果も期待していますからね!
珍しいものがあれば何でも持ち帰ってください。
できれば新しい取引先も」
信:「わかった」
ラック:「珍しい文化があれば、懐中時計越しでも是非見せてください!
獣楽祭のネタにします」
信:「わかったよ、わかった」
ミネルヴェ:「竜の痕跡があれば詳細に記録してくれ。
カイ・ラガンに確認を取りながら」
信:「了解です。先生」
船が川を下り始めた。
渓谷が小さくなった。
イナバが船尾から渓谷を見ていた。
イナバ:「海の食材を探します。
必ず美味いものを持ち帰ります」
ベルト:「楽しみにしておくよ」
海人国シーベルトへの寄港
海人国シーベルトを経由した。
補給と情報収集を行った。
ベルトが東の海について話した。
ベルト:「東の海の先は誰も行ったことがない。
海の民の伝説では嵐の海域を抜けると
別の世界があると言われている」
カイ・ラガン:「嵐の海域に竜の気配がある。
我も行ったことはないが」
全員が顔を見合わせた。
信:「行きましょう」
海洋船団との出会い
東の海に出た。
3日目の朝だった。
水平線に影が見えた。
大型の船が複数並んでいた。
船に建物が乗っていた。
甲板に洗濯物が干してあった。
子どもが走り回っていた。
海の上を生活の場にした船団だった。
ベルトが合図を送った。
相手も合図を返した。
敵意はなかった。
船団のリーダーが乗り込んできた。
巨大なシャチの魚人だった。
腰には日本刀らしき剣を携えていた。
魚人のリーダー:「シーベルトの船団か。
噂には聞いていた。
俺はナガ・バルン。
この海を渡り続けて50年になる」
ベルト:「俺はベルト。
シーベルトの建国者だ」
ナガ・バルン:「国を作ったか。
海人が陸に根を張るとは珍しいな」
信が前に出た。
信:「色々と教えてもらえますか。
世界を旅しているなら知っていることがあるはずだ」
ナガ・バルン:「人間も一緒か。船団だ。
獣人と一緒にいる人間は初めて見た
従えてるって感じでもねーな」
信:「そりゃそうですよ。仲間なんですから」
ナガ・バルン:「面白い。ゆっくりしていくといい」
数日間の共同生活
船団と数日間をともに過ごした。
海洋船団の生活は独自の文化に満ちていた。
食文化
海洋船団の料理は珍しかった。
まず信が驚きの声をあげる!
信:「これ醤油とワサビじゃないか!」
ナガ・バルン:「ああ、極東にある和の国のもんだ」
信:「和の国! じゃあ、その腰の剣も?」
ナガ・バルン:「よく分かったな。刀ってもんだ」
信:「分かったというか、俺の国にあったもんだ」
ナガ・バルン:「じゃあ、信は和の国の出身か」
信:「いや、俺の国とは別だろう。ただ、似ていると思う」
その他にも、海藻を使った発酵食品。
深海魚の干物。
貝から作った調味料。
イナバが目を輝かせた。
イナバ:「これは知らない食材です。
全部教えてもらえますか」
船団の料理人:「珍しいものが好きか。
いいだろう」
イナバが厨房に入り込んだ。
3日間出てこなかった。
建築文化
船の上の建物の構造が独特だった。
揺れに対応した柔軟な構造だった。
アッチが設計を見て唸った。
アッチ:「揺れを逃がす構造だ。
陸の建物に応用できるね。
地震対策になる」
弟子:「記録します」
移動工房で即座に設計図を描き始めた。
フォーヌが構造材の素材に興味を持った。
船団が使う海底の特殊な鉱石を見せてもらった。
フォーヌ:「この素材はルーン文字と相性がいい。
分けてもらえるだろうか」
ナガ・バルン:「交換条件は何だ」
フォーヌ:「日本酒だ」
ナガ・バルン:「なんだそれは。
飲んでから決める」
一口飲んだ。
ナガ・バルン:「和の国の酒ににてるな。
いいだろう、取引成立だ」
情報収集
シルトとドミナスがナガ・バルンから話を聞いた。
ナガ・バルン:「世界の話か。
50年旅してきた。
色々と見てきた」
世界各地の情報が集まってきた。
【珍しい国の情報】
・砂漠の中心に浮かぶ水上都市
→砂漠の中に水源があり
その上に国が作られている
・霧に包まれた島国
→常に霧が立ち込めており
地図に載っていない
住民は霧の中を自在に動く
・空中に浮かぶ岩盤の上の集落
→風の力で岩盤が浮いている
下からは辿り着けない
・海底に作られた都市
→深海に住む種族が作った
水圧に耐える特殊な技術がある
・和の国
→独特の文化が成熟した島国
現在は多くにの国に別れての戦乱中とのこと
中には獣人の国もあるらしい
シルトが全部記録した。
シルト:「記録を送ります」
ミネルヴェ:「全部送れ。
図書館に追加しておく」
シルト:「アイアイ、キャプテン!」
ミネルヴェ:「なんだそれは」
シルト:「いやー、海の生活が続いてるもんで」
瘴気の海域の情報
ナガ・バルンが顔を曇らせた。
ナガ・バルン:「一つ、良くない話がある。
最近、海の色が変わっている
海域がある。
紫色の海だ。
魚が死ぬ。
近づいた船は帰ってこない」
信:「場所は」
ナガ・バルン:「東の海域に複数ある。
広がっている。
50年の旅で一度も見たことがなかった。
ここ数年で突然現れた」
カイ・ラガンが静かに言った。
カイ・ラガン:「瘴気だ。
海にまで広がっている。
陸の瘴気の森と同じように
海の瘴気海域が生まれている。
ケイオスの影響が海にまで及んでいる」
ナガ・バルン:「ケイオスってのは何者だ」
カイ・ラガン:「原初の精霊だ。混沌を司る」
ナガ・バルン:「よくわからんが、厄介そうだな」
ルトラ:「このままだと海の多くに影響がでそうだ」
ベルト:「俺たちの国にも影響が出るかもしれない。
リヴァイアサンがいつ戻ってくるかもわからないしな」
信が懐中時計を握りミネルヴェと繋いだ。
信:「海の瘴気海域の情報が入りました。
ケイオスの影響が海にまで及んでいる様です」
ミネルヴェ:「予想通りだ。
急いで対策を考える」
ローフェンと精霊
3日目の夜。
甲板でローフェンが海を見ていた。
海面に光の粒が浮いていた。
小さかった。
しかし確かにそこにいた。
ローフェン:「何がいる」
カイ・ラガン:「波の精霊だ。
海の下位精霊の一種。
普通は人間には見えない」
ローフェン:「俺には見える」
カイ・ラガン:「ガイアの力がお前の目を変えた。
精霊が見えるようになっている」
ローフェンが手を差し出した。
波の精霊が手に止まった。
ローフェン:「温かい」
カイ・ラガン:「精霊は温かいものだ。例外もあるがな」
ロガが少し離れた場所から見ていた。
何も言わなかった。
嵐の海域へ
別れの朝、ナガ・バルンが信に言った。
ナガ・バルン:「東へ行くなら嵐の海域を通ることになる。
気をつけろ」
信:「情報をありがとう」
ナガ・バルン:「生きて帰ってきたらまた飲もう。
あの酒で」
船団が別の方向へ去った。
信が全員に言った。
信:「東へ進みます。
嵐の海域を抜けた先に東の大陸がある」
ベルト:「行くぞ」
船が東へ向かった。
水平線の先に、まだ見ぬ世界があった。
嵐の海域
数日後、海の色が変わった。
空が暗くなった。
嵐が来た。
通常の船なら沈む嵐だった。
ルトラとベルトが水魔法で波を制御した。
アエトスとイェラキが風を読んで航路を切り開いた。
カイ・ラガンが何かを感じた。
カイ・ラガン:「この嵐は自然のものではない。
何かが意図して作っている」
嵐の中心に光が見えた。
近づいた。
巨大な存在がいた。
蛇に翼が生えたような形をしていた。
禍々しさはなかった。
清らかだった。
カイ・ラガン:「竜だ。
別の種族の竜だ」
リュカがクロノスの紋様を輝かせた。
竜が動きを止めた。
リュカが語りかけた。
言葉ではなかった。
クロノスの力を通じた対話だった。
竜が少しずつ嵐を収めた。
嵐が静まった。
竜が姿を消した。
航路が開けた。
フェル:「道ができた」
ベルト:「行けるぞ」
嵐が去った海面に光の粒が浮いていた。
嵐の精霊だった。
コダ:「何かがいます。
怒っていない。
驚いている」
ローフェンが海面を見つめた。
体に何かが反応した。
ローフェン:「来い」
光の粒がローフェンの手に止まった。
カイ・ラガン:「やはりお前は鍵だ。
ガイアの力が精霊を引き寄せている」
東の大陸が見えた
数日後の夜明け。
地平線に陸地が見えた。
全員が甲板に出た。
ルドルフ:「でかいッス」
コダ:「地の声があっちから聞こえます」
アエトス:「風とも違う」
ローフェン:「何かが待っている気がする」
カイ・ラガン:「東の大陸だ。
竜の伝説が残る場所。
ここから先は我も知らない世界だ」
信:「なら一緒に探りましょう」
カイ・ラガン:「そうだな」
イナバが調理場から顔を出した。
イナバ:「新しい食材があるといいですね」
ベルト:「あるさ。
絶対にある」
リュカが懐中時計を握った。
クロノスの紋様が静かに光った。
新しい世界が、目の前にあった。
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建国プロジェクト:状況報告
第4部・共存編 第6話終了時点
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旅の開始
世界調査・周遊の旅が始まった
目的地:東の大陸
海洋船団との出会い
ナガ・バルン率いる船団と交流
文化・情報・食材・素材を交換
日本酒で取引が成立
新たな情報
世界各地の珍しい国の存在
海の瘴気海域が複数発生している
ケイオスの影響が海にまで及んでいる
新たな技術
船上建築の揺れ対応構造をアッチが記録
海底の特殊鉱石をフォーヌが入手
ローフェンの変化
精霊が見えるようになっている
波の精霊・嵐の精霊が手に止まった
ロガとローフェン
同じ甲板で過ごす時間が増えた
まだ言葉は少ない
イナバの収穫
海洋船団の料理人から
新しい食材・調理法を習得
次のマイルストーン
→東の大陸へ
→未知の文明・未知の獣人
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第4部 第6話 終了
次話:「東の大陸」




