第4部 第4話「ショコラとカカオ」
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建国プロジェクト:状況報告
第4部・共存編 第4話開始時点
現在地:クロノスリュカ・建国地
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国民 :8000名以上
状況 :シーベルト船団が帰港
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シーベルト船団がルトラ港に入ってきた。
甲板に見慣れない茶色い実が山積みになっていた。
カカオだった。
ペンギン海人ベルトが桟橋に飛び降りた。
ベルト:「南の島で大量に見つけた。
ショコラが欲しがっていたやつだ」
熊人ショコラが港に走ってきた。
カカオの山を見た。
目が輝いた。
ショコラ:「全部いいんですか?」
ベルト:「ああ、全部持っていけ」
カカオの研究
ショコラ工房の仮設スペースで研究が始まった。
カカオを砕いた。
炒り、砂糖と混ぜ、固めた。
食べたが、苦かった。
砂糖を増やすが、今度は甘すぎた。
ミルクを加えたが固まらなかった。
ショコラ:「もう一回」
試行錯誤を繰り返した。
兎人ダレトが味の監修をした。
鼠人アルラッテが生産コストを横で計算していた。
アルラッテ:「今の配合だと原価が高すぎます」
ショコラ:「味が決まってから考えさせてください」
アルラッテ:「わかりました。
まずは完成させましょう」
失敗作が積み上がった。
ショコラは諦めなかった。
チョコレートの完成
7日目の朝だった。
ショコラが一粒を型から取り出した。
光沢があった。
手渡した。
ダレトが一口食べた。
黙った。
そしてただ微笑んだ。
ショコラが信のもとに来た。
ショコラ:「菓子職人として独立したいです」
信:「ダレトにはOKをもらってるの?」
ショコラ:「はい。認めてもらいました。
自分の工房を作っていいでしょうか」
信:「うん、頑張ってね」
ショコラ:「ありがとうございます」
ダレトがショコラの肩を叩いた。
ダレト:「思いっきりやれよ。
俺も負けないようにする」
こうしてショコラ工房が誕生した。
食祭での初披露
月一の食祭でチョコレートが初披露された。
小さな一粒が皿に並んだ。
国民が列を作った。
一口食べた。
静かになった。
それから騒がしくなった。
子どもたちが大騒ぎした。
タルパ:「もう一個モグ」
ルドルフ:「もう一個欲しいッス」
ウィン:「おいしいね〜♪」
狼人ロガが無言で3個食べた。
誰も何も言わなかった。
梟人ミネルヴェが一口食べた。
ミネルヴェ:「うん、悪くない」
竜人カイ・ラガンが皿を見ていた。
リュカが一粒差し出した。
カイ・ラガンが食べた。
動きを止めた。
カイ・ラガン:「これは何だ」
ショコラ:「チョコレートです。
カカオという豆から作りました」
カイ・ラガン:「初めて食べた。
永き時を生きてきたがこういうものは初めてだ」
リュカ:「美味しい?」
カイ・ラガン:「とにかく驚いた」
ミネルヴェが横で聞いていた。
ミネルヴェ:「味への感想がないのか」
カイ・ラガン:「我ら竜族は食への執着が低いため、食事の感想が苦手なんだ」
ミネルヴェ:「ふっ、長生きの竜でも苦手分野があるんだな」
スイーツの精霊
食祭の夜、ショコラ工房に小さな光が現れた。
甘い香りがする場所に漂っていた。
ショコラが気づいた。
静かに見守った。
翌朝、カイ・ラガンに話した。
カイ・ラガンが工房に来た。
光を見た。
目を細めた。
カイ・ラガン:「ほう。初めて見る精霊だ」
ショコラ:「カイ・ラガンさんでも初めてですか」
カイ・ラガン:「ああ見たことがない。
しかし驚くことではない。
精霊は何にでも宿る。
喜びがある場所に精霊は引き寄せられる。
甘いものが生まれた場所に甘いものの精霊が現れた。
ただ、それだけのことなんだよ」
リュカも工房に来ていた。
リュカ:「精霊って、本当に何にでも宿るんだね」
カイ・ラガン:「世界が喜びに満ちるほど精霊は増える。
この国はその速度が異常に速い」
信:「それはいいことなんですか」
カイ・ラガン:「良いことだ。
精霊が増えれば世界のバランスが戻る。
それはケイオスへの抵抗力になる」
ミネルヴェが手帳に書き留めた。
スイーツの精霊はまだ小さかった。
名前はなかった。
しかしショコラ工房に居着いた。
スイーツの効果
クラグルがチョコレートを医療の観点から調べた。
数日後、報告書を持ってきた。
クラグル:「脳と体のエネルギーになります。
食べた後に集中力と体力が確実に上がってますね。
戦闘前に食べれば戦闘力の向上が見込めます」
信:「まるで魔法だね」
クラグル:「ええ。
医療には色々なアプローチがあることを改めて知りました」
ロガが静かに工房に来た。
チョコレートを一粒受け取った。
食べた。
ロガ:「これを、訓練前に配ってくれ」
それが全てだった。
戦士団の訓練前チョコレートが始まった。
アルラッテが即座に試算した。
アルラッテ:「国民全員に
チョコレートが行き渡れば
国力が上がります。
医療費も下がる。
生産性も上がる。
投資対効果は非常に高い」
信:「スイーツが国力を上げるか」
アルラッテ:「数字が証明しています」
冷凍輸送の技術
アルラッテがアッチに相談した。
アルラッテ:「チョコレートは熱に弱いんですよね〜。
夏場の輸送が問題なんです」
アッチ:「冷やしながら運べばいいじゃないか」
アルラッテ:「どうやって」
アッチ:「任せておけ」
アッチとフォーヌが共同で開発した。
水の精霊魔法と組み合わせた冷却装置だった。
ルトラのウンディーネの加護を借りた。
輸送箱の内側に冷却のルーン文字を刻んだ。
一定温度を保ったまま運べるようになった。
アッチ:「冷凍輸送ができる」
アルラッテ:「これは革命ですよ!」
冷凍技術が生まれた。
チョコレートだけでなく、海の幸、農産物の長距離輸送が可能になった。
イナバとベルトが懐中時計で話をする。
イナバ:「これで新鮮な魚を遠くに送れます。
ベルト、聞こえてますか」
ベルト:「聞こえてる。
これで、また色々な料理が考えられるな」
アルラッテの商業展開
アルラッテが信に計画書を提出した。
アルラッテ:「チョコレートをマルカンドへの輸出品に追加します。
音石との抱き合わせ販売で単価が上がります。
冷凍輸送技術で遠方への販売も可能です」
信:「マンサさんへの連絡は」
アルラッテ:「メールバードをもう送りました」
信:「さすが、早いね」
信がニヤリとし、アルラッテもそれに答えた。
その日の午後、マンサから返信が来た。
「すぐ送れ。量は任せる。
値段は後で話し合おう。
マンサ・バティート」
アルラッテが満足そうに頷いた。
エルネストへの贈り物
ソルマーレに滞在中のエルネストに チョコレートを冷凍輸送で贈った。
数日後、メールバードが返ってきた。
「これは何だ。
食べた瞬間に言葉を失ったよ。
王宮で話題になっている。
追加で送ってくれないか。
ミネルヴェ先生へのお礼も込めて。
エルネスト」
リュカが信に見せた。
リュカ:「チョコレートが外交をしている」
信:「スイーツは最強なんだよ」
ショコラの決意
夜、ショコラが信を訪ねた。
ショコラ:「甘いものは人を笑顔にします。
戦いがなくても自分にできることがある。
それがわかりました」
信:「そうだな」
ショコラ:「もっと色々作りたいです。
世界中の人に食べてもらいたいんです」
ショコラが改って姿勢を直す。そして深いお辞儀をする。
ショコラ:「ありがとうございました」
信:「どうしたんだい。改まって」
ショコラ:「あの、私、熊人だから、戦う事を求められると思ってて。
でも、戦うのが、その苦手で。
だから、違う方法でこの国に貢献できると思うと」
信:「やりたい事、やれる事。
皆には色々な能力があると思うんだ。
種族だけで決めつけてその可能性を縛るのは間違ってると思ってたんだ。
だから、お礼を言うのは俺の方だよ。
君はそれを示してくれているんだから。
これからもお願いね」
ショコラ:「はい!」
ショコラ工房の灯りが夜遅くまで消えなかった。
スイーツの精霊が窓の外で揺れていた。
食文化の三本柱
ダレトとイナバとショコラが食祭の後で話した。
ダレト:「陸の料理は俺が極める」
イナバ:「海の料理は俺が極める」
ショコラ:「スイーツはわたしが極めます」
三人が顔を見合わせた。
三人:「負けない」
山の幸、海の幸、スイーツの三本柱が確立した。
食祭がさらに賑わった。
食の精霊が三つの厨房に集まり始めた。
まだ小さかった。
名前はなかった。
しかし確かに、そこにいた。
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建国プロジェクト:状況報告
第4部・共存編 第4話終了時点
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新産業
ショコラ工房の誕生
チョコレートの製造・販売開始
冷凍輸送技術の開発
スイーツの効果
脳と体のエネルギーになる
戦闘力・集中力・生産性が向上
訓練前チョコレートが戦士団に普及
冷凍輸送の革新
チョコレートの長距離輸送が可能に
海の幸・農産物の輸送にも応用
外交の進展
マルカンド:即日輸出決定
ソルマーレ:エルネストが王宮で話題化
下位精霊
スイーツの精霊がショコラ工房に現れた
カイ・ラガンも初めて見た精霊
名前はまだない
食文化の三本柱確立
山の幸
海の幸
スイーツ(ショコラ)
次のマイルストーン
ランキングバトル第一回大会
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第4部 第4話 終了
次話:「騎士たちの宴」




