第3部 第15話「解放のための戦い」
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建国プロジェクト:状況報告
第3部・解放編 第15話開始時点
現在地:カルシア国境付近
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状況:魔獣の大群が迫っている
防衛ラインを構築済み
ガルディウス隊が並び立った
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地平線が黒かった。
魔獣。
数えられないほどの。
地面が揺れていた。
空気が震えていた。
その群れの遥か後方、丘の上に巨大な魔獣が陣取っていた。
ライオンの頭。山羊の胴体。竜の尻尾。
キマイラだった。
それは禍々しい咆哮を上げた。
大群が一斉に動き出した。
キマイラは動かなかった。
丘の上から、静かに様子を伺うように。
第一波・防衛戦
信:「各隊、持ち場を守れ。
大型はジグニとビョルンが対応。
空はエウクレイアがガルディウスの空戦機と連携し対応。
後方は俺とガルディウス地上班と撃ち漏らしを対処する」
ロガ:「陸戦隊、前へ」
ペイス:「騎兵隊、展開」
陸戦隊が最前線に出た。
ワーグ・ゴブリン・オーク・トロルなど多種の群れが押し寄せた。
ロガ隊が連携で崩した。
ジャックが中心を突いた。
コヨルが側面を崩した。
騎兵隊が南側の平野を走った。
ペイスの咆哮が敵の動きを乱した。
槍隊が脚を狙った。
弓隊が上空から矢を撃ち込んだ。
空からは翼を持つ魔獣が来た。
エウクレイアが急降下した。
イェラキの風の精霊魔法が気流を乱した。
アエトスのシルフィードの加護が風を収束させた。
ガルディウスの空戦機が援護した。
巨大な魔獣は重装隊が対応した。
ジグニとビョルンが正面から押した。
フォーヌのルーン武器が急所を貫いた。
アルマジロの獣人ウルルーが球になって突進した。
後方では信が紅蓮で走りながら精密射撃を続けた。
懐中時計の照準補助が連続で発動した。
ガルディウスの地上班が横に並んだ。
獣人と人間が同じ方向に武器を向けていた。
数時間の攻防
戦いが続いた。
確実に倒していた。
しかし敵の数が減らなかった。
こちらの疲労だけが一方的に蓄積していった。
丘の上でキマイラはまだ動く気配がない。
こちらが弱るのを待っているようだ。
信:「これは持久戦だ。
全軍を二軍に分ける。
戦闘と休憩を3時間ごとに切り替える」
休憩に入った隊に、炊事班が動いた。
兎人ラギラブとダレトたちが鍋を並べた。
米の飯を炊いた。
温かい汁物を作った。
兵たちが食べた。
獣人も人間も関係なく、同じ飯を食べた。
カルシアの兵士:「うまい」
ラギラブ:「獣人の作る料理も捨てたものではないでしょう」
羊人クラグルの衛生班が傷の手当てをした。
獣人と人間隔たりなく治療を受ける。
休憩を終えた隊が戦線に戻った。
交代した隊が休んだ。
最初の夜が来た。
それでも魔獣は来続けた。
夜通し戦った。
夜明けが来た。
生き延びた。
二日目・水責め
二日目の朝。
突撃一辺倒だった魔獣たちが別の手に出る。
戦況を見守る二人は敵の動きの変化に気づく。
アラファ:「あっちはダムがある方」
シルト:「まさか決壊させるつもりか」
大型の魔獣が近くのダムに向かった。
間に合わなかった。
魔獣の攻撃でダムが一瞬で崩れた。
大量の水が押し寄せる。
水の魔獣がその水流に乗ってきた。
すぐさま大河守護隊が対応した。
ルトラと激流が水中に飛び込んだ。
しかし敵が多すぎた。
水流が防衛ラインを押した。
ジリジリと後退した。
その時、転移ゲートが開いた。
海洋獣人の戦士団が現れた。
ベルトが先頭に立っていた。
ベルト:「遅くなってすまない。
別の戦いに手こずっていた」
信:「来てくれて助かった。
あれをどうにかできるかい」
ベルト:「お安いご用だ」
ベルトとシーベルト船団が水中に飛び込んだ。
水の魔獣を次々と仕留めた。
信:「ルトラ、ベルト。
水を戦場から消せるだろうか」
ルトラ:「やってみる」
ベルト:「水魔法を全力で使う」
ルトラのウンディーネの加護が発動した。
ベルトたちの水魔法が合わさった。
大量の水が収束した。
戦場から水が消えた。
水の魔獣が力を失った。
陸戦隊が仕留めた。
キマイラが動く
水責めを耐えた。
キマイラがゆっくりと丘を下りてきた。
同時に、転移ゲートが開いた。
後続隊が到着した。
信が懐中時計を取り出した。
信:「カティ、スタアーグ、クロノスリュカへの攻撃の気配はあるか」
カティ:「問題ない。
静かだ」
スタアーグ:「森の結界は機能している。
強化もしてきた。
こちらは心配するな」
信:「わかった。ありがとう」
キマイラが戦場に入ってきた。
キマイラとの戦闘
ロガが正面から斬りつけた。
キマイラは傷をつける。
しかし即座に塞がる。
さらに周囲の魔獣の死体が引き寄せられた。
取り込んだ。
再生していく。
ロガ:「死体を取り込んで再生する」
ジグニ:「死体を全部燃やせ」
ルドルフ:「やります」
ファイアアローが周囲の死体を焼いた。
しかしキマイラの再生が速すぎた。
その時、ローフェンが動いた。
キマイラの側面に向かって走った。
ロガ:「ローフェン、待て」
間に合わなかった。
キマイラの尻尾が薙いだ。
ローフェンが吹き飛んだ。
地面に叩きつけられた。
動かなかった。
致命的なダメージだった。
キマイラがとどめを刺しに動いた。
ロガが飛び込んだ。
庇った。
ロガにもダメージが入った。
ロガは真獣化しキマイラを細切れに刻んだ。
しかしキマイラはまだ生きており、回復をはかっている。
ロガ:「倒せない」
ロガとローフェンが後方に下がった。
クラグルが走り寄った。
混沌の降臨
キマイラの動きが鈍くなった。
魔獣の数も減っていた。
少し楽観的な空気が漂い始めた。
その時、空中に気配が現れた。
形がなかった。
しかし禍々しかった。
これまでの魔獣の王とは次元が違った。
「クロノスの眷属共
なかなかに粘るじゃねーカ
我が名はケイオス
我が姿の拝謁
死ぬゆくお前らには特別にゆるそウ」
ケイオスは言葉にならない音を発する。
4体の魔獣を召喚した。
リヴァイアサン。
ベヒーモス。
バハムート。
イフリート。
以前倒した魔獣の王たちだった。
姿は小さくなっていた。
しかし存在感は以前のままだった。
全員が動きを止めた。
疲弊し切った体に、絶望が重なった。
信:「これはまいった。
カイ・ラガン。
何か手はあるかな」
カイ・ラガン:「少しまて」
カイ・ラガンは目を閉じ、全体の様子を把握する。
数秒待つと目を開き静かに話始める。
カイ・ラガン:「なんだお前たち、四元精霊の加護を受けているのか」
信:「ええ」
カイ・ラガン:「全員ここに呼べ」
信は懐中時計で全員に声をかける。
信:「ルトラ、コダ、アエトス、ルドルフ。
今すぐ本陣まで来てくれ」
急ぎ全員が本陣に集まる。
カイ・ラガン:「リュカも来い。
しばらく時間がかかる。
それまでなんとか持ちこたえろ」
カイ・ラガンが次元の扉を開いた。
6人を連れてその中に消えた。
残留組の苦戦
残ったメンバーで戦いを継続した。
前回攻略した方法を残ったメンバーでそれぞれに試みた。
だが、空間操作が全く効かなかった。
魔獣の王たちの体に鎖状の物が巻かれていた。
ケイオス:「一つ教えてやル。
奴らにまいた我の鎖ダ。
前回の様に空間操作は効かないゾ。
さあどうすル」
なす術がなかった。
ガルディウスが並んで戦い続けた。
信が紅蓮で走り続けた。
弾薬が尽きかけていた。
ベルトとシーベルトの隊員が水で押し続けた。
エウクレイアが上空から攻撃し続けた。
それでも押し返せなかった。
希望の光
次元の扉が開いた。
全員が戻ってきた。
衛生班で治療を受けていたローフェンの体が光に包まれていた。
地面から離れた。
浮かび上がった。
クラグルが展開していた白魔術を止める。
声が変わった。
「少しばかり、この身体を借りますよ」
クラグル:「一体何が?」
カイ・ラガン:「ガイア様が依代としてあの少年の身体を借りておるのだ」
大地の精霊が、ローフェンの体を依代として目を覚ました。
ガイア:「ケイオスか、あの厄介小僧が既に起きていましたか。
タイタロスも目は覚ます気配がありますし。
よく起こしてくれました」
カイ・ラガン:「ガイア様、お目覚めになって早々申し訳ありませんが……」
ガイア:「わかっています。
まずは、大地に悪き影響を与える物たちを排除しましょう」
ガイアの力がルトラ、コダ、アエトス、ルドルフに流れ込んだ。
四元精霊の加護が最大まで高まった。
ルトラがウンディーネの加護を解放した。
リヴァイアサンに向かった。
巨大な水流がリヴァイアサンを飲み込んだ。
リヴァイアサンが消えた。
コダがノームの加護を解放した。
ベヒーモスに向かった。
大地から無数のトゲが生まれベヒーモスへ突き刺さる。
それは原型を止めなくなるまで続いた。
アエトスがシルフィードの加護を解放した。
バハムートに向かった。
竜巻がバハムートを包みこみすり潰し続ける。
細切れとなりバハムートが消えた。
ルドルフがサラマンダーの加護を解放した。
イフリートに向かった。
青い炎がイフリートを貫いた。
イフリートが消えた。
ケイオスとガイアの対峙
ガイアがケイオスに近づいた。
ガイア:「本当にしつこいですね。あなたは」
ケイオス:「諦めが悪いと言ってくレ」
ガイア:「お互いに起きたばかりです。
まだやるつもりはないのでしょう」
ケイオス:「ああ。今回はただの様子見ダ」
ガイア:「では終わせますね」
言うなり、ガイアがキマイラを見た。
キマイラが消えた。
跡形もなかった。
ケイオス:「次はもっと楽しもウ」
ケイオスが消えた。
戦場が静まり返った。
ガイアの言葉
ローフェンの体が静かに地面に降りた。
光がゆっくりと消えていった。
ガイア:「起きてばかりで少し無理をしました。
またしばらく寝ります」
ローフェンは元の場所に戻り横たわる。
ガイア:「この体の傷は回復させておきました」
光が消えた。
クラグルが駆け寄った。
傷が消えていた。
クラグル:「信じられない。
あの傷が回復している」
戦いの後
空が明るくなっていた。
魔獣の大群は消えていた。
戦場に静寂が戻った。
救えなかった者たちもいた。
しかし多くの者が生き残った。
ガルディウスがリュカの前に立った。
リュカが手を差し出した。
ガルディウスがその手を握った。
ガルディウス:「ありがとう。
貴方たちの協力がなければ、間違いなく我が祖国は滅びていた」
リュカ:「少ない犠牲を出してしまいました」
ガルディウス:「今は救えた命のことを思おう」
ガルディウスはすぐ様、獣人達の家族を解放するよう通達。
国中から獣人達の家族が溢れ出た。
違いの無事を喜ぶもの。
命を落とした家族の横で泣き崩れるもの。
ガルディウスが国王へ報告に向かった。
家族の首輪が外される。
数千の獣人が空を見上げた。
リュカが全員に告げた。
リュカ:「私たちの国へ来たい人は一緒に来てください。
ここに残りたい人は残っていいです。
どちらを選んでも構いません。
あなたたちは自由です」
ほぼ全て、数千の獣人がリュカの後ろについた。
転移ゲートが開いた。
渓谷の光が見えた。
信が手帳に書いた。
上位精霊の力でこの戦いに勝った。 救えなかった者たちがいる。 でも、多くの命が繋がった。 そして、獣人たちの首輪が外れた。 まだ世界は変わっていない。 でも、変わり始めた。 続きは、また始まる。
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建国プロジェクト:第3部完了
時の王国クロノスリュカ・建国2年目
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国民 :数千名規模へ
カルシアから解放された獣人が合流
戦いの結果
キマイラ:ガイアが消滅させた
魔獣の王4体:四元精霊の加護で撃退
ガイアの降臨
ローフェンを依代として目を覚ました
ケイオスとタルタロスの復活を確認
眠りに戻った
ローフェンの変化
ガイアの依代となった
傷が完全に回復した
外交の成果
ガルディウスが獣人解放を約束
ケイオスの警告
「次はもっと楽しもう」
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第3部 第15話 終了
「解放編」完結
第4部「文化編」へ続く




