第3部 第13話「紅炉の火山・竜人との邂逅」
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建国プロジェクト:状況報告
第3部・解放編 第13話開始時点
現在地:紅炉の火山・入口付近
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目的:サラマンダーの解放
イフリートの撃退
竜人との接触
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紅炉の火山が目の前にあった。
山肌を溶岩が流れていた。
空が赤く染まっていた。
紫色の筋が溶岩の中に混じっていた。
瘴気に犯されたマグマだった。
コダ:「地面を伝って苦しむ声が聞こえます。
今まで聞いた中で一番強い」
馬人ルドルフ:「体が燃えてるみたいッス。
そろそろ限界です」
通常の侵入ルートがなかった。
コダが地面に手をついた。
溶岩が流れていない岩盤のルートを読んだ。
コダ:「こっちです。
岩盤が厚い。
溶岩が来ていない」
浣熊人アッチが移動工房を開いた。
耐熱加工の装備を即席で用意した。
猪人フォーヌが水属性のルーン文字を武器に刻んだ。
金剛が先頭に立った。
溶岩を押しのけながら進んだ。
全員で山頂を目指し火山を登る。
熱気が全員を包んだ。
火山の魔獣
岩場の影から炎が揺らめく。
それはヘルハウンド、地獄の番犬と呼ばれる魔獣たちだった。
全身が黒い炎に包まれ、目が紫色に光る。それは瘴気の色。
ロガが左腕を横に振る。
ロガ隊が動いた。
戦闘が開始されるが、通常の武器が魔物に触れた瞬間に溶ける。
ジャック:「武器が」
コヨル:「熱すぎる」
フォーヌの水属性ルーン文字入りの武器だけが通じた。
信が紅蓮で動きながら急所だけを精密射撃した。
今回の敵を見越して、水の魔術印が刻まれた特製弾。
その弾が一体のヘルハウンドを貫いた。
信:「通常攻撃は無理だ。
フォーヌの武器と紅蓮の砲撃で対応する」
大きな岩石が蠢いた。
それは炎の巨人ムスペル。全高5メートルを越える魔物だ。
全身が溶岩で構成され、紫色の瘴気が全身から漏れていた。
通常の武器が近づくだけで溶ける。
熊人ジグニ:「俺が行く」
白熊人ビョルン:「俺も」
二人が前に出た。
ジグニが地の精霊魔法で岩石のグローブを作る。
ビョルンは水の精霊魔法で氷のグローブを作る。
二人はそれぞれのグローブで両足を前後に力一杯殴りつける。
ムスペルはバランスを崩し倒れた。
フォーヌの水属性武器が急所を貫いた。
ムスペルは炭となった。
アスラ:「二人とも、化け物だな」
エイリーク:「ビョルンおじさん。かっこいい」
ビョルン:「おじさんではない」
最深部・サラマンダーとイフリート
火山を登る。
熱気が増した。
頂上へと辿り着く。
火口だった。
直径100メートル以上。
火口の底で何かが泳いでいた。
炎の精霊サラマンダーだった。
その姿は美しかった。
しかし火口の上空に、何かが居座っていた。
全身が溶岩で覆われた巨大な存在。
溶岩が常に流れ落ちていた。
リヴァイアサン・ベヒーモスとは違う禍々しさが漏れ出ていた。
信は懐中時計でミネルヴェに繋げる。
信:「見えますか、ミネルヴェ先生」
ミネルヴェ:「炎の魔獣イフリートだ。
魔獣の王であり、ケイオスの眷属」
信:「サラマンダーは火口の中にいます」
ミネルヴェ:「結界で守っているんだろう。
イフリートとサラマンダー、
互いに相手を排除できずこう着状態が続いていたんだろう。
おそらく長い時間」
イフリートがこちらに気づいた。
巨大な溶岩の腕が振り下ろされた。
全員が飛び退いた。
イフリートとの決戦
溶岩散弾の雨が降ってくる。
金剛が盾になった。
表面が溶け始めた。
ロガが咆哮、真獣化した。
すぐさま正面から突進をする。
剣がイフリートの身体に触れた瞬間、溶ける。
信が紅蓮で急所を狙う。
だがイフリートの動きが速く捉えられない。
絶え間ない溶岩の散弾の攻撃に、全員が限界に近づいていた。
信:「今回も真空作戦で行こう」
シルト:「だが、あいつの動きを止めないと」
信:「俺の弾丸では止められない」
ルドルフが前に出た。
ルドルフ:「俺がやります」
信:「ルドルフ、イフリートに火の力はダメージを与えられない」
ルドルフ:「多分、大丈夫です。
今までとは違う感じがするんです」
ルドルフは目を閉じ、ゆっくりと左手を前に伸ばす。
その人差し指と中指を真っ直ぐイフリートに向けた。
息を吸い。止める。
目を開くと体が光る。
今まで放ってきたファイアアローとは違った。
指の前で渦巻く炎が青く変わっている。
サラマンダーの加護が宿ったのだ。
異変に気づいたイフリートがルドルフ目掛けてマグマの散弾を放つ。
ルドルフの体を青い炎が包み、これを防ぐ。
ルドルフ:「行くッスよ」
青い炎の魔法の矢を放った。
それはイフリートを貫いた。
イフリートの動きが止まった。
信:「今だ!」
犬人女王リュカが空間支配を展開した。
イフリートの周囲の空間を掌握。
シルトの黒魔術が周囲を覆った。
閉じた空間が生まれた。
イェラキとアエトスが空間内の空気を抜いた。
完全な真空が生まれた。
真空空間い包まれた結果、イフリートの全身のマグマに含まれるガスが膨張した。
大爆発を起こした。
イフリートの溶岩の鎧が砕け散る。
そのままイフリートが縮み小さくなった。
すると空間が歪み、そのまま姿を消した。
ケイオスが引き上げた。
アエトス:「また逃がした」
信:「同じだ。
でも今回は完全に力を奪えたはずだ」
サラマンダーの解放
火口の結界が解けた。
炎の柱が昇った。
サラマンダーが現れた。
ルドルフの前に立った。
言葉はなかった。
青い炎がルドルフを包んだ。
眷属となった。
続いて全員にサラマンダーの加護が流れ込んだ。
炎への耐性が増した。
熱が、少し遠くなった気がした。
溶け始めていた金剛の表面が加護で補修された。
アッチ:「金剛が直っている」
フォーヌ:「炎の加護は金属とも相性がいいらしいな」
竜人との邂逅
その時だった。
犬人女王リュカが動きを止めた。
火口の近くを見ていた。
リュカ:「誰かいる」
信:「どこに」
リュカ:「わからない。
でもいるのは分かる」
リュカが移動する。
そして空間に手をかざす。
クロノスの紋様が輝いた。
何もない空間の向こうが確かに応えた。
空間が開いた。
そこから現れたのは、人に近い形をした者、しかしその背には翼がある。
目は金色に光り、全身に鱗が混じっていた。
その力は弱っているようだが、その内に秘めた力は別格だった。質が違うと言っていい。
全員が息を飲んだ。
リュカだけが、その存在を見て怖がらなかった。
男:「開いたのはお前か」
リュカ:「はい、でもどうやったのか自分でも分からなくて」
男:「お前からはクロノス様の力を感じる」
リュカ:「 わたしはリュカ。
クロノス様のいる国の国王です」
男:「まだ子供の様だが」
リュカ:「皆に助けてもらってはいます」
男:「だが、力は確かな様だな。
我が名はカイ・ラガン。
クロノス様の眷属だ」
リュカ:「あなたは何の獣人なんですか?」
カイ・ラガン:「我は竜人。種族は次元竜だ」
リュカ:「どうしてここにいたの?」
カイ・ラガン:「人が立ち入らない秘境だったからな。
しかしあの炎の魔獣が現れ、身動きが取れなくなった。
長い時間が経ってしまった」
リュカ:「イフリートならもういません」
カイ・ラガン:「ああ、感じだよ。
それにしても、
久しぶりの空だ」
ミネルヴェが懐中時計越しに言った。
ミネルヴェ:「竜人は世界の真実を知っている存在だ」
リュカが続けた。
リュカ:「もしかして、
あなたがいたのは、違う次元だったんですか?」
カイ・ラガン:「ああ、そうだ。
我々竜人は、悪き力がこの世界に及ばないように護っている。
だが、竜人の数が減り、防御の力が弱まっている。
このままでは次元の外から侵入される」
信:「次元の外から」
カイ・ラガン:「ケイオス。
かつてのクロノス様の敵がそれを望んでいる。
外からの力を引き込もうとしてな」
信が言葉を失った。
ミネルヴェが懐中時計越しに呟いた。
ミネルヴェ:「それが最終戦争の引き金になりうる」
リュカ:「一緒に来てくれますか。
私たちの国クロノスリュカに」
カイ・ラガン:「クロノスと繋がった者がいる場所か」
リュカ:「はい」
カイ・ラガン:「分かった、行こう。
我も長く一人だったからな」
転移ゲートの作成
リュカが紅炉の火山の火口前に立った。
目を閉じた。
転移ゲートを作成した。
紅炉の火山とクロノスリュカの渓谷が繋がった。
リュカ:「帰りましょう」
全員で転移ゲートを潜った。
渓谷の光が見えた。
カイ・ラガンが初めて渓谷に入った。
空を見上げた。
カイ・ラガン:「ふむ、悪くない場所だな」
クロノスが神殿から気配を送った。
リュカの懐中時計が静かに光った。
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建国プロジェクト:状況報告
第3部・解放編 第13話終了時点
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サラマンダー:解放完了
ルドルフが眷属となった
全員にサラマンダーの加護が宿った
イフリートの撃退
青い炎の矢で動きを止め
真空爆発で撃退
またケイオスが引き上げた
竜人カイ・ラガンとの接触
クロノスリュカへ同行
「次元の壁が薄くなっている」
「ケイオスが外からの力を引き込もうとしている」
という警告
転移ゲート
焔火山↔クロノスリュカ渓谷
次のマイルストーン
→帰還・カイ・ラガンとリュカの本格的な対話
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第3部 第13話 終了
次話:「迫る脅威」




