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ワクワク獣人ランド 〜異世界PM:適材適所で虐げられている獣人たちと最強の国を作ります〜  作者: 星麒麟


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41/92

第3部 第11話「野盗の獣人たち」

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建国プロジェクト:状況報告

第3部・解放編 第11話開始時点

現在地:クロノスリュカ・建国地

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国民 :620名以上

資金 :金貨40枚・銀貨280枚


現在の戦力

【戦闘隊】

 陸戦隊(隊長:狼人ロガ):50名

 騎兵隊(ナインホース/隊長:馬人ペイス):30名

 重装隊(隊長:猪人フォーヌ):40名

 空戦隊(エウクレイア/隊長:隼人イェラキ):20名

【治安維持隊】

 治安維持隊(隊長:カティ):40名(国内専用)

【守護隊】

 大河守護隊(隊長:ルトラ):20名

 森林守護隊(隊長:スタアーグ):30名

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聖王教国カルシアとの条約第三項。


「人間を襲う獣人の野盗・山賊は クロノスリュカが取り締まる」

契約した以上、動かなければならい。

信が各隊長を集めた。

そこには鹿人コダもいた。

信:「シルト、状況の説明を頼む」

烏人シルト:「了解。コダ、行けるかい?」

コダ:「自身はないけどやってみます」

合図と共に大机が持ち込まれた。その机の上には大量の石が置かれている

信:「何が始まるんだい?」

シルト:「いいから見ててくださいよ」

コダがOKと告げるとシルトが魔法でコダに意識を繋ぐ。

コダが両手を机にかざす。

魔法陣が展開され、光が走る。

すると、机の上にはクロノスリュカ近隣の地形のミニチュアが出来上がった。

信:「すごい、錬成魔法はこんな使い方もできるのか」

シルト:「これがあれば、全員の作戦認識を高められるでしょ」

信:「ああ、ありがとう、シルト、コダ。

   では、各地で人間を襲っている獣人の野盗・山賊の情報が網に引っかかっています。

   大きく3つのグループを確認している。

   条約の履行として取り締まりに向かってほしい」

狼人ロガ:「壊滅させるか」

信:「できれば仲間にしたい。

   ただし改心しない者は各隊長の判断に任せます。

   俺はここで内政を進めます。

   リュカとミネルヴェも国に残る。

   懐中時計で常時繋がっている。

   判断が必要な時は呼んでくれ」


各隊が動き出した。


Aグループ:食うために盗む者たち


ペイス率いる騎兵隊が担当。

情報通りの場所に野営地があった。

20名程度の獣人が焚き火を囲んでいた。

痩せていた。

武器は粗末だった。

ペイスが先頭に立った。

ペイス:「クロノスリュカの騎兵隊です。

     全員武器を置いてください」


リーダーらしき獣人が立ち上がった。

しかし仲間たちの顔を見た。

腹が減っていた。

疲れていた。

リーダー:「正直、もう戦う力も残っちゃいない。

      やるなら人思いにやってくれ」

ペイスが隊員に武器をしまうように促す。

ペイス:「盗みをせずに生きていける場所があります。

     自分らしく生きていける場所です」

リーダー:「獣人の俺たちにそんな場所があるわけがない」

シマウマの獣人セト:「俺は奴隷だった。ずっと鉱山で働かせられていた。

           今は誇りを持って戦っている」

リーダー:「誇りか、そんなものはとうの昔に捨てちまったよ」

ペイス:「誇りは失われません。

     魂に刻まられたもので、誰にも奪えないものですよ」

リーダー:「……行くよ。

      正直、そろそろ俺たちも限界だったしな」


全員が武器を置いた。

若き馬人ルドルフが食料を配った。

全員が無言で食べた。

ペイスが懐中時計を取り出した。

ペイス:「リュカ殿、Aグループ完了です。

     結果、全員降伏。

     20名、クロノスリュカへ向かわせます」

犬人女王リュカ:「わかった。

         受け入れ準備をしますね。

         ペイスさん、ありがとう」

ロガ:「仕事をしただけです」

リュカ:「それでも、ありがとう」




Bグループ:元闘技場の剣闘士たち


陸戦隊が山へ向かった。

山間の廃村に15名が根を張っていた。

全員の体に傷跡があった。

目が荒れていた。

ロガにはわかった。

闘技場の闘士だった者たちだ。

リーダー:「クロノスリュカか。

      獣人の国があると聞いた。

      だから何だ」

ロガ:「仲間になれ」

リーダー:「断る。

      誰かの下につくのはごめんだ」

ロガ:「なぜ山賊をやっている」

リーダー:「行き場がない。

      闘技場を出てからどこにも属せなかった。

      だから奪う。

      それだけだ」

ロガ:「そうか」


ロガが剣を抜いた。

ロガ:「俺と戦え。

    勝ったら好きにしろ。

    負けたらクロノスリュカに来い」

リーダー:「剣闘士の戦いは、生きるか死ぬかだ」

ロガ:「あいにく、俺はもう剣闘士ではなく国の戦士だ」


一対一だった。

リーダーは強かった。

闘技場で生き残り続けた戦い方をしていた。

しかしロガの方が上だった。

決着は早かった。

リーダー:「お前も剣闘士だったのか。

      だが、お前の目は剣闘士の目ではない」

ロガ:「言っただろう、俺は今は国の戦士だ」

リーダー:「なぜ変われた」

ロガ:「仲間ができたからだ」

リーダー:「仲間か」

ロガ:「お前たちにも作ってやる」


リーダーが長い間、黙っていた。

リーダー:「俺たちの負けだ」


15名全員がロガを見た。

ロガが振り返らずに言った。

ロガ:「俺たちの国に帰るぞ」


その一部始終を、少し離れた場所から 狼人ローフェンが見ていた。

何も言わなかった。

ロガの背中を見ていた。

しかし何も言わなかった。

ロガに懐中時計で連絡が入った。

信:「Bグループの様子は」

ロガ:「全員、クロノスリュカへ向かわせる。

    15名だ」

信:「よかった」


ジャックが歩きながらコヨルに言った。

ジャック:「拍子抜けだった」

コヨル:「戦わないで終われるならそれが一番ですよ」

ジャック:「分かってる。

      だが、少しでも戦闘を積まなければいつまでもロガを超えられない」

コヨル:「ロガさんの真獣化みたいじゃないすか。

     もう無理ですって」

ジャック:「うるさい。諦めるものか。」




Cグループ:復讐を目的とした者たち


空戦隊と重装隊が担当した。

30名の獣人が街道沿いを根城にしていた。

戦闘力は中程度だったが目が違った。

人間への憎しみだけで動いていた。

隼人イェラキが上空から全体を把握した。

蝙蝠人アラファが音波で陣形を確認した。

重装隊のフォーヌが前に出た。

フォーヌ:「クロノスリュカだ。

      武器を置け」

リーダー:「クロノスリュカ。

      獣人の国か。

      なら話がわかるだろう。

      人間を守る側に回るのか」

フォーヌ:「条約を結んでいる。

      人間を襲う獣人は我々が取り締まる。

      それだけだ」

リーダー:「裏切り者が」

フォーヌ:「……そう思うなら

      かかってこい」


戦闘が始まった。

空戦隊が上空から急降下して陣形を崩した。

スカンクの獣人人テスカの毒霧が後方を封じた。

重装隊が正面から押した。

金剛コンゴウが盾になった。

アルマジロの獣人ウルルーが球になって群れに突っ込んだ。

猪人フォーヌのルーン武器が次々と武器を弾いた。

数分で包囲が完成した。

しかしリーダーが動かなかった。

リーダー:「殺せ。

      どうせ生きていても

      獣人に居場所はない」

フォーヌ:「クロノスリュカに来い。

      居場所はある」

リーダー:「信じられるか」

フォーヌ:「……そうか」


フォーヌが懐中時計を取り出した。

フォーヌ:「信、Cグループのリーダーが

      降伏を拒否している。

      どうする」

信:「メンバーの中で

   来たい者はいるか」

フォーヌ:「数名いる」

信:「その者たちは受け入れる。

   リーダーへの対応はフォーヌに任せます」

フォーヌ:「……わかった」


フォーヌがリーダーを見た。

フォーヌ:「お前は来ないか」

リーダー:「来ない。

      俺の憎しみはそんな簡単に消えない」

フォーヌ:「憎しみを背負った者をそのままにしておくことはできない」

リーダー:「ならば殺せ」

フォーヌ:「命を粗末にするな! 憎しみだけでは生きてはいけない」

リーダー:「わかってないな。

      その憎しみがあるから俺は生きていられるんだ」

フォーヌ:「俺にお前を殺させるな!」

後を向いたフォーヌに向かってリーダーは剣を持ち突進した。

次の瞬間、イェラキが間に入り、短剣でリーダーの胸を刺していた。

フォーヌは振り向き、その光景に驚く。

イェラキ:「フォーヌさん。

      敵に背中を見せてはいけない」


リーダーはそのまま倒れる。


フォーヌ:「敵だと、思いたくなかったんだ」


リーダーの死で、来ることを希望したメンバー8名が前に出た。

フォーヌが懐中時計を取り出した。

フォーヌ:「リュカ、Cグループ完了。

      8名、クロノスリュカへ向かわせる。

      リーダーは改心しなかった」

リュカ:(懐中時計越しに)

   「……そうか。

    8名、待っています。

    フォーヌ、ありがとう」

フォーヌ:「……俺は何もしていない」


ミネルヴェが懐中時計越しにリュカに言った。

ミネルヴェ:「聞いていたか」

リュカ:「うん」

ミネルヴェ:「救えない者はいる。

       いつかの海賊と同じだ。

       覚えているか」

リュカ:「……覚えてる。

     でも、やっぱり辛い」

ミネルヴェ:「それでいい。

       辛くなくなったら終わりだ」

リュカ:「……うん」



帰還とガルディウスの書簡


各隊が渓谷に戻った。

新たに43名がクロノスリュカに加わった。

翌朝、カルシアからの書簡が届いた。

将軍ガルディウスの署名があった。

「条約の履行を確認した。

 思ったより早かった。

 一つ伝えておく。

 北の方角から不穏な動きがある。

 魔獣の群れが南下し始めている。

 規模が大きい。続報を待て。

         ガルディウス」


信が全員に読み上げた。

イェラキ:「空から確認する。

      北の様子を偵察する」

信:「頼みます。

   急がなくていい。

   確実に情報を集めてくれ」


夜、信が手帳に書いた。

約束を守ることが信頼を作る。 信頼が、次の扉を開ける。 北から、何かが来る。 備えを急ごう。


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建国プロジェクト:状況報告

第3部・解放編 第11話終了時点

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国民 :665名以上

    新加入43名

資金 :金貨40枚・銀貨280枚


今回の成果

 Aグループ:20名全員加入

 Bグループ:15名全員加入

 Cグループ:8名加入・リーダーは改心せず


条約の履行

 カルシアのガルディウスが確認

 信頼が積み重なった


各隊の戦力確認

 陸戦隊:正面突破・連携が完成域

 騎兵隊:高速機動・包囲戦術が機能

 重装隊:制圧・防御が完璧

 空戦隊:陣形崩し・偵察が優秀


北からの脅威

 魔獣の群れが南下し始めている

 規模が大きいとガルディウスが警告


次のマイルストーン

 →北の凍土へ

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第3部 第11話 終了

次話:「北の凍土へ」



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