表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワクワク獣人ランド 〜異世界PM:適材適所で虐げられている獣人たちと最強の国を作ります〜  作者: 星麒麟


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
40/92

第3部 第10話「清風と神代の短刀」

========================================

建国プロジェクト:状況報告

第3部・解放編 第10話開始時点

現在地:クロノスリュカ・建国地

========================================

国民 :620名以上

緊急事態:瘴気による病人が多数

========================================



鷲人アエトスが渓谷の中央に立った。


翼を広げた。

シルフィードの加護が発動した。

風が変わった。

重く淀んでいた空気が、一瞬で入れ替わった。

瘴気が色を失った。

黒く変色していた森の木が、少しずつ緑を取り戻した。

病魔に蝕まれて横たわっていた国民が、目を開き始めた。

羊人クラグル:「よかった。これで大丈夫ね」


渓谷に清潔な風が流れた。

鹿人スタアーグが森を歩いた。

深呼吸した。

スタアーグ:「森が戻っている。

       ありがとう、アエトス」

鷲人アエトス:「シルフィードのおかげです」



クロノスからの言葉


リュカが神殿でクロノスと話している。

クロノス:「昔、シルフィードにあるものを預けていた。

      ケイオスやタルタロスと戦ていた時に使っていた短刀だ。

      アダマスという素材で作られている。

      今後の戦いにあった方がいいだろう」

リュカ:「アダマスの短刀。私が使っていいの?」

クロノス:「今の私は武器を扱える状態にない。

      お前が使え」


リュカが信に報告した。

信:「風産みの塔に取りに行く必要があるな」

リュカ:「うん。

     あと、学校の探索実習も兼ねたい」

信:「探索実習?」

リュカ:「ミネルヴェ先生がいつかしないとって言ってた。

     フィールドワークって言うのを生徒達に必要だって」

信:「まるで遠足だな」



メンバー選考


鼠人アルラッテが手を挙げた。

アルラッテ:「新型のブーツ型の実用テストをしたいんです」

信:「ブーツ型?」

アルラッテ:「戦闘時のスピード。

       私のウィークポイントを補う新しい機械脚です」

信:「次から次に、向上心の塊みたいな子だな、君は」

アルラッテ:「しんさんを見習ってのことです!」


アルラッテがもう一つ提案した。

アルラッテ:「後、せっかくだからカティさんも護衛として連れていきましょう」

猫人カティ:「何が折角なんだ」

アルラッテ:「カティさんはいつも国の防衛で居残りばかりです。

       たまには外の空気を吸わないとですよ」

カティ:「私がいない時に国の治安は誰が守る」

信:「いいんじゃないですか。たまに外に出るのも

治安維持も他の仲間を信じていいでしょう」

カティは渋々了承した。



メンバーが決まった。


【遠征メンバーの子どもたち】

犬人女王リュカ(9歳・国王だが、今日は学級委員長)

鹿人コダ(10歳・ノームの加護持ち)

鷲人アエトス(10代・シルフィードの加護持ち)

兎人ダレト(11歳・弁当・料理担当)

鼠人アルラッテ(8歳・ガントレット・ブーツ型テスト)

土竜人タルパ(8歳・地下探索が得意)

燕人ウィン(6歳・最年少・歌が好き)

猫人ニャル(9歳・暗部見習い・無口)

馬人ルドルフ(8歳・火の魔法使い)

鹿人ソラ(8歳・地図作成担当)


【引率・護衛】

信(引率)

猫人カティ(護衛)


出発前、信が全員に言った。

信:「探索実習とはいえ、塔の中には魔獣がいる可能性がある。

   必ず俺かカティの指示に従うこと。

   単独行動は禁止だからね」

ルドルフ:「了解ッス」

タルパ:「了解モグ」

ウィン:「はーい♪」

アルラッテ:「大丈夫、大丈夫!」


カティが信に小声で言った。

カティ:「これは護衛ではなく保育係だな」

信:「そうかも、しれません」



転移ゲートで最上階へ


転移ゲートを潜った。

風産みの塔の最上階だった。

シルフィードの光がアエトスに語りかけた。

アエトス:「シルフィードが言っています。

      短刀は確かに預かったのを覚えてる、と。

      でも……」

信:「でも?」

アエトス:「遠い昔のことでどこに置いたか忘れた、とのこと」

信:「あちゃー」


全員が沈黙した。

リュカ:「忘れたって。どの辺とかないの?」

アエトス:「多分1階の方だったと思う、とも言っています」

信:「しょうがない、下まで探索するしかないね」

カティ:「この塔は何階建てだ」

アエトス:「……数えていないそうです」

カティは額に手を当てる。

ソラ:「地図を作りながら進みます」

タルパ:「任せるモグ」



探索開始


階段を下りながら探索した。

鹿人ソラが地図を描きながら進んだ。

土竜人タルパが床をコンコンと叩いて構造を確認した。

タルパ:「この床、空洞モグ。隠し部屋がありそうモグ」

信:「どうやってわかる」

タルパ:「叩いた音が違うモグ」

信:「すごいね」



ゴブリンの群れ


早速、暗がりからゴブリンが飛び出した。

馬人ルドルフがファイアアローで一掃した。

ルドルフ:「楽勝ッス」

カティ:「油断するなよ」

ルドルフ:「はいッス」



スライムの群れ


床が揺れた。

スライムが現れた。

剣が通じなかった。

鼠人アルラッテがガントレットの電撃機能を試した。

スライムが分裂した。

アルラッテ:「増えた」

タルパ:「しまったモグ」


鹿人コダが地面から塩の成分を錬成した。

スライムが溶けた。

アルラッテ:「なるほど。データを記録します」

コダ:「スライムには塩が効く。

    ミネルヴェ先生の本に書いてあった」

信:「読んでいたのか」

コダ:「探索実習の前に予習してきました」



ミミック


棚に宝箱が並んでいた。

アルラッテが喜び開け続ける。

空箱が続いた数個目の箱はミミックだった。

牙の生えた大きな口を開きアルラッテを襲う。

アルラッテ:「うぎゃー!」

兎人ダレトが包丁でミミックの口のを切る。

ダレト:「もうちょっと慎重にな」

アルラッテ:「いやー、宝箱があると開けたくなるのものでしょう」


燕人ウィンが天井付近を飛びながら敵の位置を伝え続けた。

ウィン:「右から来るよ」

ウィン:「また右から来るよ」

ウィン:「また右」

コダ:「なんで全部右から来るんだ」

ウィン:「右に巣があるみたい」

信:「左から回ろう」


カティが全員の動きを確認しながら的確に指示を出し続けた。

カティ:「これは確かに保育係だな」



宝物庫の発見と暴走ゴーレム


最下層近くに重厚な扉を見つけた。

タルパ:「宝物庫の匂いがするモグ」

ソラ:「どんな匂い」

タルパ:「なんとなくモグ」


扉を開けた。

広い部屋だった。

棚に古い道具が並んでいた。

しかし部屋の中央に巨大なゴーレムが立っていた。

クロノスリュカの図書館前のゴーレムとは違った。

目が赤く光っていた。

信:「皆、散開だ!」

完全に暴走していた。

即座に攻撃してきた。

ルドルフが即座に発射したファイアアローは効果なく弾かれた。

アルラッテのガントレットからの銃弾も効果がなかった。

ゴーレムがアルラッテに素早く迫り拳を上げる。

アルラッテがブーツ型の噴射機能を起動し回避。

そのまま天井に張り付く。

コダ:「アルラッテ、ゴーレムの動きを止めて!」

アルラッテ:「了解!」

アルラッテはガントレットから大量のトリモチを打ち込む。

コダが前に出た。

床に古代の獣文字を刻んだ。

ゴーレムの足元が光った。

ゴーレムの動きが止まった。

コダ:「なんとか動きを止めました。

    でも錬成したコードは突貫で作成したものです。

    そう長い時間は止められません」

信:「よし、今のうちに探すんだ!」


全員が部屋を探した。

棚の奥の方に、短刀があった。

時を止めたように、綺麗なままで置かれていた。

刃が透明に近い色をしていた。

アダマスの短刀だった。

リュカが手に取った。

リュカ:「軽い」

信:「それがクロノスが使っていた武器なんだね」

リュカ:「そうみたい」


他にも謎の魔道具が数個、錆びた武具が数点あった。

鼠人アルラッテが素早くリスト化した。

アルラッテ:「全部持ち帰りましょう!

       帰ったらミネルヴェ先生やアッチさんとフォーヌさんに調べてもらいます」

信:「しっかりしてるなー」



帰還への道・大蛇との遭遇


全員が宝物庫から出た。

コダ:「危ないところだった」

リュカ:「終わったね」

ダレト:「お腹も空いた」

ルドルフ:「割と楽勝だったッスね」

ウィン:「やったね〜♪」


信が全員を見た。

信:「はい、みんな。

   遠足は帰るまでが遠足ですよ」

リュカ:「どう言うこと?」

信:「家に帰るまで、油断しないってこと。

   終わったと思って気が緩んだら、どんな事故や災難に会うかもしれない」

全員が「はい!」と返事をした。


案の定だった。

最上階への階段を上り始めた時、下から大蛇が現れた。

全長10メートルだった。

狭い階段での戦闘だった。

カティ:「こいつは厄介そうだ。

     私が前に出る。

     後ろを固めろ」


カティが先頭に立った。

コダが錬成魔法で足場を作った。

ルドルフのファイアアローが蛇の鱗を焼いた。

アエトスが風で蛇の動きを封じた。

ニャルが急所を突いた。

タルパが床に穴を開けて蛇を落とした。

タルパ:「モグ」


ウィンが上空から次の動きを伝え続けた。

カティが大蛇の頭をしとめる。


その後、全員が息を切らして最上階に辿り着いた。




帰り際の交渉


空は夕日に染まっていた。

塔からの眺めはまるで絵画の様だった。

信:「絶景だな」

リュカ:「本当綺麗だね」

安心したのかリュカはお腹を鳴らす。

それを聞いて、みんなが大笑いをする。リュカは少し顔を赤る。

ダレト:「折角ですし、ここでみんなでご飯にしましょう。

     食べられそうな魔物の肉は確保してますよ」

信:「でも、ここシルフィードの住まいでしょ。

   いいのかな?」

アエトス:「別に構わない、と言ってます」

信:「確認早いな」


コダは錬成魔法で料理用の鉄板を作成。

簡易の調理場をこしらえる。

ルドルフが火を入れる。

ダレトが人数にあまりあるご馳走を用意。

宴会が始まった。

外は夜になり、満点の星空に覆われた。

皆楽しそうに料理を味わい、話しをし笑いあった。

ウィンが歌い始めると皆で合唱となった。

カティは信の横に腰掛けると無言で酒を進める。

二人は若者達の楽しそうな姿を見ながら静かに酒を飲んだ。


信:「よーし、そろそろお開きだ。

   帰る準備を」

転移ゲートに向かう前にアエトスがシルフィードに話しかけた。

アエトス:「宝物庫のゴーレムを連れていっていいですか。

      暴走しているので止めてあげたい」


シルフィードが光で答えた。

アエトス:「どうぞ、と言っています。

      正直、邪魔だったそうです」

信:「そうか。

   ありがとうございます。

   リュカ、ここに移動できるかな」

リュカ:「これくらいの距離なら大丈夫」

リュカは時空魔法を展開し、ゴーレムを転送させた。

コダがゴーレムを停止させたまま転移ゲートに向かって引きずった。

タルパ:「重いモグ」

ルドルフ:「手伝うッス」

コダ:「ありがとう」


全員で転移ゲートを潜った。

渓谷が見えた。

カティが渓谷を見た。

帰ってきた。

カティ:「……案外、悪くないもんだな」

信:「また一緒に行きましょう」

カティ:「たまに、ならな」


渓谷に夕焼けが広がった。


========================================

建国プロジェクト:状況報告

第3部・解放編 第10話終了時点

========================================

シルフィードの加護の効果

 瘴気が完全に浄化された

 病魔に蝕まれた者が全員回復

 森が緑を取り戻した


入手物

 アダマスの短刀(クロノスの武器)

  →リュカが所持

 謎の魔道具:数個/錆びた武具:数点(ミネルヴェ、アッチ、フォーヌが調査予定)

 暴走ゴーレム(修復予定・コダが担当)


アルラッテの装備テスト

 ブーツ型:実戦テスト完了


子どもたちの成長

 実戦経験・チームワークが向上

 カティが遠征に初参加


次のマイルストーン

 →野盗の獣人たちの対応

========================================



第3部 第10話 終了

次話:「野盗の獣人たち」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ