表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワクワク獣人ランド 〜異世界PM:適材適所で虐げられている獣人たちと最強の国を作ります〜  作者: 星麒麟


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/38

第3部 第6話「地鳴りの洞窟」

========================================

建国プロジェクト:状況報告

第3部・解放編 第6話開始時点

現在地:ドワーフ国・地鳴りの洞窟入口付近

========================================

目的:ノームの保護

========================================

ドワーフの親方オラーリグが洞窟の場所を教えてくれた。


地図を広げた。

山脈の最深部に、古い坑道の跡があった。

オラーリグ:「『地鳴りの洞窟』と呼んでおる。

       実際、我々でもノームの社に辿り着いたことがない。

       伝え聞いているだけだ。

       どれほど深いかもわからない。

       数日はかかると思え」

信:「わかりました。しっかりと準備を整えます」

オラーリグ:「武器は提供してやる。

       鉱山用の頑丈な道具も」


装備を整えた。

猪人フォーヌが武器の防錆加工を確認した。

浣熊人アッチが照明装置を用意した。

羊人クラグルが医療道具を背負った。

鹿人コダが目を閉じた。

声を確認した。

コダ:「聞こえています。

    深い。でも、確かに聞こえる」



洞窟の中へ


入口から暗かった。

アッチの照明装置が壁を照らした。

岩肌に古い文字が刻まれていた。

今回の旅には賢者・梟人ミネルヴェはいない。

しかしコダが文字を読んだ。

コダ:「ノーム……への道。と書かれています」

信:「間違いなさそうだね」


コダの感じる声の方向だけを頼りに進んだ。



魔獣の群れ


洞窟の奥に進むにつれ、気配が増えた。

暗闇から複数の狼の魔獣ワーグが飛び出した。

狼人ロガの対が即座にこれに対処。

続いて猪の魔獣オークの群れが現れた。

大柄で鈍重だったがこちらも数が多かった。

馬人ペイスが槍で先頭を崩した。

熊人ジグニが岩を盾にして壁際に追い込んだ。

そして刃物を持った兎の魔獣ヴォーパルバニーが現れた。

動きが異常に速く、死角から致命傷を狙ってくる。

コヨーテ人コヨル:「なんて速さだ」

犬人女王リュカ:「右から来る。今!」


リュカの先読みでコヨルが防ぐ。

すぐさまロガがとどめを刺した。

ロガ:「助かる」

リュカ:「任せておいて」


コダも小刀を手に戦闘に加わっていた。

訓練の成果が出ていた。


洞窟での野営


探索1日目の夜。

食料の残りを確認した。

数日かかるか分からない。なるべく食料は節約しておきたい。

信:「誰か魔獣を調理できないかな」

ここには兎人ラギラブもダレトもいない。


全員が顔を見合わせた。


その時、コヨルが手を挙げた。

コヨル:「あの、俺、少しなら」

ロガ:「お前、料理できるのか」

コヨル:「はい、流浪の時期に自分で食べるものを作ってたんすよ。

     魔獣の捌き方もそれなりには」


フォーヌから特製の包丁を借り、コヨルがヴォーバルバニーを捌き始めた。

中々の手際だった。

ジャッカル獣人ジャック:「そんな特技があったのか」

コヨル:「隠してたわけじゃないけど言う機会がなかった」

フォーヌ:「その包丁はお前にやろう」

コヨル:「あざす! フォーヌさん」

魔獣の肉を焚き火で焼いた。

思いのほか旨かった。

ロガ:「悪くない」

コヨル:「ロガさんに褒められた。

     嬉しいな」

ジャック:「俺は褒めてないぞ」

コヨル:「ジャックには聞いてないよ」



地震が増加


探索2日目。

地震が増えた。

最初は微かな揺れだった。

しかし進むにつれてその揺れは強くなった。

天井から岩が落ちた。

ジグニが地の精霊魔法で支えた。

ジグニ:「安定している地層ではない。

     急ごう」

信:「コダ、声は」

コダ:「近づいています。

    苦しそうな声がはっきり聞こえる」



最深部


3日目の朝。

開けた場所に出た。

巨大な空洞だった。

中央に、光る結界があった。

その結界に向かって、何かが体当たりを繰り返していた。

その影はあまりに巨大だった。

牛に似た形をしていた。

2本の角が黒く光り、前に突き出していた。

全身が見るからに硬い皮膚に覆われていた。

何よりも全身より漏れ出ている禍々しさが尋常ではなかった。


体当たりのたびに地震が起きる。

信:「あれが、地震の原因か」

コダ:「結界の中にノームがいる」


魔獣が振り返った。

信たちを一瞥。

咆哮。

同時に岩石の無数の弾丸が飛んできた。

ジグニ:「伏せろ!」


ジグニが地の精霊魔法を発動した。

地面が隆起した。

防御壁を作成。

岩石の弾丸が壁に当たって砕けた。


静寂が戻った。


魔獣が静かに語り出した。

ベヒーモス:「ほう、これを防ぐか」

鴉人シルト:「いきなり攻撃だなんて

       せっかちじゃないですか」

ベヒーモス:「そうか。

       貴様らがリヴァイのやつが言っていた奴らか」

信:「リヴァイ……リヴァイアサン。

   ではお前はリヴァイアサンの仲間か」

ベヒーモス:「仲間?

       ガッガッガッ。

       貴様らの尺度で我々の関係を考えるな。

       我らはただいるだけだ。

       ケイオスの眷属としてな」

信:「ケイオスの眷属。

   ではお前も魔獣の王か」

ベヒーモス:「名をベヒーモス。

       幸運だぞ貴様ら。

       大体のものは我の名を聞く前に生き絶えておる。

       さて、貴様らは、どこまで我を楽しませてくれるかな」



総力戦


ベヒーモスが突進した。

地面が割れた。

ロガが正面から受け止めようと身構える、だが弾き飛ばされる。

ペイスが側面から槍で突く、だが弾かれる。

フォーヌの武器も弾かれる。ジグニのパワーで通らない。

信が紅蓮から炎の弾丸を放つが皮膚の表面を軽く焦がす程度だった。

信:「何て硬さだ。

   通常の武器では無理だ」


なす術が無い。


その時、コダが地面に手のひらを向け、目を閉じた。

声が聞こえる。

それはノームの声だった。

言葉ではなかった。

でも意味がわかった。

それは世界の理、物質の構成。

コダは頭でそれらを再構築する。

地面から光がたち上り、剣の柄が浮き上がる。

コダをそれを掴み地面から引き抜く。

光に包まれ、地面から剣が生まれた。

その刀身には電気が走る。

コダ:「ロガさん、これを」

ロガ:「……なんだ、これは」

コダ:「ノーム様が作らせてくれました。

    電気を含んだ鉱石を錬成した剣です」


次にコダがマグマの成分を含んだ槍を作った。

さらに、爆発する鉱石でハンマーを作った。

コダ:「槍をペイスさんに。

    ハンマーをジグニさんに。

    これなら、あの相手にも効くはずです。

ただ、耐久性は高くありません。

    一気に勝負をつけてください」

コダはそう言うと、力を使い果たしたかのようにその場に倒れ込んだ。


三人が同時に動く。


馬人ペイスがケンタウロス形態に変わり駆ける。

マグマの槍を持って突撃した。

ベヒーモス足元に潜り、大回転にて四脚を同時に薙ぎ払った。

脚から煙が上がる。ペイスの持っていた槍は砕ける。

初めてベヒーモスの呻き声が漏れた。

ベヒーモスの動きが鈍った。


その攻撃に呼応し、熊人ジグニも走る。

爆発するハンマーを両手で構えた。

動きの鈍ったベヒーモスの横っ面に渾身の一撃を見舞った。

大爆発を起こす。ハンマーも砕けちった。

ベヒーモスが完全に動きを止めた。


狼人ロガが飛んだ。

電気の剣を首に向けて振り下ろした。

一閃。

しかしベヒーモスは自らの角でその一撃を防いだ。

電気が走る。

剣は角を断ち切った。そして剣も弾けた。


その瞬間、悪い予感を感じリュカが叫んだ。

リュカ:「みんな、集まって!」

リュカの必死の叫びに、皆急ぎ集まる。コダはロガを抱えられて。


何かが収束するのを感じる。

とても禍々しい負のエネルギーが。

ベヒーモスの角から力が溢れ出していた。


ベヒーモス:「素晴らしい一撃だった。

礼に一つ教えてやろう。

       我らの魔角は無闇に折らぬことだ。

       我らの全魔力は角に集約されている。

       それを折られると一気に放出され、大爆発を起こす」

ベヒーモスは笑ったように見えた。

刹那、ベヒーモスの体が光に包まれた。

ジグニとペイスとコダが防壁の展開を始めた。

間に合わなかった。


リュカが目を閉じた。

時空魔法を発動した。

味方全員の時間を早めた。

爆発が届く前に、防壁が間に合った。

強大な衝撃が壁に伝わる。

洞窟が大きく揺れた。


防壁は崩れ、皆、土に埋まっていた。

ゴソゴソと土を掻き分け皆が起きる。

全員無事だった。

そこにいた、ベヒーモスは身体がとても小さくなっていた。

次の瞬間、そのまま消えた。

リヴァイアサンの時と同じだった。

シルト:「また、ケイオスが引き上げたんですかね」

信:「ああ。厄介な相手だね」



ノームの加護


結界が開いた。

光が溢れた。

地の精霊ノームが現れた。

コダの前に立った。

言葉はなかった。

光がコダを包んだ。

ノームがコダを眷属とした。

続いて全員にノームの加護が流れ込んだ。

大地への親和性が増した。

岩が、土が、少し近くなった気がした。


コダの錬成


コダが地面に手をついた。

獣文字を刻んだ。

ノームの社を覆う防壁が生まれた。

以前より頑丈な結界だった。

コダ:「防衛用のストーンゴーレムも作ります。

    時間がかかりますが。

    またいつ魔の手が迫るかわかりませんから」

信:「ああ、頼む」

コダ:「クロノスリュカにいる時に設計図を作ります。

    ここには定期的に来ます」


リュカがノームの社の前に立った。

目を閉じた。

転移ゲートが生まれた。

リュカ:「これでクロノスリュカから直接来られる。

     帰ったらコダにもクロノスの懐中時計を渡さないとだね」

コダ:「ありがとうございます」



信が洞窟の天井を見上げた。

様々な鉱石が埋まっているのか、星空の様に綺麗に輝いていた。

数日間、ここにいた。

魔獣と戦い、飯を食い、眠り、また戦った。

全員、生きていた。


コヨルが残った魔獣の肉を丁寧に包んだ。

ジャック:「お前、本当に料理が好きだな」

コヨル:「帰ったらダレトに魔獣の調理を教わっておく」

ジャック:「お前らしい」


転移ゲートが開いた。

渓谷の光が見えた。


信:「さあ、みんな帰ろう」

全員が頷いた。


========================================

建国プロジェクト:状況報告

第3部・解放編 第6話終了時点

========================================

ノーム:解放完了

 コダが眷属となった

 全員にノームの加護が宿った


コダの成長

 錬成魔法を習得

 電気の剣・マグマの槍・爆発するハンマーを制作

 ノームの社に防壁・ゴーレム制作を誓った


転移ゲート

 ノームの社↔クロノスリュカ渓谷

 懐中時計所持者のみ使用可能


新たな判明事項

 ベヒーモスもケイオスの眷属

 魔獣の王の角を折ると大爆発

 ケイオスが再びベヒーモスを引き上げた


コヨルの新たな一面

 魔獣を捌く才能が判明

  ロガ隊の料理長になるかも


次のマイルストーン

 →クロノスリュカへの帰還

 →ノームの加護による国の変化

========================================



第3部 第6話 終了

次話:「大地の恵み」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ