第2部 第13話「空が燃える日」
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建国プロジェクト:状況報告
第2部・建国編 第13話開始時点
現在地:クロノスリュカ・建国地
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国民 :210名
資金 :銀貨115枚
各プロジェクト進捗
時計塔:完成・探知機能稼働
ロボット4機:全機配備済み
防爆シェルター:完成
耐爆・耐火の魔術:街全体に展開済み
結界 :78%回復
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夜明け前だった。
時計塔の探知装置が鳴った。
蝙蝠人アラファが叫んだ。
アラファ:「南西から地上軍が接近。
上空に飛行兵器の群れ。
数は……200以上」
信が起き上がる。
信:「全員、戦闘に備えて。
敵が来た!」
防衛線の展開
西の城門前に狼人ロガと金剛が展開した。
南の平野に馬人ペイスとナインホースが展開した。
北の山脈上空に隼人イェラキとエウクレイア・烈風が待機した。
東のアルカ川にカワウソ人ルトラと激流が潜伏した。
蝙蝠人アラファが上空で探知を継続した。
猫人カティが国民を防爆シェルターに誘導した。
羊人クラグルの医療班が待機した。
土竜人タルパが地下通路の管理についた。
犬人女王リュカが時計塔の見張り台に移動した。
リュカ:「ここから全部見る」
信:「リュカ、無理はするな」
リュカ:「ここでしないでいつするの」
信:「確かにな。可能な限りサポートはする」
鼠人アルラッテが機械腕を装着した。
アルラッテ:「カティ、さぁ、行きましょう」
カティ:「お前はシェルターにいろ。これは戦争なんだ」
アルラッテ:「なら尚更でしょ。私の居場所はあなたの横なんだから」
カティ:「説得は無駄なようだな。行くぞ」
地上戦開始
夜明けと同時に、西と南から地響きが来た。
ガルディウスの地上軍5000名だった。
前回効果的だった罠は今回は無力かされほぼ効果がなかった。
西の門前でロガ隊と金剛が立ちはだかる。
敵の第一波の突撃が迫るが、金剛が盾になりそれを防ぐ。
攻めあぐねる敵の左右からロゴの隊が突撃し、これを撃破していく。
ジャッカルの獣人ジャックが次の動きを読む、ロガは指示を素早く金剛に伝えた。
ジャック:「ロガさん、右から来ます」
ロガ:「金剛、右」
金剛が右に動いた。敵の突撃を弾いた。
コヨーテの獣人コヨルが左翼を守った。
南の平野ではナインホースが高速移動と槍・弓の組み合わせで敵の先頭を崩し続けた。
ペイスの咆哮で敵の馬が乱れた。
しかし数の差は埋まらなかった。
圧倒的な敵の物量の前に、防衛線が少しずつ後退し始めた。
潜水部隊の奇襲
精霊殺しの部隊は前回の戦いで壊滅状況だったため、今回は少数で攻撃となった。
前回とは違うルートということで東を走る大河を昇ってきたのだ。
ルトラが激流と共にこれに迫り、瞬殺する。
この戦い最初の勝利は静かに成し遂げられた。
飛行兵器200機来襲
上空に200機の飛行兵器が現れた。
爆弾の投下が始まる。
通常爆弾、精霊妨害爆弾、煙幕爆弾が混在していた。
エウクレイアと烈風が迎撃に動く。
しかしイェラキの風の精霊魔法が封じられる。
イェラキ:「またか。精霊封じの機体がいる」
烈風が翼を広げ盾になる。
エウクレイアへの直撃を防いだ。
劣勢を受けて、信が紅蓮を駆り参戦する。
信の懐中時計が光り、飛行兵器を次々と撃墜した。
しかし200機の前には。
アラファ:「しん、精霊封じの機体を特定しました。
群れの中央・やや左。
他より大きい機体です」
信:「あれか」
懐中時計の照準補助が発動した。
時間が僅かに遅くなった。
精霊封じの機体が鮮明に見えた。
「敵の姿が見えさえすれば」と信は引き金を引く。
炎の砲弾が空を走る。
精霊封じの機体は懸命に避けようとする。
「残念。それは追尾弾だ」
信の言葉と同時に、炎の砲弾が精霊封じの機体を貫く。
機体が爆発した。
イェラキ:「やるじゃないか。
よし、お前ら、ここからが本番だ!」
エウクレイアが盛り返した。
風の精霊魔法が復活した。
気流が乱れた。飛行兵器が次々と軌道を失った。
しかし数が多すぎた。
さらに、追い討ちをかけるように別の精霊封じ機体が現る。
エウクレイアの魔法がまた封じられた。
爆弾が降り注ぐ
爆弾が街に落ちる。
耐爆・耐火の魔術で木々と建物への被害は最小限に抑えられたが数が多すぎた。
防衛線の一部が突破された。
ゴルダの山羊舎が被弾した。
山羊が逃げ出した。
山羊人ゴルダ:「山羊が」
猫人カティ:「待て。山羊は後で探せる。
お前は今ここにいろ」
ゴルダ:「でも」
カティ:「命令だ」
限界点
防衛線が崩れ始めた。
狼人ロガが金剛と共に最前線に立っていた。
金剛の自己補修機能が限界に達し始めた。
動きが鈍くなった。
信の弾薬が尽きかけていた。
エウクレイアは劣勢が続き、高度を下げざるを得なかった。
全員が限界に近づいていた。
ガルディウスが離れた高台から戦況を見ていた。
ガルディウス:「よし、もう少しだ」
精霊降臨
その時だった。
神殿の扉が、内側から開いた。
光が溢れた。
クロノスが外に出た。
初めてのことだった。
建国宣言の日以来、クロノスは神殿の中にいて全く外に出る気配はなかった。
クロノスは空に舞うと、渓谷を見渡した。
木々の間に建てられた住居。
水路が流れる街。
鳥が巣を作る石造りの建物。
自然と人が共に生きている景色。
「……悪くない街並みだな」と小さく呟いた。
時の精霊が、人間の作った国を認めていた。
リュカの声
時計塔の頂上でリュカが見ていた。
全部が見えた。
ロガが限界に近いこと。
信の弾薬が尽きかけていること。
エウクレイアが高度を下げていること。
170機を越えるの爆弾がまだ空にあること。
そんな絶望的な状況の中でも、全員がまだ生きていることを確かに感じる。
まだ間に合う。
リュカが目を閉じた。
声に出さずに、願った。
護りたい。全員を。この土地を好きな皆を。
この国を。この街を。この仲間を。そして信を。
クロノスがリュカの眼前に現れる。
クロノスがリュカを見た。
長い沈黙があった。
リュカは頷く。
クロノス:「よし。ちょっと無理をさせる。耐えて見せろ」
大いなる力が、リュカに流れ込んだ。
時空魔法発現
リュカの体が光に包まれた。
クロノスの紋様が輝いた。
時計塔が光り始めた。
塔がクロノスの力の増幅器になった。
光が塔から渓谷に広がった。
街全体を覆う巨大な時空魔法の魔法陣が展開された。
空に、光の紋様が刻まれた。
全員が動きを止めた。
敵も味方も、空を見上げた。
クロノスが静かに呟いた。
クロノス:「時とは、空間の記憶の連続帯。
時を支配するとは、空間を支配すること」
リュカが両手を広げた。
170機分の爆弾が空中で止まる。
空間が書き換えらる。
170機分の爆弾が全て敵の上空に転移する。
爆発が空で連続する。
飛行兵器が制御を失って落下する。
さらにその飛行兵器を敵の真上へと転移させた。
突然のことに敵の地上軍が混乱した。
リュカが倒れた。
時計塔の頂上から落ちかける。
それに気づいた信が紅蓮で駆ける。
間に合った。
リュカを抱きとめた。
信:「リュカ、大丈夫か」
リュカ:「……みんな、大丈夫?」
信:「大丈夫だ。お前のおかげだ」
リュカ:「……クロノスが力を貸してくれた」
信:「お前が願ったからだよ」
形成逆転・勝利
飛行兵器を失った地上軍が統率を失い始めた。
ロガ隊が反撃に転じた。
ナインホースが突撃した。
エウクレイアが上空から急降下した。
金剛が最後の力で敵陣に突進した。
ガルディウスが高台から戦場を見ていた。
長い沈黙の後、撤退を命じた。
怒りではなかった。
困惑でもなかった。
何かが変わった顔だった。
ガルディウス:「神代の力を使うというか」
戦後処理
羊人クラグルの医療班が走り回った。
負傷者が次々と運ばれた。
クラグル:「治ることは義務です。
全員、私のところに来なさい!」
鼠人アルラッテが被害状況を記録した。
ゴルダの山羊が全頭無事に見つかった。
ゴルダが山羊の頭を撫でた。
何も言わなかった。
それだけで十分だった。
クロノスがリュカの傍に立った。
クロノス:「よく耐えた」
リュカ:「……ありがとう」
クロノス:「礼などいらぬ。
お前が願ったから応えた。
ただ、それだけのことよ」
クロノスは満足そうな顔を見せ消えた。
そして神殿の扉が閉まった。
信が渓谷を見渡した。
壊れた場所もあった。
信:「全員生きているか」
バーナデッド:「死者:ゼロです」
信:「……それだけで十分だ」
夜、信は手帳に書いた。
全員生きている。 それだけで十分だ。 明日から、また直す。 この国は、まだ続く。
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建国プロジェクト:状況報告
第2部・建国編 第13話終了時点
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国民 :210名
死者:ゼロ
資金 :銀貨80枚
戦費・復旧費用で減少
戦闘結果
飛行兵器:200機全滅
地上軍:壊滅・撤退
死者:ゼロ
負傷者:多数・全員クラグルが対応
クロノスの動き
初めて神殿の外に出た
街並みを見て「悪くない」と呟いた
リュカに大いなる力を貸した
リュカの変化
時空魔法5発現・完全解放
時計塔がクロノスの増幅器として機能
長期療養が必要
時空魔法の真髄
「時とは空間の記憶の連続帯。
時を支配するとは
空間を支配すること」
ロボットの戦績
金剛:自己補修機能が限界まで発動
紅蓮:精霊封じ機体を撃墜・飛行兵器多数撃墜
烈風:エウクレイアの盾として機能
激流:川からの侵入部隊を阻止
ガルディウスの変化
撤退を「決断」した
何かが変わった表情
次のマイルストーン
→ リュカの療養・回復
→ ガルディウスの単独来訪
→ 15年前の真実
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第2部 第13話 終了
次話:「ガルディウスの答え」




