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ワクワク獣人ランド 〜異世界PM:適材適所で虐げられている獣人たちと最強の国を作ります〜  作者: 星麒麟


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第2部 第9話「敵が来る前に」

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建国プロジェクト:状況報告

第2部・建国編 第9話開始時点

現在地:クロノスリュカ・建国地

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国民 :170名

資金 :銀貨90枚


各プロジェクト進捗

 住居 :28棟完成

 図書館:建設中

 時計塔:65%完成

 結界 :68%回復

 防衛壁:四方完成

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建国から5ヶ月が経っていた。


渓谷に実りの気配が漂っていた。


最初の収穫

朝、兎人ラギラブが畑に走っていった。

土を触った。作物を手に取った。

ラギラブ:「できた」

呟くように発した声だった。

そこに国民が集まった。

ラギラブが最初の作物を掲げた。

誰からともなく歓声が上がった。

信:「予定より明らかに早くないか。

   クロノスの加護のせいか」

ラギラブ:「それだけじゃないよ。

      この土は生きている。

      みんなが手をかけたからだ」


栗鼠人バーナデッドが即座に計算を始めた。

バーナデッド:「このペースで収穫が続けば3ヶ月で食糧が自給できます。

        備蓄計画を立てます」


食の安定供給の見通しが立った。


シーベルト船団の定期便


その日の午後、アルカ川の港にシーベルト船団が到着した。

甲板に魚・貝・海藻が山積みになっていた。

ペンギン海人ベルトが飛び降りた。

ベルト:「定期便だ。受け取れ」

ダレト:「これ全部、海の幸ですか」

ベルト:「当然だ」

ダレト:「どう料理すればいい」

マリアナ:「教えてあげる」


兎人ダレトが海の食材を前に興奮していた。

陸の食材とは全く違う質感・香り・色だった。

その様子を、白い兎人の少年が見ていた。

料理チームの一員のイナバだった。


イナバの申し出


夜、イナバが信のところに来た。

イナバ:「シーベルト船団に乗りたいです。

    海の料理を覚えたい」

信:「そうか。

  挑戦はいいことだけど、ダレトには話したのかい?」

イナバ:「はい」


後からダレトが入ってくる。

ダレト:「俺は反対です。

    イナバがいなくなったら料理チームが困る」

イナバ:「ダレトさんがいれば大丈夫ですって」

ダレト:「決心は変わらないのか?」

イナバ:「はい」

ダレト:「わかったよ。行ってこい」


翌朝、猪人フォーヌがイナバを工房に呼んだ。

特製のさばき包丁を差し出した。

海の魚に特化した刃の設計。ルーン文字で錆止め・切れ味維持の加工が施されていた。

フォーヌ:「ダレトから頼まれてな。

      徹夜で仕上げといたよ」      

イナバが包丁を手にとる。

フォーヌ:「海水で使うならこれが必要だ」

イナバ:「ありがとうございます!」

フォーヌ:「メンテナンスをしっかりしろ。

      道具は大事に使うものだぞ」

フォーヌ:「はい!」


イナバがシーベルト船団に乗り込んだ。

ベルト:「よく来たな! 歓迎するぞ」

イナバ:「任せてください。

    皆さんの胃袋を幸せに満たせるように頑張ります」

ベルト:「気に入った」



ガルディウスの動きと小型飛行兵器の情報


狐人ドミナスがマルカンドから戻って数日。

その表情は硬かった。

ドミナス:「報告があります。

      ガルディウスが新たな作戦を準備しているという情報です。

      今までとは違う攻め方をすると」

信:「どんなものか掴んでいるかい?」

ドミナス:「カルシアの軍が空を飛ぶ兵器を作っているという話です。

      魔術師が遠隔操作できる飛行体。

      その数は50機以上になると」

信:「空から……。それは確かなのか」

ドミナス:「ええ、アラファに探ってもらって裏は取ってます」


信が青ざめた。

信:「なんてことだ、それじゃあ地上の防衛線が意味をなさなくなる」

ロガ:「正直、空から来るなら俺たちでは対応が難しい」


至急、防衛会議が開かれた。

ロガ・猫人カティ・馬人ペイス・蝙蝠人アラファも集められた。

信:「空戦ができる戦力があれば戦えるけど。

   シルト、何か手はないかな」

鴉人シルト:「あるにはあるんですが」

信:「どんな?」

シルト:「各地を転々とする鳥人たちのゲリラグループがこの辺りにいるという話です。

     なんでもハヤブサの鳥人のリーダーが率いているとか」

信:「すぐに会いに行きましょう」

アラファ:「『エウクレイア』という集団です」

信:「アラファ、知っているのかい」

アラファ:「実は、ここに参加する前に接触したことはあるんです」

信:「どんな集まりなんだ?」

アラファ:「とても共闘という雰囲気ではないですよ」

信:「そうか。

   ただ、話してみないとわからないよ」



鳥人ゲリラグループとの接触


シルトが数日かけて連絡を取った。

山の中腹で待ち合わせた。

木々の上から、鳥人たちが見下ろしていた。どのメンバーも殺気立っていた。

隼人のイェラキが降りてきた。

褐色の羽毛・鋭い目・細身だが俊敏な体つき。

人の姿になり、信たちの前に歩み出た。


イェラキ:「忌むべき人間がよくもまあ来れたもんだ」

信:「話を聞いてほしい」

イェラキ:「話だけは聞いてやる。

     で、俺たちに何の用だ」

信:「一緒に戦ってほしい。

   空からの攻撃に対抗するために空戦ができる戦力が必要だ」

信は迫る敵の事、対空防衛装置の想定など、現状を全て話し協力を仰いだ。

イェラキ:「断る。

      俺たちは弱い者とは組まない」

信:「俺たちは弱いとは思っていない」

イェラキ:「では証明してみろ。

      一対一で俺に勝ったらお前たちと共闘してやる」

その言葉にロガが一歩前に出る。

ロガ:「俺が行っていいか」

信:「すいません。お願いします」

イェラキがロガを見る。

イェラキ:「その狼人が相手か」

ロガ:「武器は?」

イェラキ:「当然、真剣だ」

ロガ:「分かった」



狼王ロガ 対 隼帝イェラキ


開けた場所で向き合う。

イェラキは変身し、上空に舞い上がる。

そして、風の精霊魔法を発動した。

風が渦を巻いた。イェラキを中心に気流が生まれた。

ロガが地面を蹴った。

しかし届かない。

イェラキが急降下した。風の刃が抉るように地面を切り裂く。

ロガがなんとか避ける。しかしすぐさま次の急降下が来る。

今度はすれ違い様にロガが剣を振るうが捉えることができない。逆に腕に切り傷が生まれる。

地上戦では圧倒的なロガだったが、空中を飛ぶ相手には部が悪い。

イェラキは風の魔法を変化させ、あたりの視界を狭めた。

再び急降下が迫る。

ロガはイェラキの刃でゆるんだ地面に足をとられ体制を崩す。

大量の風の刃がロガの身体を傷つける。

イェラキはさらに風の力を高める。そして天高く舞い大きく雄叫びをあげる。

ロガの動きが鈍くなっている。

空中のイェラキは勝負時と見て、止めの体制に入る。


その様を見て、犬人女王リュカが胸の懐中時計を握りしめ、ロガの勝利を強く願う。

それに呼応して、ロガの懐中時計も光った。

クロノスの加護が発動したのだ。


ロガの中で時の流れが、僅かに遅くなった。

これまで捉えられなかったイェラキの動きを鮮明に追う事ができる。

イェラキが勝負を決めるために急降下する。

ロガは次の急降下のコースが、わかった。

ロガが踏み込む。

イェラキは人の姿となり短刀をロガの首元へ突き刺す。

その短刀をロガは左腕受け止める。

同時に相手の首元に、右腕で差し出した剣を置いた。


二人は静止した。


イェラキ:「なんてこった。この攻撃を見切るか」


ロガが剣を下げた。

イェラキ:「俺の負けだな」

ロガ:「いや、実際は俺の負けだ。

    これはクロノスの加護の力で拾った勝利だ。

    一対一では勝てなかった」

イェラキ:「“それ“も込みであんたの力だろ」


二人が向き合った。

鳥人たちが木の上から降りてきた。

その中に、若い鷲人がいた。大きな翼。まだ幼さが残る目。

鷲人アエトスだった。

アエトス:「あんたが負けを認めるのを、はじめてみた」

イェラキ:「悪かったな、お前相手じゃなくて」

アエトス:「ふん、すぐに認めさせてやるさ」



エウクレイアの加入


イェラキ:「約束だ。手を貸そう。

      ただし俺たちのやり方は変えない。

      空の戦いは俺たちに任せてもらう」

信:「よろしくお願いします」

イェラキ:「もう一つ。

      対空防衛装置とやらを考えているそうだが、俺たちと一緒に設計させろ。

      空の事は空を知る者が決める」

信:「是非とも! それは心強い」


鳥人グループ13名「エウクレイア」がクロノスリュカに加わった。


対空防衛の設計

信が浣熊人アッチを呼んだ。

信:「空から来るものを止める術はあるかな?」

アッチ:「正直、今は何も思い浮かばない」

鼠人アルラッテ:「いっそ操作している魔術師を狙ったほうが早くないですか?」

信:「場所はどうやって特定するつもりだい?」

蝙蝠人アラファ:「それなら音波探知と風魔法で飛行体の発信源を逆算できるかもしれません」

イェラキ:「空の動きは俺たちが読む。

      コウモリさんの音波と魔法と合わせれば精度が上がる」

アッチ:「面白い。

     全部組み合わせよう」


対空防衛装置の開発が始まった。



時計塔の完成が近づく


夕暮れ、犬人女王リュカが時計塔の頂上から渓谷を見下ろしていた。

ジグニが下から言った。

ジグニ:「あと2週間ほどで完成するな」

リュカ:「この塔が完成したら国のみんなが同じ時間を見れるね」

ジグニ:「同じ時を生きる、ってやつだな」


リュカは懐中時計を握りながら微笑む。

そして「今日は、ありがとうね」と呟いた。


懐中時計がそれに応える様に静かに光った。


夜、信は手帳に書いた。

守るべきものが増えた。 食糧、建物、国民、文化、仲間。 だから、備えが必要だ。

空からの脅威。これが次の課題だ。


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建国プロジェクト:状況報告

第2部・建国編 第9話終了時点

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国民 :185名

    鳥人グループ13名加入

    (隼人イェラキ・鷲人アエトスほか)

資金 :銀貨105枚

食糧 :初収穫・備蓄開始

    シーベルト船団の定期便で

    海の幸が安定供給


各プロジェクト進捗

 住居 :30棟完成

 図書館:建設中・50%完成

 時計塔:80%完成・完成まで2週間

 結界 :72%回復

 対空防衛装置:開発開始


新たな戦力「エウクレイア」

 鳥人グループ13名

 イェラキ:空戦指揮・風の精霊魔法

 アエトス:将来シルフの加護を得る者


懐中時計の加護

 リュカの願いでロガへの加護が発動

 クロノスの力が戦闘に影響を与えた


新たな動き

 イナバがシーベルト船団に合流

 将来の海料理部門の礎


敵の動き

 敵将ガルディウスが新作戦を準備中

 小型飛行兵器・50機以上の情報


次のマイルストーン

 → 時計塔の完成

 → 対空防衛装置の完成

 → ガルディウスへの備え強化

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第2部 第9話 終了

次話:「精霊の声」



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