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ワクワク獣人ランド 〜異世界PM:適材適所で虐げられている獣人たちと最強の国を作ります〜  作者: 星麒麟


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第2部 第8話「文字を取り戻す」

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建国プロジェクト:状況報告

第2部・建国編 第8話開始時点

現在地:クロノスリュカ・建国地

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国民 :165名

資金 :銀貨85枚


各プロジェクト進捗

 住居 :25棟完成

 水路 :完全稼働

 防衛壁:西側城門90%完成

 時計塔:塔身建設中・60%完成

 結界 :65%回復

 図書館:計画中

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建国から4ヶ月が経っていた。


渓谷に秋の気配が漂い始めていた。

梟人ミネルヴェが毎朝、神殿の一角に籠っていた。獣文字の断片を集め、記録し、並べ替えていた。

72年間で集めた記録が、ここに来てようやく形になりつつあった。

信:「何を作っているんですか」

ミネルヴェ:「辞書だ。

       獣文字の辞書。

       この大陸で

       誰も作ったことのないものを」

信:「完成にはどれくらい?」

ミネルヴェ:「一生かかるだろう。それでも終わるか」

信:「誰か手伝いをつけましょう」

ミネルヴェ:「いや、これは私の仕事だ」



獣文字の公式化


信が全国民を集めた。

信:「今日から獣文字を

   この国の公式文字とします。

   外との交渉では共通語も使う。

   だから二言語が、これからのこの国の言葉です」


国民がざわめいた。

長年禁じられてきた文字が、公式になった。

信:「住民登録には獣文字での名前を共通語と併記します。

   自分の名前を、自分の文字で書いてください」


栗鼠人バーナデッドが管理台帳を開いた。

国民が一人ずつ、爪で自分の名前を刻んだ。

岩山羊人ガルバが台帳の前に立った。

ゆっくりと、丁寧に、自分の名前を刻んだ。

それだけだった。

誇らしげだった。


子どもたちの発見


その日の午後。

子供の鹿人コダとソラ、後数人の子どもたちが森の奥で遊んでいた。

森の中でのかけっこを競っていた。

途中コダが石に躓いて転んだ。それを見て皆が笑った。

コダ躓いた石を見ると苔に覆われた大きな岩石であった。

表面を払うと、古い文字が現れた。

コダ:「これ、獣文字だ」

ソラ:「でも、形が違う」

コダ:「きっと古い型だよ。

    スタアーグさんに聞いたことがある。

    ミネルヴェ先生に伝えなきゃ!」


コダは急ぎミネルヴェの元に走り、ミネルヴェと馬人数人を連れて戻ってきた。

ミネルヴェが岩石を見た瞬間、目が変わった。

ミネルヴェ:「確かにこれは古代獣文字。

       すまない、これを学校へと持ち帰って欲しい」

馬人ペイス:「任せてください。

       よし、お前たち、荷車に乗せて運ぶぞ」

その岩石はミネルヴェの研究のために持ち帰られた。


ミネルヴェの調査



ミネルヴェ:「500年以上前の獣文字。

       いや、もっと古いかもしれない」

コダ:「先生、読めますか」

ミネルヴェ:「一部はな。

       だが欠けている文字がある」


コダが岩石を覗き込んだ。

欠けた箇所があった。

スタアーグから聞いた口伝の中に、似た文字があった。

コダ:「ここ、こういう文字じゃないですか」

ミネルヴェ:「待て、まだ確認が」


コダが爪で文字を補った。


岩石が震えた。

目が赤く光った。

全高3メートルのストーンゴーレムが静かに立ち上がった。


暴走するゴーレム


ゴーレムが渓谷を歩き回った。

行く先の建物が壊れた。

国民が逃げた。

猫人カティと狼人ロガが即座に動いた。

カティが得意の体術でゴーレムの足に回し蹴りを入れる。

カティ:「痛っ!

     なんて硬さだ」

ロガの隊が四方から取り囲み、剣を入れるが弾かれる。

ロガ:「硬すぎる」


そこに遅れてきた熊人のジグニが立ち向かう。


熊人ジグニ:「俺が押さえる」


ジグニがゴーレムに飛びついた。

腕を掴んだ。

それでもゴーレムは動いた。

ジグニごと、壁に叩きつけた。

ジグニ:「ぐはっ!

     な、なんてパワーだ」

猪人フォーヌがルーン文字を刻んだ武器を試した。

だがこれも効果が薄い。

フォーヌ:「こいつの文字と

      俺のルーン文字が

      干渉している」

ミネルヴェ:「そうか。

       文字で動かしたなら

       文字で止められる」



ミネルヴェの解読


ミネルヴェは梟の姿となり、ゴーレムの周りを飛び、岩石の文字を読み続けた。

コダが隣で必死に手伝おうと駆けた。

自分が補った文字がゴーレムを動かした。

その事実が、コダを突き動かしていた。

コダはゴーレムに飛びつき、ある箇所を指差した。

コダ:「先生! ここの文字列が命令文に見えます」


ミネルヴェはコダの横に飛び人の姿に戻る。


ミネルヴェ:「どこで覚えた」

コダ:「前にスタアーグさんから教えてもらいました。

    多分、構造が似ている」

ミネルヴェ:「……なるほど」


ゴーレムが国民に迫った。

ミネルヴェが特定の文字列を刻んだ。

するとゴーレムが止まった。

渓谷に静まりが戻った。


コダへの励まし


コダが膝をついていた。

俯いたまま動かなかった。

信がコダの前にしゃがんだ。

信:「コダ。失敗は誰でもすることだ。

   大事なのはしっかり反省して繰り返さないことなんだよ。

   でも、まぁ、今回は結果的にゴーレムを起動できた。

   制御できたら国の守神になる。

   お手柄だよ」

コダ:「……でも、みんなが危なかったです。建物も壊れちゃったし」

信:「そうだ。だから反省する。そして同じ失敗はしない。

   自分を責め続けることは次の一歩を止めることになる。

   反省したら、前を向け」


コダが顔を上げた。

ミネルヴェが少し離れた場所で、それを聞いていた。

コダが立ち去った後、ミネルヴェが言った。

ミネルヴェ:「甘いんじゃないか」

信:「失敗は成功の親ですよ。

   特に子どもは失敗から学ぶ生き物だ。

   そのために大人がいるんじゃないですか」

ミネルヴェ:「…………」

信:「ミネルヴェさんは

   72年間、何から一番学びましたか」

ミネルヴェ:「失敗からだな」

信:「ですよね。僕だって失敗しますし」


そう言い信は笑った。


ミネルヴェ:「……わかった」


その夜、ミネルヴェが授業の進め方を変えた。

答えを教える前に、まず自分で考えさせる。

翌日の授業で、コダが初めてミネルヴェに褒められた。


制御の確立


数日後。

フォーヌがゴーレムにルーン文字を刻んだ。

浣熊人アッチが制御機構を設計した。

ミネルヴェの古代獣文字とフォーヌのルーン文字が組み合わさった。

フォーヌ:「古代文字とルーン文字は同じ根から来ている。

      相性がいい」

アッチ:「面白い。

     両方を使えばもっと精密な制御ができる」

ミネルヴェ:「文字の力は

       まだ底が見えないな」


制御が確立した。

コダがゴーレムに近づいた。

ゴーレムがコダを認識した。

起動させた者として、記憶しているようだった。

ゴーレムが渓谷の入口に立った。

国の守神になった。


ミネルヴェの辞書編纂プロジェクト


コダ:「先生、獣文字の辞書を作っているって聞きました」

ミネルヴェ:「そうだが、それがどうした?」

コダ:「俺にも手伝わせてください」

ミネルヴェ:「あの失敗の埋め合わせのつもりか?」

コダ:「それも、ありますが。

    文字の力を正しく理解したいです」

ミネルヴェ:「時間のかかる仕事だぞ」

コダ:「はい」


断るつもりだったが、コダのまっすぐな目を見てミネルヴェは諦めた。


ミネルヴェ:「ならば覚悟しろ。

       獣人の文化の礎を築く作業だ。」

コダ:「はい! 先生!」


鹿人ソラも参加を希望した。

文字に興味を持った子どもが他に数名集まった。

ミネルヴェの辞書編纂プロジェクトが始まった。


図書館の建設開始


信がジグニとガルバを呼んだ。

信:「図書館を作りたいんだ。

   世界中の本を集めた。そして将来的にはこの国で作った本を収蔵する」

ジグニ:「正直、住宅やら防壁やら時計塔で手が回らないんだよ

     それは急ぎかい?」

信:「無理は言っているのは分かっているんだけど、国として重要なものなんだ」

ジグニ:「どうして図書館が重要なんだい?」

信:「知は力だ。

   図書館があれば、この国に集まった知識を全員が使えるようになる」

ジグニ:「ゴーレムの守護場所も兼ねるかい」

信:「いい考えだね」

ジグニ:「分かった。なんとかしよう。ガルバ、お前がやってみるか」

ガルバ:「ああ、任せろ」


図書館の建設が始まった。

ゴーレムの定位置が図書館の前に決まった。


石碑の収集ネットワーク


ミネルヴェが鴉人シルトと狐人ドミナスを呼んだ。

ミネルヴェ:「各地に散らばった

       獣文字の石碑を探してほしい。

       商人ネットワークも使ってもらいたい」

シルト:「了解です。

     情報網を使います」

ドミナス:「マルカンドの商人ルートも活用します」

ミネルヴェ:「急がなくていい。

       ただし確実に」


獣人の古代文字を取り戻す旅が、静かに始まった。


印刷産業の布石


夜、鼠人アルラッテがアッチの工房で設計図を広げていた。

アルラッテ:「本が作れればすごい産業になる予感。

       活版印刷の活字っていいうのをフォーヌさんの工房で作れる。

       インクはベルトたちにタコとかイカの魔獣の墨袋を確保してもらう。

       紙はラギラブさんに植物繊維で作れないか聞けばいいかな」

アッチ:「全部揃えば本が作れるか」

アルラッテ:「獣文字の本を大陸中に広めれば文化が伝わるじゃないですか」


翌日、ミネルヴェにその計画を話した。

ミネルヴェ:「産業の前にまずは文化だ」

アルラッテ:「両方一緒にやればいいじゃないですか!」

ミネルヴェ:「分かったよ。やってみろ」



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建国プロジェクト:状況報告

第2部・建国編 第8話終了時点

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国民 :170名

資金 :銀貨90枚


各プロジェクト進捗

 住居 :28棟完成(一部損壊・修復中)

 図書館:建設開始

 時計塔:65%完成

 結界 :68%回復

 防衛壁:西側城門完成


新たな戦力

 ストーンゴーレム:国の守神として制御確立

 定位置:図書館前


文化の確立

 獣文字・共通語の二言語公用語制

 住民登録に獣文字の名前を併記

 ミネルヴェの辞書編纂プロジェクト開始

 弟子:コダ・ソラ・数名


産業の布石

 印刷用インクの確保計画(ベルトたちへ依頼)

 活版印刷の活字製造(フォーヌ工房)

 紙の研究ラギラブ


教育の変化

 ミネルヴェの教育方針が変わった

 「答えを教える前に考えさせる」


石碑収集ネットワーク

 シルト・ドミナスが各地の

 獣文字石碑の情報収集を開始


次のマイルストーン

 → ガルディウスの動きへの対応

 → 敵の新型兵器の情報入手

 → 時計塔の完成

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第2部 第8話 終了

次話:「敵が来る前に」



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