第2部 第6話「鍛冶場の夜」
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建国プロジェクト:状況報告
第2部・建国編 第6話開始時点
現在地:クロノスリュカ・建国地
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国民 :125名
資金 :銀貨45枚
食糧 :農業始動・安定化
各プロジェクト進捗
防衛壁:西側の石造り城門50%完成
住居 :20棟完成・増設中
水路 :完全稼働・農業用水と飲料水を分離
農業 :一部作物の芽吹
時計塔:基礎工事完了・塔身建設開始
結界 :リュカの補助で30%回復
工房 :量産体制確立・弟子数名在籍
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建国から2ヶ月が経っていた。
日々、渓谷の景色が変わっている。
住居が20棟並び、水路が渓谷を走り、市場には毎日人が集まった。神殿の隣では時計塔の骨格が少しずつ高くなっていた。西側の城門工事が進んでいた。
結界はまだ完全ではなかったが、犬人女王リュカが毎日少しずつ補助していた。
渓谷の東側に、2つの工房が並んでいた。
猪人フォーヌの鍛冶工房と、浣熊人アッチの発明工房だった。
二つの工房
フォーヌの鍛冶工房には、腕っぷしの強い者たちが集まっていた。
岩山羊人ガルバが最初に入った。建設の合間に顔を出すうちに自然と居着いた。
他にははぐれ者から来た獣人が2名。力仕事を厭わない者たちだった。
ここでは鉄器、武具をはじめ、調理用品、農耕道具が量産されていた。フォーヌのルーン文字加工で品質が高い。
一方、アッチの発明工房には手先の器用な者たちが集まっていた。
鼠人アルラッテが学校と猫人カティの巡回以外はここに入り浸っていた。
他に子どもが数名、細かい作業が得意な獣人が数名。
ここでは発明品・精密機器・時計・防衛ロボットの試作が進んでいた。アルラッテは自分の機械腕の開発も並行して進めていた。
信:「2つの工房で棲み分けができてきたね」
アッチ:「大掛かりな装置を作る時は
フォーヌ君と協力する。
時計塔がその最初の例だな」
フォーヌ:「アッチが設計して
こちらが作る。
悪くない」
ドミナスとシルトの市場調査報告
狐人ドミナスと鴉人シルトが商人国家マルカンドからの調査報告を持って帰ってきた。
信・栗鼠人バーナデッド・アルラッテが集まった。
ドミナス:「王族・貴族向けには
強い魔獣のアクセサリーへの需要が高いですね。
強い魔獣を身につけることで見栄を張っている様です。
本当に人間という生き物は」
シルト:「思った通り、リバーレイスの黒鱗は最高級品になりますね。
あと、一般層向けには
品質の良い調理器具の需要が確認できました」
信:「フォーヌの調理器具ならすぐに評判になるね。
あれはすごいよ。使ってて楽しい」
ドミナス:「武器・刃物は輸出しない。
包丁も含めて」
信:「そう、当然」
アルラッテの価格設定
アルラッテが即座に計算を始めた。
アルラッテ:「製造コストから考えるとこの価格帯が適正です。
安売りはしない。
品質で勝負する」
フォーヌ:「値段は俺が決める」
アルラッテ:「フォーヌさんの感覚と
わたしの計算を合わせれば
最強でチュウ……
最強です」
フォーヌ:「今、鳴いたか」
アルラッテ:「鳴いてませんよ」
アクセサリーの意匠について話が出た。
信:「折角の素材だからデザインを考える者が必要だね。
それは今後の課題にしよう」
バーナデッド:「台帳に記録します」
フォーヌとガルバの夜
夜、フォーヌの工房に灯りがついていた。
フォーヌが弟子たちに技術を教えていた。
かつて「技術は盗まれた」と思っていた男が、今は自分から伝えていた。
弟子たちが眠った後、ガルバだけが残っていた。
黙々と鉄を叩いていた。
鉱山で石を積み続けてきた手が、今は鍛冶の道具を握っていた。
フォーヌ:「お前、筋がいい」
ガルバ:「……鉱山での作業と同じはずなのに
ここの鍛冶場では全然違う気がするんだ」
フォーヌ:「何が違う」
ガルバ:「わからない」
フォーヌ:「やらされてやる作業と自分で望んでやる作業には差がでるもんだ」
ガルバ:「そういうものなのか」
フォーヌ:「思いってのは鉄に伝わるんだよ」
二人が黙って鉄を叩いた。
言葉はいらなかった。
アッチの工房の夜
同じ頃、アッチの工房にも灯りがついていた。
アルラッテが機械腕の設計図を広げていた。
アッチが時計塔用の歯車を磨いていた。
アッチ:「今日もルーン文字を
フォーヌ君の工房で学んできたか」
アルラッテ:「はい。
機械腕にルーン文字を刻めば
強度が上がると思って」
アッチ:「面白い発想だ。
フォーヌ君に頼んでみなさい」
アルラッテ:「もう少し設計が固まったら」
アッチ:「急がなくていい。
いいものは時間をかけて作る」
アルラッテ:「……アッチさん、
時計塔が完成したら
次は何を作りますか」
アッチ:「ロボットだよ。
信さんとの約束だ」
アルラッテ:「ロボットと機械腕と
時計の量産化。
全部同時にやるんですか」
アッチ:「当然だ。
やりたいことが多いのは
いいことだ」
アルラッテが笑った。
鉄鉱石問題の浮上
バーナデッドが在庫管理表を持ってきた。
バーナデッド:「今のペースで制作を続けると
3ヶ月で鉄材が底をつきます」
信:「そうか。やっぱり鉱山が必要だね」
フォーヌ:「東の山脈に鉱床がある。
ただし人間が管理している」
ドミナス:「獣人が労働力として
使われている場所です。
今すぐ動くのは難しい」
信:「今はまだ解放戦は難しいかな。防衛体制が整っていないからね。
当面はマルカンドから鉄材を仕入れよう。
ドミナス、交渉を頼む」
アルラッテ:「輸入コストと
輸出収益のバランスは
わたしが計算します」
信が手帳に書いた。
東の山脈・鉄鉱山・獣人の労働問題。いつか向き合わなければならない。
鍛冶の音
深夜、2つの工房の灯りが渓谷に残っていた。
フォーヌとガルバが鉄を叩く音。
アッチとアルラッテが設計図を広げる音。
2つの音が渓谷に溶けていった。
国が少しずつ、強く、そして形になっていく音だった。
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建国プロジェクト:状況報告
第2部・建国編 第6話終了時点
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国民 :130名
資金 :銀貨55枚
各プロジェクト進捗
住居 :22棟完成
水路 :完全稼働
防衛壁:西側城門60%完成
時計塔:塔身建設中・30%完成
結界 :リュカの補助で40%回復
工房の棲み分け確立
フォーヌ工房:鉄器・調理用品・農耕道具
弟子:ガルバ他2名・腕っぷしの強い者
アッチ工房:発明品・精密機器・時計・ロボット
弟子:アルラッテ他数名・手先の器用な者
大掛かりな装置:両工房が協力
輸出品確定
王族・貴族向け:魔獣素材アクセサリー
一般向け:ルーン加工の調理器具
輸出しないもの:武器・刃物全般
課題
鉄鉱石の不足
暫定案:マルカンドから輸入
根本解決:東の鉱山・将来の課題
進行中プロジェクト
時計塔:アッチ×フォーヌ×ジグニ×リュカ
防衛ロボット:信×アッチ×アルラッテ
機械腕:アルラッテ開発中
次のマイルストーン
→ マルカンドへの初輸出
→ 鉄材の輸入交渉
→ 海を渡る冒険の準備
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第二部 第六話 了
次話:「黄金の羊毛を求めて」




