第2部 第5話「カティの仕事」
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建国プロジェクト:状況報告
第2部・建国編 第5話開始時点
現在地:クロノスリュカ・建国地
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国民 :112名
資金 :銀貨38枚
食糧 :農業始動・安定化
建物 :住居15棟
市場 :人間商人が常駐し始めた
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建国から1ヶ月が経っていた。
市場が毎日賑わっていた。
人間の商人が3名、常駐し始めていた。獣人と人間が同じ場所で売り買いをする光景が、少しずつ当たり前になっていた。
国の警備主任となる猫人カティが朝の見回りをしていた。
その後を鼠人の子供アルラッテがついて回っていた。
カティ:「なぜついてくる」
アルラッテ:「市場の価格調査です」
カティ:「一人でできるだろう」
アルラッテ:「カティがいると
揉め事を止めてくれるから
調査しやすい」
カティ:「まったく」
アルラッテ:「これをwin-winというんですよ」
カティ:「得をしているのはお前だけだろうが」
市場でのトラブル
昼過ぎ、市場の一角が騒がしくなった。
狼人とはぐれ者の熊人が向き合っていた。
縄張りの主張だった。
声が大きくなった。
熊人が拳を上げた。
その瞬間、カティが割り込んだ。
音がなかった。
気づいた時には、二人とも動けなくなっていた。
カティ:「続きは評議会でやれ。
ここは全員の場所だ」
狼人:「猫ごときの指図を受けるか」
カティは狼人の頭を地面に打ち付ける。
カティ:「もう一度言おうか」
狼人:「……いや。大丈夫です」
アルラッテが両者の間に入った。
小さなそろばんを持っていた。
アルラッテ:「話を整理します。
あなたはここを
いつから使っていますか」
両者の言い分を聞いた。
数字と言葉で問題を整理した。
評議会に持ち込んだ。
30分で解決した。
カティ:「腕力で解決する方が早い」
アルラッテ:「でも誰も傷つきません」
カティ:「まぁ、そうだな」
学校生活
見回りの帰り道、カティがアルラッテに言った。
カティ:「課外活動も結構だが
学校でもしっかり学べ」
アルラッテ:「大丈夫です。
学ぶのは最高に楽しいんで」
カティ:「そうなのか。
そう返ってくるとは思わなかった」
アルラッテ:「カティも来ればいいんですよ。
ミネルヴェ先生は
怖いけど面白いです」
カティ:「私は学校には行かない」
アルラッテ:「なんで」
カティ:「行ったことがないから
どうすればいいかわからない」
アルラッテ:「座ればいいだけです。借りてきた猫みたいに」
カティ:「うるさい」
時計塔プロジェクトの開始
夕方、信が浣熊人アッチ、猪人フォーヌ、熊人ジグニを神殿前に集めた。
信:「この国にシンボルが欲しいんだ。
それで、時計塔を建てたい」
アッチ:「時計塔?」
ジグニ:「どのくらいの高さが必要だ」
信:「渓谷中から見える高さ。
全員が時間を共有できるくらいに」
フォーヌ:「ルーン文字で強度を上げれば可能だろう」
犬人女王リュカが遅れてやってきた。学校からの帰りだった。
信:「リュカ、一つ頼みたいことがあるんだ」
リュカ:「なに」
信:「国に大きな時計塔を建てようと思っている。
その時計塔の時計に
精度を与えてほしい。
懐中時計の時と同じように」
リュカ:「わたしが時間の基準になるの?」
信:「クロノスの加護を受けたリュカにしかできない」
リュカ:「やる。任せて」
4人のプロジェクトが始まった。
アッチが設計図を広げた。
フォーヌが素材を確認した。
ジグニが地盤を調べた。
リュカが塔の予定地に立って目を閉じた。
時間の流れを確かめるように。
アッチ:「リュカちゃんがいれば
世界一正確な時計塔が作れるね」
フォーヌ:「世界一かどうかは
できてから言え」
アッチ:「分かった。できてから言うよ」
防衛ロボットの構想
夜、信がアッチの工房に残っていた。
工房には数人の獣人が作業をしていた。
アッチに弟子入りした者たちだ。
壁に並んだ棚の奥に、小さな機械仕掛けの人形があった。
歯車で手足が動く仕組みだった。
信がそれをしばらく見ていた。
信:「アッチ、一つ相談があるんだ」
アッチ:「なんだい」
信:「実は、前から考えていたんだけど……」
アッチ:「言ってみなよ」
信:「防衛用のロボットを作りたい」
アッチ:「ロボット? 何だいそれは」
信:「自律的に動く防衛機械だ。
ゴーレムの技術と
時計の歯車機構を組み合わせる。
機械と魔法の融合。
サイズは2〜3メートルかな。
できれば巨大にしたいけど
獣人たちの武器を共有できる運用を考えたい」
アッチ:「面白い。
やったことがない」
信:「ロボットは男のロマンなんだよ!」
アッチが初めて見る信の顔だった。
仕事でも計画でもない。
純粋に、楽しそうな顔だった。
その時、工房の扉が開いた。
鼠人アルラッテが入ってきた。
最近、学校とカティとの見回り以外の時間は工房に入り浸っている。
アルラッテ:「今度は何を作るんですか」
信:「防衛ロボットだ」
アルラッテ:「ロボット?」
信:「機械と魔法の融合した自立人形、って感じかな」
アルラッテ:「魔法だけではダメなんですか?」
信:「魔法が封じられたら動かなくなってしまうだろう」
アルラッテ:「なるほど面白そう。参加していい?」
信:「もちろん」
アルラッテが設計図を覗き込んだ。
即座に口を出し始めた。
アルラッテ:「ここにギミックを仕込めば
武力の弱さを補える。
小型の機械腕を
腕に装着する形にすれば
私でも使える」
アッチ:「君のための武器か」
アルラッテ:「国のための武器です」
アッチ:「同じことか」
アルラッテの機械腕の原型が
この夜、生まれた。
ラスト:夜の見回り
カティが夜の見回りを終え、高台で腰を落として一息ついていた。
そこに犬人女王リュカが近づいた。
カティ:「子供は夜は出歩くな」
リュカ:「少しお話してもいい?」
カティ:「まったく。
少しだぞ」
リュカはカティの横に腰掛けた。
リュカ:「カティはなぜ戦うの」
カティ:「守るためだ」
リュカ:「何を」
カティ:「今は、この国を」
リュカ:「前は」
カティ:「前は、……ただ、憎しみのためだったな」
リュカ:「今は違うの」
カティ:「少し、違う」
リュカ:「憎しみより、守るほうが
強くなれると思う」
カティ:「……なぜそう思う」
リュカ:「憎しみは、薄まるけど、
守るものは、増えるから」
カティとリュカは渓谷を見渡した。
住居の明かりが点々と灯っていた。
カティ:「……うるさい子どもだ」
リュカ:「ありがとう」
カティ:「褒めてないよ」
二人で立ち上がり歩き始めた。
夜の渓谷は、静かだった。
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建国プロジェクト:状況報告
第2部・建国編 第5話終了時点
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国民 :125名
資金 :銀貨45枚
建物 :住居20棟・時計塔着工
進行中プロジェクト
時計塔:アッチ×フォーヌ×ジグニ×リュカ
防衛ロボット:信×アッチ×アルラッテ
機械腕:アルラッテの個人プロジェクト
カティの変化
憎しみから守る者への転換が始まった
リュカとの関係が深まった
次のマイルストーン
→ 時計塔の建設継続
→ ロボットの試作機完成
→ 商人国家マルカンドとの交渉本格化
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第2部 第5話 終了
次話:「鍛冶場の夜」




