表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワクワク獣人ランド 〜異世界PM:適材適所で虐げられている獣人たちと最強の国を作ります〜  作者: 星麒麟


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/44

第2部 第2話「壁を作る前に」

========================================

建国プロジェクト:状況報告

第2部・建国編 第2話開始時点

現在地:クロノスリュカ・建国地

========================================

国民 :76名

資金 :銀貨15枚

食糧 :3日分

建物 :神殿のみ

城壁 :なし

結界 :未回復

========================================

建国2日目の朝。


熊人ジグニが渓谷を歩き回っていた。

岩を叩いた。土を踏んだ。崖の角度を目で測った。

信:「どうですか」

ジグニ:「悪くない地形だ。

     ただ、材料が足りない」

信:「どのくらい足りない」

ジグニ:「全部」

信:「全部?」

ジグニ:「全部だ」



材料問題

栗鼠人バーナデッドが昨夜作成した在庫管理表を広げた。

バーナデッド:「木材・石材・金属、

        全て深刻な不足です。

        現状の資材では

        小屋が3棟建てられれば

        いい方です」

ジグニ:「76名に3棟では足りない」

信:「森から木材を切り出せないか。

   スタアーグ、どう思いますか」


鹿人スタアーグが静かに答えた。

スタアーグ:「切り出すことはできる。

       森は自分で回復する。

       心配しなくていい」

信:「切った分だけ植える。

   伐採と植林を同時に進めたい。これは必須として」

スタアーグ:「……なぜだ。

       森は自然に戻る」

信:「戻るのに時間がかかる。

   俺たちが使う速度のほうが

   早くなる可能性がある。

   それに、植えた木が育つのを

   見ながら暮らす国にしたい」

スタアーグ:「…………」

      (長く信を見た)

      「……わかった。

       その考え、嫌いじゃない」


ミネルヴェ:「植林と伐採の同時進行か。

       この大陸では

       聞いたことがない」

信:「俺のいた世界では当たり前でした。

   森は使うものじゃなく

   一緒に生きるものだ」



荒くれ者の仕事


建設が始まった。

しかし昨日受け入れた荒くれ者たちが することなく渓谷をうろついていた。

カティ:「あいつら、また

     うろついている」

信:「仕事を与えてみましょう」

カティ:「甘い。

     何をするかわからない。どうせまた問題を起こすぞ」

信:「試してみる価値はあります。

   ジグニに監督してもらいましょう」

カティ:「何かあったら私が動く」

信:「はい」


ジグニが荒くれ者たちに声をかけた。

ジグニ:「石を運べ。

     あそこからここに」

荒くれ者A:「なんで俺たちが」

ジグニ:「できないなら

     しなくていい」


ジグニが黙って石を持ち上げた。

人間の3人分はある大きさの石を、一人で運んだ。

荒くれ者たちが目を丸くした。

荒くれ者A:「……なんだあの力は」

荒くれ者B:「熊人だからな。行くか」


荒くれ者たちが動き始めた。

最初は渋々だった。

しかし石を運ぶうちに、何かが変わった。

荒くれ者の中に、一人、目つきが変わった者がいた。

他の者より丁寧に石を積んでいた。

ジグニ:「お前、やったことがあるな」

岩山羊人の荒くれ者:「……昔、鉱山で

         石積みをさせられた」

ジグニ:「奴隷か」

岩山羊人の荒くれ者:「そうだ。

     ずっと嫌いだった。

     石なんか見たくもなかった」

ジグニ:「今は」

岩山羊人の荒くれ者:「……今は、違う。

     自分で決めてやってるから、

     同じ石でも

     なんか、面白い」

    (少し照れた顔で)

    「変か」

ジグニ:「変じゃない。

     俺も同じだ」


ジグ二は作業の手を止め荒くれ者の方を向く。


ジグニ:「名前は?」

岩山羊人ガルバ:「ガルバ」

ジグニ:「これからもよろしく頼む、ガルバ」

ガルバ:「久しぶりに名前で呼ばれた気がする」

ジグニ:「ここを仕切る人間が常にそうするんだ、皆もいつかそうなった」

ガルバ:「いいところだな」

ジグニ:「ああ」


夜、カティがその姿を遠くから見ていた。

カティ:(信に小声で)

   「……今日だけは認める」

信:「明日もお願いしますね」

カティ:「明日は明日だ」



水路の現地調査


午後、信とジグニがアルカ川への引水ルートを調査しに出た。

狼人ロガが護衛についた。

渓谷の東端を抜けると、川沿いの岩場に出た。

信:「ここから引水できるかな」

ジグニ:「できる。

     ただし岩を削る必要がある。

     2週間はかかる」

信:「急ぎましょう。

   水が安定しないと

   全ての計画が止まる」


その時だった。

岩陰から魔獣が飛び出した。

グラウルベアだった。

熊と蜥蜴が混ざったような外見。鱗と毛が混在した体躯。人間の倍ほどの大きさ。赤く発光する目が信たちを捉えた。

ロガが剣を抜こうとした。

その前にジグニが動いた。

素手で魔獣の首に飛びついた。

一瞬だった。

グラウルベアが地面に倒れた。

ロガ:「俺の仕事だ」

ジグニ:「建設現場の責任者は俺だからな

     邪魔なものは

     どかすのが当然だ」

ロガ:「…………」

信:「ジグニ、怪我は」

ジグニ:「ない。

     それより素材を回収しよう。

     売れば資金になる」

ロガ:(信に小声で)

   「……あいつは戦士ではないのか」

信:(小声で)

  「建設の人ですよ。

   ただ、建設の人が

   本気を出すとああなるみたいです」

ロガ:「…………」


グラウルベアの鱗・爪・骨を回収した。


リュカと結界

夕暮れ時。

犬人女王リュカが一人で神殿に入った。

しばらくして出てきた。

その顔が、少し大人びていた。

信:「何を話したんだ」

リュカ:「秘密」

信:「そうか」

リュカ:「……ひとつだけ言う。

     結界は時間がかかるって。

     でも、わたしが

     少し手伝えるかもって」

信:「え?」

リュカ:「時空魔法で

     結界の隙間を

     少し埋められるかもって。

     クロノスが教えてくれた」

ミネルヴェ:「……本当か」

リュカ:「やってみないとわからないけど」

信:「無理はしなくていい」

リュカ:「うん。でも、やってみたい」


ミネルヴェが信に小声で言った。

ミネルヴェ:「クロノスがリュカに

       直接教えたということは

       二人の繋がりが

       深まっているということだ」

信:「いいことですか」

ミネルヴェ:「この国にとっては

       これ以上ない吉報だ。

       ただし、リュカに負担がかかる。

       気を付けて見ていてやれ」

信:「わかりました」



夜の報告


夜、バーナデッドが本日の在庫変動を報告した。

バーナデッド:「本日の成果です。

        木材・石材の調達開始。

        グラウルベアの素材回収1件。

        ドミナスが明日マルカンドの

        商人に接触します」

信:「資金の見通しは」

バーナデッド:「魔獣素材が

        定期的に入れば

        1ヶ月で銀貨30枚になる計算です」

信:「倍か。助かる」


狐人ドミナスが付け加えた。

ドミナス:「マルカンドの商人が

      どんな素材を欲しがっているか

      明日の接触で探ります。

      交易の入口になるかもしれない」

信:「頼みます」


信は手帳に書いた。

今日できたこと:建設開始・水路調査・魔獣討伐・結界の糸口。 明日やること:植林チームの編成・水路工事の着工・ドミナスの交易接触。

大変だ。でも、前に進んでいる。


========================================

建国プロジェクト:状況報告

第2部・建国編 第2話終了時点

========================================

国民 :76名

資金 :銀貨15枚・翌月30枚見込み

食糧 :3日分・調達中

建物 :住居建設開始

水路 :調査完了・工事着工予定

結界 :リュカが補助できる可能性


本日の成果

 植林・伐採の同時進行方針確立

 荒くれ者に仕事を割り当て・効果あり

 グラウルベア討伐・素材回収

 リュカとクロノスの繋がりが深まった

 マルカンドとの交易接触(ドミナス担当)


次のマイルストーン

 → 住居の完成

 → 水路工事の着工

 → マルカンドとの交易接触

 → リュカの結界補助を試す

========================================



第2部 第2話 終了

次話:「時計が動く国」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ