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ワクワク獣人ランド 〜異世界PM:適材適所で虐げられている獣人たちと最強の国を作ります〜  作者: 星麒麟


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14/38

第14話「ネコは気まぐれに正しい」

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建国プロジェクト:状況報告

第14話開始時点

現在地:クロノス神殿前

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人員 :コア15名/総勢65名

資金 :銀貨10枚

食糧 :安定確保

安全度:警戒レベル最高

    史上最大規模の攻撃が迫っている

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神殿の扉の前に、黒猫の獣人が立っていた。


緑の目が、信たちを一人ひとり見た。

値踏みではなかった。

拒絶だった。

カティ:「止まれ。

     人間と、

     人間に引き入られた獣人を

     ここには入れない」

信:「協力したい。

   敵の大規模な攻撃が迫っています」

カティ:「知っている。

     だから余計なものは要らない」


ロガが一歩前に出た。

ロガ:「俺たちは同じ獣人だ」

カティ:「同じ?」

    (鋭い目でロガを見た)

    「人間の指図で動く連中が

     同じだと言うのか。

     狼たちとは上手くやれない。

     ましてや人間に引き入られた

     連中の手など借りない」


ロガの拳が握られた。

シルト:(小声でロガに)

    「落ち着いてください」

ロガ:「……わかっている」


カティが続けた。

カティ:「私たちの親は人間に殺された。

     家族は人間に奪われた。

     その人間と手を組む者を

     信用できるわけがない。

     綺麗事を並べて近づいてくる人間が

     一番始末に負えない」


場の空気が固まった。

誰も言葉を返せなかった。

カティの言葉は、正しかった。

その怒りは、正当だった。


リュカの言葉


沈黙が続いた時、リュカが前に出た。

迷いがなかった。

リュカ:「……わたしの村も、焼かれた」

カティ:「…………」

リュカ:「人間が焼いた。

     理由もなく。

     みんないなくなった。

     わたし一人だけ残った」

カティ:「……それがなんだ」

リュカ:「しんは、その後で会った人間。

     わたしを助けた人間。

     最初は信用しなかった。

     怖かった。

     でも、信用することにした。

     間違いじゃなかった」

カティ:「……子どもが何を知っている」

リュカ:「子どもだから言える。

     全部の人間が悪いわけじゃない。

     でも、全部の人間が良いわけでもない。

     しんは良い人間。

     だからここにいる」


カティは黙った。

目が、わずかに揺れた。

カティ:「お前の村はどこだ」

リュカ:「灰の原の西。

     もう跡しか残ってない」

カティ:「生き残りはお前だけか」

リュカ:「うん」

カティ:「何歳だ」

リュカ:「9歳」


また沈黙があった。

カティが目を逸らした。

完全には信じていない。でも、扉を完全に閉じてはいなかった。


スタアーグの忠告


その時、スタアーグが静かに言った。

スタアーグ:「カティ、聞け。

       森の外に大規模な部隊が集結している。

       今までで最大の規模だ。

       黒い油と火の魔術を

       準備しているという情報がある」

カティ:「森を、燃やすつもりか」

スタアーグ:「そうだ。

       結界を力で解こうとしている。

       このままでは森が破られる。

       神殿に大群が流れ込んでくる」

カティ:「……防ぐ」

スタアーグ:「20名で数千の兵を防ぐか」

カティ:「やるしかない」

スタアーグ:「一人で抱えることが

       守ることじゃない」

カティ:「…………」


カティが信を見た。

カティ:「……お前は何者だ」

信:「ただのしがないPMです」

カティ:「PMとは何だ」

信:「人を適切な場所に配置して

   目標を達成させる者です」

カティ:「人間のくせに

     獣人の動かし方を知っているのか」

信:「動かし方じゃない。

   活かし方です」

カティ:「…………」

    (少し間があった)

    「……証明してみろ。

     口だけなら誰でも言える」

信:「わかりました。

   まず防衛線を作ります。

   見ていてください」



防衛線の構築


信が動き出した。

信:「ジグニ、東の岩場に土塁を作ってくれ。

   人間の突撃を止める壁が必要だ」

ジグニ:「どのくらいの高さにする」

信:「騎馬が越えられない高さ。

   2メートル以上」

ジグニ:「わかった」


信:「フォーヌ、アッチ、

   西側に罠を仕掛けてくれ。

   敵を足止めできるものを。

   材料は工房馬車から使っていい」

アッチ:「何種類か仕掛けられる。

     任せなさい」

フォーヌ:「俺も手を貸す」


信:「バーナデッド、物資の配置を。

   クラグルが動きやすい場所に

   医療物資をまとめてくれ」

バーナデッド:「了解です。

        5分で配置します」


信:「シルト、アラファ、

   敵の動きを常に把握してくれ。

   情報は風の精霊で全員に」

シルト:「了解です」

アラファ:「夜間は私が担当する」


信:「ロガ、隊を3方向に分けて配置してくれ。

   南・東・西の3点を守る」

ロガ:「わかった」


信:「ペイス、ナインホースは

   南の平地を担当してくれ。

   突撃と撤退を繰り返して

   敵の足を止める」

ペイス:「任せろ」


信:「ミネルヴェさんは上空から全体を。

   ドミナスは敵陣の混乱を担当してくれ。

   クラグル、後方で待機。

   負傷者を即座に対応してほしい」

クラグル:「わかりました。

      治ることは義務ですから」


信:「ラギラブ、ダレト、

   食糧と水の確保を頼む。

   長期戦になる可能性がある」

ラギラブ:「わかった」

ダレト:「任せてください」


信:「リュカは全体把握を

   できるかい」

リュカ:「任せて」


信:「さあ、始めよう!」



全員が即座に動いた。

カティの猫人たちが、それを見ていた。


1時間後。

東に土塁が立った。

西に罠が仕掛けられた。

物資が整然と配置された。

南に陣が引かれた。

カティ:(信に近づいた)

   「……手際がいい」

信:「まだ足りない部分があります。

   カティさんの猫人隊に

   お願いしたいことがある」

カティ:「……何だ」

信:「一撃必殺に特化している猫人隊は

   精霊狩り特殊部隊への対処に

   最も向いています。

   正面の大軍ではなく

   精鋭の特殊部隊を担当してほしい」

カティ:「……なぜそれを知っている」

信:「猫人の戦い方を聞きました。

   スタアーグから」

カティ:(スタアーグを見た)

スタアーグ:(無言で頷いた)

カティ:「…………」

    (長い沈黙)

    「……神殿の東と西に

     隠し通路がある。

     奇襲に使える。

     教えてやる」


カティが部下に命じた。

カティ:(部下に)

   「この者たちに隠し通路を案内しろ」

部下:「隊長、よろしいんですか」

カティ:「……使えると判断した。

     それだけだ」


ロガがカティの隣に来た。

ロガ:「……さっきは、失礼した」

カティ:「謝るな。

     猫種と犬種は相性が悪い」

ロガ:「それでも、同じ側だ」

カティ:「……まだ、そうとは言っていない」

ロガ:「言わなくていい。

    行動が全てだ」

カティ:「…………」


夜になった。

アラファが神殿の周囲を音波で把握した。

アラファ:(風の精霊で全員に)

     「森の外に大規模な部隊が集結しています。

      数は……3000以上。

      黒い油の匂いがします。

      明朝、動くと思われます」


信が全員を集めた。

信:「明日、おそらくこれまでで最大の戦いになります。

   全員、今夜は休んでください。

   体が全てにおいて優先される」

クラグル:「負傷者の確認をします。

      全員、診せてください」

ラギラブ:「食事を用意します。

      ダレト、頼む」

ダレト:「はい」


焚き火を囲んで、全員が食事をした。

猫人たちも、少し離れた場所で火を囲んだ。

完全に打ち解けてはいなかった。

でも、同じ火の光の中にいた。

リュカ:(カティの隣に座った)

カティ:「何だ」

リュカ:「隣に座っていい?」

カティ:「勝手にしろ」

リュカ:「カティさんの親は、どんな人だったの」

カティ:「なぜそれを聞く」

リュカ:「わたしのおかあさんのこと、

     話したくなった。

     でも一人じゃ話せない」

カティ:「……父は、この神殿の門番だった。

     笑い方が不器用な男だった」

リュカ:「……わたしのおかあさんは、

     獣文字を教えてくれた。

     これがお前の名前だって」


二人が、静かに話した。

火が、揺れた。

信はそれを、少し離れた場所から見ていた。

この国は、こういう夜の積み重ねで作られる。


明朝、森の外から黒い煙が上がった。

アラファ:「動きました。

      黒い油に火をつけています。

      森が燃え始める」

スタアーグ:「……来た」

カティ:「……全員、持ち場につけ」


カティが信を見た。

カティ:「……PMとやら。

     信用したわけじゃない。

     ただ、今日だけは一緒に戦う」

信:「それで十分です」

カティ:「……生き残れよ。

     あの子が悲しむ」


カティが神殿の屋根に飛び上がった。

緑の目が、燃え始めた森を見ていた。


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建国プロジェクト:状況報告

第14話終了時点

現在地:クロノス神殿・防衛準備完了

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人員 :コア16名/総勢65名

    カティ防衛隊20名が協力体制に

安全度:警戒レベル最高

    3000名の旅団が森を焼き始めた


防衛線の状況

 東 :土塁(ジグニ施工・高さ2メートル以上)

 西 :罠地帯(アッチ×フォーヌ設置)

 南 :ロガ隊・ナインホース配置

 神殿:カティの猫人隊・精霊狩り特殊部隊担当

 上空:シルト・アラファ・ミネルヴェ


新たな関係

 カティが「今日だけ」の協力を承諾

 リュカとカティが焚き火を囲んで話した


次のマイルストーン

 → 森の殲滅戦・クロノス攻防戦

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第14話 終了

次話:「時の神殿を守れ」



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