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ワクワク獣人ランド 〜異世界PM:適材適所で虐げられている獣人たちと最強の国を作ります〜  作者: 星麒麟


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13/38

第13話「シカは道を知っている」

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建国プロジェクト:状況報告

第13話開始時点

現在地:山岳地帯・下山中

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人員 :コア14名/総勢42名

資金 :銀貨10枚

食糧 :安定確保

移動力:工房馬車あり・ジグニが牽引

安全度:警戒レベル高

    ガルディウスの追跡が背後にある

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山を下りきった先に、森があった。


深かった。

木々が天を覆い、昼間でも薄暗かった。霧が低く漂っていた。鳥の声もなかった。

ペイス:「……嫌な感じのする森だ」

シルト:「上空からも見えません。

     霧が濃すぎて」

ミネルヴェ:「結界だ」

信:「結界?」

ミネルヴェ:「クロノスの時の力が

       この森に宿っている。

       侵入者の時間感覚を狂わせる。

       方角がわからなくなる。

       大規模な部隊ほど混乱が大きい」

ドミナス:「人間がこの攻略に

      手間取っていた理由がわかった」


全員が森の入口に立った。

踏み込むことを、体が躊躇っていた。

その時、リュカが一歩前に出た。

リュカ:「……変な感じがする」

信:「怖いか」

リュカ:「怖くない。

     変な感じだけど、

     悪い感じじゃない。

     ……中に入っていいよって

     言ってる気がする」

ミネルヴェ:「…………」

      (目を細めた)



森の中


森に入った瞬間、方角がわからなくなった。

太陽が見えなかった。影がなかった。どこを向いても同じ景色が続いた。

ラギラブ:「……北はどっちだ」

シルト:「わからない。

     飛んでも霧で何も見えない」

バーナデッド:「地図が役に立たない」

アッチ:「面白い結界だ。

     時間感覚だけでなく

     空間感覚まで狂わせている」


全員が立ち止まった。

信:「リュカ、わかるか」

リュカ:「……うん。こっち」


リュカが歩き出した。

誰も理由を聞かなかった。

全員がついていった。


20分ほど歩いた時、森の奥から音が聞こえた。

剣と剣がぶつかる音。

獣人の咆哮。

人間の怒声。

シルト:「戦闘音です。

     この森の中で」

ロガ:「獣人が戦っている」

アラファ:「音の方向は北西。

      距離は300メートルほど」

信:「行きます」



援軍


木々の間を抜けると、開けた場所があった。

鹿人たちが人間の部隊と戦っていた。

20名の鹿人に対して、人間は100名を超えていた。

鹿人たちは疲弊していた。傷を負いながらも踏みとどまっていた。しかし限界だった。

信:「ロガ、正面を頼む。

   ナインホース、右翼から突撃。

   シルト、上空から戦況を。

   ミネルヴェさん、敵の視界を奪ってください。

   ドミナス、左翼を混乱させて。

   アラファ、奇襲ポイントを教えてくれ。

   クラグル、負傷者の対応を

さあ、時間との勝負だ!」


ロガ隊が正面から突進した。

人間の部隊が、突然の増援に動揺した。

ペイスがケンタウロス形態に変わった。

ナインホースが右翼に突撃した。

咆哮が森に響いた。

ミネルヴェが上空から黒魔術を放った。

人間の兵士たちの視界が奪われた。

ドミナスの幻惑が左翼を包んだ。

友軍と敵軍の区別がつかなくなった兵士たちが混乱した。

アラファ:(風の精霊で全員に)

     「後方の指揮官が中央にいます。

      そこを崩せば統率が乱れる」

信:「ロガ、中央の指揮官を狙ってくれ」

ロガ:「わかった」


ロガが人垣を割って進んだ。

指揮官が後退した。

統率が乱れた。

その瞬間、アッチの声が工房馬車から聞こえた。

アッチ:「フォーヌ君、あれを使っていいか」

フォーヌ:「準備はできている」

アッチ:「では」


工房馬車の窓から、小さな装置が取り出された。

魔術増幅器だった。

移動中にアッチとフォーヌが共同制作した最初の作品。ルーン文字と精霊魔術を組み合わせた増幅装置だった。

ミネルヴェの黒魔術が、装置を通過した瞬間、範囲が5倍に広がった。

森全体に、暗闇が満ちた。

フォーヌ:「……予想以上だ」

アッチ:「ルーン文字の配列を変えた。

     試作品より効果が高い」

フォーヌ:「次はさらに改良できる」

アッチ:「そう。これはまだ第一版だ」


人間の部隊が崩れた。

指揮系統を失った兵士たちが、暗闇の中で撤退を始めた。

10分後、森に静寂が戻った。


スタアーグとの出会い


鹿人たちが全員、膝に手をついていた。

疲れ果てていた。

その中から、一人が立ち上がった。

大きかった。

2メートルを超える体躯。立派な角。落ち着いた茶色の毛並み。目が深かった。遠くを見ているような目だった。

スタアーグ:「……来ると思っていた」

信:「俺たちのことを知っているんですか」

スタアーグ:「森は全てを知っている。

       あなたたちが山を越えた時から

       知っていた」


スタアーグがリュカを見た。

長い沈黙があった。

スタアーグ:「……その子が来たから」

リュカ:「わたし?」

スタアーグ:「森が言っている。

       待っていた者が来たと」

リュカ:「……森が、言ってるの?」

スタアーグ:「この森はクロノスの加護を受けている。

       森の声を聞ける者だけが

       道を知ることができる。

       あなたは、道がわかっただろう」

リュカ:「……うん」

スタアーグ:「それが答えだ」


信の視界に文字が浮かんだ。

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適性鑑定:鹿人・スタアーグ(推定200歳・男)

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森の知識 ★★★★★

地形把握 ★★★★★

隠密 ★★★★★

精霊との対話 ★★★★★

長距離察知 ★★★★★

精霊魔法(地・風) ★★★★☆

現在の状態: 長い年月の番人

待ち続けた使命の完遂が近い

信頼できる者の到来

現在の能力発揮値:60%

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200歳。ミネルヴェより長く生きている。もしかしたら精霊に近い存在なのかもしれない。

信:「神殿に連れて行ってもらえますか」

スタアーグ:「案内する。

       この森は俺がいないと

       辿り着けない」

      (リュカを見て)

      「……ただし、その子がいれば

       別かもしれないが」

リュカ:「わたしは、スタアーグさんと一緒に歩く」

スタアーグ:「…………」

      (少し、目が和らいだ)



クラグルが鹿人たちの負傷を治療した。

クラグル:「治ることは義務です。

      動けるようになったら

      また守れます」

鹿人:「……人間に治してもらうとは

     思わなかった」

クラグル:「私は獣人ですよ」

鹿人:「……失礼した」


ロガが負傷した鹿人の一人に水を渡した。

言葉はなかった。

鹿人が受け取った。

それだけだった。


神殿への道


スタアーグが先頭に立った。

リュカがその隣を歩いた。

霧が晴れた。

木々の間に光が差し込んだ。

道が、見えた。

誰も気づいていなかった道が、そこにあった。

アッチ:「……結界が解けた?」

ミネルヴェ:「解けたのではない。

       通してもらっているんだ」


30分歩いた。

木々が開けた。

渓谷があった。

いつか動画で見たスイスのジュラ山脈を思わせる景色だった。

霧が薄く漂い、花が季節を問わず咲いていた。

中央に、石造りの神殿があった。

古かった。でも朽ちていなかった。

時の加護が、この建物を守り続けていた。

リュカ:「きれい」

スタアーグ:「エルフが建てた。

       しかしエルフは去った。

       長命ゆえに時の価値を軽視した。

       この地を捨てた」

ミネルヴェ:「そして獣人が守り続けたのか」

スタアーグ:「代々、この地を守ることが

       俺たちの生きる意味だった」

信:「ありがとうございます」

スタアーグ:「礼はまだいい。

       守り切ってからだ」


神殿の扉の前に、黒猫に近い毛並みの小柄な獣人が立っていた。

緑の目が、信たちを見ていた。

傷だらけだった。首に、外した首輪の残骸が巻かれていた。

カティ:「止まれ。

     人間と、

     人間に引き入られた獣人を

     ここには入れない」


神殿へと続く道の最後の難関が、そこにいた。


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建国プロジェクト:状況報告

第13話終了時点

現在地:クロノス神殿前

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人員 :コア15名/総勢65名

    スタアーグ+鹿種20名が合流

資金 :銀貨10枚

食糧 :安定確保

拠点 :クロノス神殿前・仮営地


新装備

 魔術増幅器(アッチ×フォーヌ初共同作品)

 効果:精霊魔法・黒魔術の範囲を5倍に拡大


スタアーグ加入

 200年間この森を守ってきた番人

 リュカとの共鳴が確認された


次のマイルストーン

 → 神殿へと入る交渉

 → 防衛線の構築

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第13話 終了

次話:「ネコは気まぐれに正しい」



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