第9部 第6話「準備」
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建国プロジェクト:状況報告
第9部・火を灯して編 第6話開始時点
現在地:クロノスリュカ・建国地
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状況 :扉を開ける準備が始まった
カイロスが元の世界の気配を感じている
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信がカイ・ラガンを呼んだ。
竜門学府の一室だった。
カイ・ラガン:「次元を渡る術は竜騎士が最も詳しい。
ゲヘナへの扉とは別の種類の扉だが共通点がある」
信:「何が必要ですか」
カイ・ラガン:「それは三つ。
次元の境界が最も薄い場所。
境界を開ける力。
そして向こう側への繋がりだ」
信:「一つ目は昨日見つけました。
二つ目はリュカとカイロスが。
三つ目は……」
カイ・ラガン:「向こう側に誰かがいる必要がある。
あるいは向こう側と繋がっている何かが必要だ」
信が少し考えた。
信:「カイロスがモモの記憶を持っている。
モモは俺の世界にいた。
その記憶が向こう側への繋がりになるかもしれない
でも、モモとは保護犬カフェで初めて会った関係で」
カイ・ラガン:「それで十分かもしれない。
試してみる価値がある」
カイロスが光った。
誰が行くかを決める
信が全員を集めた。
信:「扉が開けられると仮定した上で誰が行くかを決めます」
ドミナスが手を挙げた。
アルラッテが手を挙げた。
コダが手を挙げた。
コダ:「精霊がいるかどうか確かめたい。
信さんの世界に精霊がいるなら僕が最初に話したい」
リュカが言った。
リュカ:「私も行くよ。信の世界を見たい」
信:「リュカは国王だ。最悪の場合、帰れないことも考え慎重にならないといけない」
リュカ:「仮に帰れなくなったら、帰る方法を探すのに私の力は必要だと思うよ」
信が少し考えた。
信:「最初に行く人数は少ない方がいい。
俺とドミナスとコダ。この三人で行く。
リュカはこちらの世界から扉を維持をしてもらいたい。
アルラッテは次の機会にね」
アルラッテ:「次の機会ですか。納得できないですけどしょうがないですね」
それぞれの準備
狐人ドミナスが信のところへ来た。
ドミナス:「信さんの世界はどんな服を着ていますか」
信:「大きくは違わないんだけど、素材が違うんだ。
化学繊維ってのを使っててね。とりあえず、向こうに着いたら新しく買おう」
ドミナス:「ありがとうございます」
コダが精霊の感知能力を研ぎ澄ませていた。
目を閉じて遠くを感じていた。
コダ:「仮に精霊がいなくても、精霊に近い何かがいるかもしれない。
カイロスが信さんの世界から来たというならば」
信が一人で執務室にいた。
元の世界のことを思い出した。
手帳に書き留めた。
変わったこと。
変わっていないこと。
以前の生活の記憶が戻ってきた。
モモの顔が浮かんだ。
保護犬カフェの匂いが浮かんだ。
IT企業の会議室が浮かんだ。
「あの頃の俺が遠い昔の様だな」
カイロスが語る
夜だった。
信が一人でいた。
カイロスが傍にいた。
信:「カイロス、俺が元の世界にいた時、君はどこにいたんだい」
カイロス:「遠かったし、形がなかった。
一番近くに感じたのはモモと一緒にいた時。
誰かを助けるたびに俺は少し大きくなった」
信:「俺の元の世界でも君はいたのか」
カイロス:「いたよ。でも形にはなれなかった。
精霊が存在できる濃度の世界ではなかったから」
信:「濃度か、じゃあ元の世界に戻ったらお前は消えるのか」
カイロス:「消えない。
俺はお前と一緒だ。どこにいても傍にいる。
ただ形が変わるかもしれない。
薄くなるかもしれない。
でも消えはしない」
信:「それは、よかった」
時計塔の夜
時計塔の上だった。
リュカと信が並んで立っていた。
リュカ:「一緒に行きたかった」
信:「次は一緒に行こう」
リュカ:「約束だよ」
信:「約束だ」
リュカ:「私は信なしでもこの国を運営できるか分からない」
信:「もう、俺がいなくても問題はないよ。ただ俺がいたいからいるんだよ」
リュカ:「ここが信の場所」
信:「そう思ってる。
カイロスが選んだ場所だ。俺が選んだ場所だ。それは変わらない」
カイロスが輝いた。
渓谷の灯りが見えた。
国民がいつも通り生きていた。
二人が並んで立っていた。
信が手帳に書いた。
準備が整いつつある。 カイ・ラガンが三つの条件を教えた。 全部揃っている。 「カイロスがモモの記憶を持っている。 それで十分かもしれない」 ドミナスとコダが行く。 アルラッテは次の機会だ。 カイロスが言った。 「消えない。傍にいる」 よかった。 リュカに約束した。 必ず帰ってくると。 ここが俺の場所だ。 それは変わらない。
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建国プロジェクト:状況報告
第9部・火を灯して編 第6話終了時点
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扉を開ける三つの条件
①境界が薄い場所:渓谷の外れ
②境界を開ける力:リュカとカイロス
③向こう側への繋がり:カイロスのモモの記憶
最初の遠征メンバー決定
信・ドミナス・コダの三人
リュカが扉を維持
アルラッテは次の機会
カイロスの言葉
「俺の元の世界でもいた」
「形にはなれなかった」
「消えない。傍にいる」
リュカとの約束
「必ず帰ってきます」
「ここが俺の場所だ」
次のマイルストーン
→扉を開ける
→元の世界への最初の一歩
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第9部 第6話 終了
次話:「扉の向こう」




