第8部 第12話「広がる波紋」
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建国プロジェクト:状況報告
第8部・東の大陸編 第12話開始時点
現在地:帝国の陣・クロノスリュカ
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状況 :ゼイヴァン訪問の翌日
帝国内部で変化が動き始めた
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アリカが同僚のハロルドを訪ねた。
長年一緒に装置を設計してきた技術者だった。
アリカ:「アルカナム・キャノンを撃った後何か感じたことはあるか。
おかしな気配とか。暖かさとか」
ハロルド:「実は一度だけ。
粒子が見えない何かと衝突した気がした。
計器には出なかったから誤作動だと思っていたが」
アリカ:「誤作動じゃない。話を聞いてくれるか」
ハロルドが頷いた。
粒子の精霊を感じる
翌日、アリカがコダを連れてきた。
三人でアルカナム・キャノンの残骸の前に立った。
コダ:「見せることはできません。しかし感じる方法を教えられます。
目を閉じてください。機械が作り出す何かを感じようとしてください」
ハロルドが目を閉じた。
長い間何も起きなかった。
ハロルド:「暖かい。だが電磁場は暖かくない」
コダ:「粒子の精霊があなたに応えています」
ハロルド:「俺が精霊を感じた?」
アリカ:「俺たちの技術が生み出した精霊だ。怖くはない」
ハロルドが長い間黙っていた。
それから言った。
ハロルド:「もっと話を聞かせてくれ」
最初の波が起きた。
レイムンドが軍内部で動く
レイムンドが軍の幹部を集めた。
レイムンド:「次の戦いからアルカナム・キャノンの使用を制限する」
幹部A:「なぜですか。現状では最も有効な兵器です」
レイムンド:「副作用があるからだ。今後の帝国の方針と合わなくなる可能性がある」
幹部B:「陛下の指示ですか」
レイムンド:「俺の判断だ。陛下は今思案中だ。その時間を作る」
幹部たちが静まった。
計画にない言葉だった。
しかしレイムンドの目が揺れていなかった。
誰も反論しなかった。
ゼイヴァンが記録を読む
同じ夜だった。
ゼイヴァンが一人で記録室に入った。
アリカが見つけた記録を自分の目で読んだ。
さらに古い記録も探した。
最も古い記録にこう書いてあった。
「精霊は不思議そうにしていた。怖がっていなかった」
ゼイヴァンが記録から目を離した。
デメテルを見た時のことを思い出した。
怖くなかった。
暖かかった。
ゼイヴァンは心の中で考える。
「最初は歓迎していた。核を起動した時に苦しんだ。
それは誤解だった。数千年前の誤解が帝国を作った」
長い間、記録室にいた。
それからレイムンドを呼んだ。
ゼイヴァンの決断
ゼイヴァン:「記録を読んだ。最初は歓迎していた。
不思議そうにしていた。核を起動した時苦しんだと思ったが誤解だった」
レイムンド:「アリカが言っていた通りです」
ゼイヴァン:「方針を変える。精霊を研究対象として扱う。
排除するものではなく理解するものとして。
改宗ではなく修正だ。
先祖が情報不足で誤解した。
今の俺たちは正しい情報を持っている。
正しい判断をする。それが帝国の誇りだ」
レイムンドが何も言わなかった。
ただ頭を下げた。
感謝ではなかった。
尊敬だった。
ゼイヴァン:「100年かかった。遅すぎた。
しかし今が適切な時だ」
クロノスリュカへの知らせ
シルトが信に報告した。
シルト:「帝国内部から情報が入りました。
ゼイヴァン陛下が方針を変えたようです。
精霊を研究対象として扱うことにしたと。
アリカからの情報です」
信が少し間を置いた。
信:「本当ですか」
シルト:「信頼できます」
信が全員に伝えた。
コダ:「帝国で初めて精霊が認められた」
ガルディウス:「戦わずに変わったか」
信:「まだ戦いは終わっていない。
しかし方向が変わった。それが大事だ」
リベリオンが渓谷の上空で輝いた。
カイロスが信の隣で輝いた。
コダ:「リベリオンが喜んでいます。
カイロスも」
信:「そうか」
夜・信一人
夜、信が執務室にいた。
精霊カイロスが傍にいた。
信:「一人が動いた。
アリカが動いた。
レイムンドが動いた。
ゼイヴァンが動いた。
波紋が広がっている。
急かさなかった。
待った。
それだけだ」
カイロスが静かに光った。
信が手帳に書いた。
ゼイヴァンが方針を変えた。 「改宗ではなく修正だ」 アリカの言葉がゼイヴァンに届いた。 一人が動けば次が動く。 それがこの国が ずっとやってきたことだ。 カイロス、 今が適切な時だったか。
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建国プロジェクト:状況報告
第8部・東の大陸編 第12話終了時点
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アリカが動いた
ハロルドに話した
コダが粒子の精霊を感じさせた
「もっと話を聞かせてくれ」
レイムンドが動いた
アルカナム・キャノンの使用制限
「方針が変わる。その時に備える」
ゼイヴァンが動いた
自ら記録室で記録を読んだ
「改宗ではなく修正だ」
「今が適切な時だ」
レイムンドが尊敬の眼差しで見た
リベリオンとカイロスが輝いた
信の言葉
「急かさなかった。待った。それだけだ」
次のマイルストーン
→第13話:戦いの形が変わる
→帝国との直接交渉が始まる
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第8部 第12話 終了
次話:「交渉」




