第8部 第8話「計画を変えても」
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建国プロジェクト:状況報告
第8部・東の大陸編 第8話開始時点
現在地:クロノスリュカ・東の防衛線
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状況 :第三戦が始まった
帝国が計画を変えてきた
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第三戦が始まった。
帝国軍が展開した。
しかし今回は違った。
第一波が空中装置だった。
前回は歩兵だった。
順番が変わっていた。
雀の鳥人ハドヤーが気づいた。
ハドヤー:「順番が違う。
第一波が空中装置だ。
前回と違う。先読みが外れました」
信が全員に言った。
信:「想定内です。
計画が変わっても俺たちは変わらない。
現場判断で動く。
全員、今目の前にあるものだけを見るんだ」
帝国も想定外への対応訓練をしてきていた。
前回より手強かった。
しかしわずかな隙があった。
帝国兵が想定外の動きに遭遇した時だった。
帝国兵が通信にて連絡。
「……想定外の敵の行動。
対応パターンBを使うか
対応パターンCを使うか。
判断を仰ぐ」
指示が来るまでの間があった。
わずかな時間だった。
しかし信が見逃さなかった。
信:「……そこだ。
判断を仰いでいる間に動く。
全員、今だ」
ロガとローフェンの共闘
帝国の新しい部隊が来た。
アルカナム・キャノンなしの純粋な近接戦闘部隊だった。
精鋭だった。
訓練が完璧だった。
計画通りに動いた。
隙がなかった。
ローフェン:「強い。
しかし型通りだ。
計画通りの動きしかできない」
ロガ:「型を崩す」
ロガが前に出た。
真獣化した。
これまで見たことのない動き方をした。
型破りだった。
計画に存在しない動きだった。
帝国の精鋭部隊が崩れた。
ローフェンが崩れた隙間に入った。
レーヴァテインが光った。
二人が完全に連携していた。
帝国兵が通信を続ける。
「対応パターンが見つからない。
狼人の連携が計画に存在しない動きをしている。
指示を待つ」
指示が来なかった。
帝国の精鋭部隊が止まった。
ローフェン:「オヤジ、行けそうだな」
ロガ:「ああ、鍛錬の成果だ」
二人が並んで立った。
帝国の精鋭部隊を押し返した。
ガルディウスとクラグルの聖白魔術
アルカナム・キャノンが展開された。
今回は前回より範囲が広かった。
精霊の力が使えない範囲が広がった。
コダ:「範囲が前回より広くなっています。
精霊が聞こえない」
ガルディウスとクラグルが前に出た。
聖白魔術を発動した。
しかし足りなかった。
ガルディウス:「足りない。範囲が広すぎる」
クラグル:「もっと深く。
エドガルのことを思い出してください。
私は全員の顔を思い出します」
ガルディウスが目を閉じた。
エドガルの顔が浮かんだ。
「将軍が来てくれた。信じていました」という言葉が聞こえた。
しかし今回はそれだけではなかった。
カルシアの民の顔が出てきた。
守ってきた全員の顔だった。
名前を知っている者たちの顔だった。
名前を知らない者たちの顔だった。
全員の顔が出てきた。
ガルディウス:「エドガルだけじゃない。全員だ。俺が守ってきた全員の顔だ。
全員のために戦っている」
出力が上がった。
聖白魔術が広範囲に広がった。
クラグル:「今です。
これだけの出力が出せれば
アルカナム・キャノンの範囲を押し返せる」
アルカナム・キャノンの電磁場が縮小し始めた。
精霊の力が戻り始めた。
コダ:「精霊が聞こえる。戻ってきた」
ローフェンのレーヴァテインが最大まで輝いた。
カワウソ人ルトラの水の力が戻った。
馬人ルドルフの炎が戻った。
防衛線が持ち直した。
レイムンドが戦線を離れる
その時だった。
遠くでレイムンドが戦線から離れた場所に立っていた。
攻撃を指揮していなかった。
副官:「将軍、指示を」
レイムンド:「少し待て」
副官:「しかし計画の時間から遅れています」
レイムンド:「わかっている」
レイムンドがクロノスリュカの防衛線を見ていた。
聖白魔術が広がっている場所で
ガルディウスとクラグルが並んでいた。
人間と獣人が並んでいた。
レイムンド(心の中):
「人間と獣人が並んでいる。
帝国ではそれぞれの役割が決まっている。
並ぶことはない。
しかしあの二人は自分で選んで並んでいる。
違う種族が違う力を持って同じ方向を向いている。
それが信の言う『違うから強い』か」
レイムンドが副官を見た。
レイムンド:「撤退する。今日はここまでだ」
副官:「計画ではまだ第四波があります」
レイムンド:「変更する。今日の戦いで得るものはもうない」
帝国軍が撤退した。
計画より早い撤退だった。
第三戦の振り返り
全員が戻ってきた。
怪我人は前回より少なかった。
信:「今日は前回より良かった。
ロガとローフェンが
精鋭部隊を崩した。
ガルディウスとクラグルがアルカナム・キャノンの電磁場を押し返した。
しかし帝国も学んでいる。
次はさらに変えてくる」
ロガ:「変えてきても俺たちが変えれば追いつかない」
信:「そうです。それがアジャイルだ」
信がレイムンドを呼ぶ
第三戦が終わった夜だった。
信がレイムンドに直接使者を送った。
懐中時計ではなかった。
人を送った。
使者:「クロノスリュカの牧野信より。
レイムンド将軍に会いたい。
武器なしで。中立地帯で。明日の朝」
レイムンドが使者を見た。
長い間考えた。
レイムンド:「伝えろ。行くと」
中立地帯・翌朝
朝だった。
霧が出ていた。
中立地帯に二人が来た。
武器はなかった。
護衛もなかった。
信:「来てくれましたね」
レイムンド:「お前が呼んだから。
しかしこれは帝国の計画にない行動だ。
俺が自分で決めた」
信:「初めて自分で決めましたか」
レイムンド:「そうかもしれない。
帝国に入ってからずっと計画通りに動いてきた。
今日は初めて計画を外れた」
信:「どんな感じですか」
レイムンド:「怖い。しかし悪くない」
信:「それが選ぶということです」
レイムンドが少し間を置いた。
レイムンド:「お前に聞きたいことがある。
クロノスリュカはなぜ戦う者がいなくならないのか。
帝国の民なら管理者が命令するから戦う。
しかしあなたたちは誰かに命令されているのか」
信:「命令していません」
レイムンド:「ではなぜ全員が戦うのか」
信:「守りたいものがあるからです。
自分で選んで守っている。
命令されなくても動ける。
それが自分で選んだということだ」
レイムンドが遠くを見た。
レイムンド:「帝国の民も守りたいものはあるはずだ。
しかし自分で選んで守ることを訓練されていない。
管理者が決めるから動く。
管理者がいなければ動けない」
信:「それを変えたいと思いますか」
レイムンド:「わからない。
しかし今日俺は自分で決めてここに来た。
怖かった。
しかし悪くなかった。それが答えかもしれない」
別れ際に
レイムンド:「また来るかもしれない」
信:「いつでも来てください。
戦いの時以外なら話します」
レイムンド:「戦いの時以外か。難しい条件だ」
信:「難しくない。あなたが決めればいい。それだけだ」
レイムンドが去った。
信が見送った。
そばにいる精霊が静かに光った。
信が手帳に書いた。
第三戦。 ロガとローフェンが精鋭を崩した。 ガルディウスとクラグルが アルカナム・キャノンを押し返した。 「全員の顔を思い出す」 それが出力になった。 レイムンドが自分で決めて来た。 「怖い。しかし悪くない」 「それが選ぶということです」と言ったら レイムンドが頷いた。 帝国の将軍が 初めて計画を外れた。 それが今日の最大の収穫だ。
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建国プロジェクト:状況報告
第8部・東の大陸編 第8話終了時点
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第三戦の結果
怪我人は前回より少なかった
ロガとローフェンが精鋭部隊を崩した
ガルディウスとクラグルが
アルカナム・キャノンの電磁場を押し返した
ガルディウスの成長
エドガルだけでなく
守ってきた全員の顔を思い出した
出力が上がった
レイムンドの変化
戦線を早期撤退させた
「計画を変えても得るものはない」
自分で決めて信に会いに来た
「怖い。しかし悪くない」
信の言葉
「それが選ぶということです」
「お前が決めればいい。それだけだ」
帝国の内部変化
レイムンドが「また来るかもしれない」と言った
次のマイルストーン
→第9話:アリカが証拠を持ってくる
→帝国内部の変化が加速する
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第8部 第8話 終了
次話:「証拠」




