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ワクワク獣人ランド 〜異世界PM:適材適所で虐げられている獣人たちと最強の国を作ります〜  作者: 星麒麟


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105/111

第7部 第15話「均衡の世界」

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建国プロジェクト:状況報告

第7部・死滅編 第15話開始時点

現在地:クロノスリュカ・建国地

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状況 :タナトスが均衡に戻った

    世界に静けさが戻りつつある

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タナトスがゲヘナの深部に戻る直前だった。


信に向かって言った。

タナトス:「一つだけ伝えておく」

信:「何ですか」

タナトス:「お前たちが見たゲヘナはまだ入り口でしかない。

      底にはまだまだ無限とも言える世界が広がっている。

      覚えておけ」

信:「覚えておきます」


タナトスが消えた。

信が少し考えた。

手帳に書き留めた。

「ゲヘナの底は無限に広い。今回は入り口しか見ていない」


ゲヘナに光が差し込む


均衡が戻ったゲヘナは変わっていた。

灰色だった空が少し明るくなっていた。

タナトスの城が威圧感を失っていた。

離反派の死霊たちが穏やかになっていた。

幽霊たちが静かに漂っていた。

苦しんでいなかった。


城の前に漂っていた太古の英雄たちの魂が光り始めた。

カイ・ラガンが見ていた。

古竜の魂:「均衡が戻った。

      ありがとう。

      長い間

      待っていた。

      やっと

      安らかになれる」

カイ・ラガン:「待たせた」

古竜の魂:「お前も

      休め。

      一人で

      抱えすぎた」

カイ・ラガン:「もう、一人ではないんだ」


魂たちが光になった。

次元の向こうへ消えた。

カイ・ラガンが見送った。

泣かなかった。

笑っていた。


滅んだ国々の復活


その夜だった。

次元の境界が揺れた。

カイ・ラガンが空を見た。

カイ・ラガン:「来る」

ジーク:「来るか」


次元の狭間から光が溢れた。

古竜の国が現れた。

精神生命体の国が現れた。

他にもいくつかの国が現れた。

タナトスの均衡回復によって死に縛られていた国々が解放された。


全員が空を見上げた。

誰も言葉を発しなかった。

カイ・ラガンが長い沈黙の後に言った。

カイ・ラガン:「みんなが戻ってきた」


初めて声が震えた。

ジークが隣にいた。

何も言わなかった。

ただ隣にいた。


エドガルとガルディウス


カルシアだった。

エドガルが人間の姿で立っていた。

体は弱っていた。

しかし生きていた。

ガルディウスが前に立った。

ガルディウス:「生きているか」

エドガル:「生きています。将軍」


二人が何も言えなくなった。

ガルディウスが初めて部下の前で感情を見せた。

目が赤かった。

声が出なかった。

エドガルが先に言った。

エドガル:「将軍が待っていてくれた。信じていました」

ガルディウス:「当然だ。俺が必ず助けると言ったんだ」


カルシアの兵士たちが見ていた。

誰も何も言わなかった。

しかし全員が笑っていた。


数日後、クラグルがカルシアを訪れた。

まだ体が弱っていた。

パナシアが付き添っていた。

エドガルが会いに来た。

エドガル:「あなたが助けてくれたんですね」

クラグル:「ガルディウスが祈ってくれたからですよ。

      私はそれを手伝っただけです」

エドガル:「ありがとうございます。

      生きています。

      ちゃんと生きています」

クラグル:「医者に私には、それが何よりです」


クラグルとガルディウスが並んでいた。

獣人の医師と人間の将軍が並んでいた。

それだけでこの世界の答えになっていた。


それぞれの日常


ローフェンとロガ


翌朝、訓練場に二人がいた。

いつも通りだった。

木刀が打ち合った。

ロガ:「今日はどっちが強いかな」

ローフェン:「まだオヤジだろうさ」

ロガ:「そうでもないぞ」


それだけだった。

しかし最高の朝だった。


ウィンとリーラ


声が戻るまで一週間かかった。

声が戻った朝、二人が音楽院で歌い始めた。

アポロンが来た。

生命の精霊がいつもより大きかった。

リーラ:「先生、声が戻りました」

ウィン:「私も。歌えたよ」

リーラ:「また歌いましょう」

ウィン:「ずっと歌おう」



クラグルとパナシア


クラグルがようやく起き上がれた。

クラグル:「歩けますから」

パナシア:「座ってください」

クラグル:「私のことですから、私が一番分かっています」

パナシア:「全く、人には回復が第一だと言うのに」

クラグル:「……」

パナシア:「先生」

クラグル:「何です」

パナシア:「ありがとうございます。

      先生のそばで働けてよかった」

クラグル:「私もです。

      あなたがいるから続けられる」


クラグルが素直に座った。


カイ・ラガンとジーク


竜門学府で久しぶりに二人だけで話した。

何を話したかは誰も知らなかった。

しかし朝まで続いた。

翌朝、竜騎士団の再編が始まった。

ジーク:「竜騎士団を再編しよう。

     ゲヘナの均衡を今度は俺たちが一緒に維持するんだ」

カイ・ラガン:「ああ。今度こそな」



リリィ


研究室で魔法の練習をしていた。

エルネストが「少し休め」と言った。

リリィ:「今ビンビンなんですよ私」

エルネスト:「お前が倒れたら研究が止まるだろう」

リリィ:「もったいないの〜」


渋々休んだ。

しかし五分で戻ってきた。

エルネストが笑った。

リリィ:「なぜ笑うんですか」

エルネスト:「お前らしいと思ってな」

リリィ:「それはそうですよ。私なんですから」


鈴が鳴った。

照れているように聞こえた。


ワイトの言葉


ワイトが黄泉に戻る前に信に一言言った。

ワイト:「面白い者たちだ。

     生者も

     死者も

     同じ方向を向いた。

     長い時を生きてきたが

     初めて見た」

信:「また来てもいいですか」

ワイト:「いつでも

     来い。

     ゲヘナは

     変わった。

     訪れる者を

     歓迎できるように

     なったかもしれない」

信:「楽しみにしています」


ワイトが黄泉に戻った。

定期的に連絡が来るようになった。


離反派との共存


幽霊たちが各地に漂っていた。

農村の霧の中にいた幽霊が信に言った。

幽霊:「ここにいていいですか」

信:「ええ。

   ただし住民を怖がらせないでくださいね」

幽霊:「善処する」


農村の霧の中に溶けていった。

ラギラブが畑を見ながら言った。

ラギラブ:「幽霊が畑を見ていた。

      作物を見守ってくれているようだった」

信:「デメテルと一緒に見守ってもらえれば最高だな」

ラギラブ:「そう思います」



大宴会


国中に灯りが点いた。

復活した国々の使者が来た。

古竜の使者が来た。

精神生命体の使者が来た。

これまで誰も見たことのない存在たちが来た。

大宴会が開かれた。

獣楽祭よりさらに大きな宴だった。


ダレトが料理を作り続けた。

幽霊が傍に漂っていた。

幽霊:「美味しい気がする」

ダレト:「気がするか。

     それでも嬉しい。

     食べられなくても来てくれるなら毎回作るよ」



チンチラの獣人マスデが舞台で踊った。

全身で喜びを表現した。

見ていた幽霊たちが揺れた。

楽しんでいた。

マスデ:「幽霊さんたちも踊りたそうだ」


幽霊たちが揺れ方を変えた。

踊りに合わせていた。

会場が笑った。


ウィンとリーラが歌った。

声が戻ったばかりだった。

しかし止まらなかった。

アポロンが音楽堂の上で輝いた。

生命の精霊が宴全体を包んだ。


信の精霊の気配


宴の途中だった。

リュカが信の隣を見た。

リュカ:「信の隣に何かいるね。

     いつもより大きくなっている」

信:「ずっといる。ここに来た時から。おかしなことに最近気づいたんだ」

リュカ:「名前は?」

信:「まだわからない。

   でも少し大きくなった気がする」


コダが通りかかって感じた。

コダ:「この精霊は信さんの精霊ですね。

    別の世界の欠片から育った。

    もうすぐ形になりそうです」

信:「そうなのか」

リュカ:「早く形になってほしいな」

信:「俺もだよ」


精霊がかすかに光った。

応えるように光った。


信とリュカ・時計塔


宴が続く中、信とリュカが時計塔に上がった。

渓谷全体が見えた。

灯りが溢れていた。

笑い声が聞こえた。

歌声が聞こえた。

生きている音だった。

復活した国々の光が遠くに見えた。

アポロンが世界中に広がっていた。

ゲヘナの方向に静かなタナトスの影が見えた。

均衡していた。

リュカ:「こんな世界を作りたかったんだ」

信:「作れたね」

リュカ:「まだまだ続くよ」

信:「ああ、続けよう」


しばらく二人が並んで渓谷を見ていた。

時計塔の鐘が鳴った。

光の精霊が塔を照らした。

リュカ:「ね、信。次は何をする?」

信:「リュカが決めるんだ。国王なんだ」

リュカ:「じゃあ皆で決める仕組みを作ろう。

     もっとワクワクする楽しい国を。

     世界も一緒に」

信:「いいね」

リュカ:「約束ね」

信:「約束だ」



信が手帳を閉じる


信が手帳の最後のページを書いた。

タナトスが言った。 ゲヘナの底には まだ無限の世界が広がっている。 今回は入り口しか見ていない。 覚えておく。 しかし今日は それだけを考えない。 均衡が戻った。 滅んだ国々が戻ってきた。 カイ・ラガンが一人じゃなくなった。 クラグルがエドガルを助けた。 ウィンとリーラが歌い続けた。 全員、生きている。 それだけで十分だ。 明日から、また始める。

信が手帳を閉じた。

新しい手帳を開いた。

第一ページに書いた。

まだまだ続く。


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建国プロジェクト:状況報告

第7部・死滅編 第15話終了時点

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ゲヘナの変化

 灰色の空が少し明るくなった

 離反派に安息が戻った


滅んだ国々の復活

 古竜の国が戻ってきた

 精神生命体の国が戻ってきた

 カイ・ラガンが泣かずに笑った


エドガルとガルディウスの再会

 「生きています、将軍」

 クラグルもカルシアを訪れた


それぞれの日常

 ローフェンとロガ:また稽古

 ウィンとリーラ:また歌い始めた

 クラグルとパナシア:素直に座った

 カイ・ラガンとジーク:竜騎士団再編

 リリィ:五分で戻ってきた


ワイトの言葉

 「生者も死者も同じ方向を向いた」

 「初めて見た」


離反派との共存

 幽霊が農村を見守り始めた


大宴会

 復活した国々の使者が来た

 マスデと幽霊が一緒に踊った


信の精霊

 「もうすぐ形になりそう」

 かすかに光った


タナトスの忠告(伏線)

 「ゲヘナの底には

  まだ無限の世界が広がっている」

 「今回は入り口しか見ていない」


締めの言葉

 「まだまだ続く」

 信が新しい手帳を開いた


第7部「死滅編」完結

第8部「東の大陸編」へ続く

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第7部 第15話 終了

第7部「死滅編」完結


「ゲヘナの底には、まだ無限の世界が広がっている」 ― タナトス、均衡に戻る直前に


第8部「東の大陸編」へ続く



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